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女子日本代表:金メダルへの挑戦「相手が嫌がることを40分間出し続ければ、全然勝てない相手ではない」町田瑠唯選手

2024年7月22日

判断を大事にゲームを組み立てる町田瑠唯選手

毎日フィードバックしながらスクリプトを覚えてきた宮澤夕貴選手

 ヨーロッパ遠征の強化試合を終えた女子日本代表は、アメリカとの開幕戦まであと1週間。#8 髙田真希選手とともに、#13 町田瑠唯選手と#52 宮澤夕貴選手は3度目の世界最高峰の舞台に挑みます。宮澤選手は2022年のFIBA女子ワールドカップ以来、町田選手に至っては2021年にアシスト王(平均12.5本/準決勝フランス戦は18本で大会新記録樹立)となった前回大会以来の日本代表選出です。

 3年間、国際大会へ出場する機会こそありませんでしたが、恩塚亨ヘッドコーチ体制になってからも候補選手として町田選手は招集され、ケガによる別メニューで調整しながら間近で練習を見ていました。まずは丸暗記しなければならないスクリプト(台本)に対し、経験豊富な町田選手も苦労します。「判断する場面で、そのときの選択肢をみんなが理解していることで決まるプレーが多いです」と話し、本番まで1ヶ月前の段階では40%程度の出来でした。「選手によって判断の仕方が違います。それぞれが相手のディフェンスに対してどのような判断をするのか、私自身もみんなのプレーを頭に入れるようにして、しっかりと合わせられるように準備しています」と町田選手はチーム力の向上に努めてきました。

 宮澤選手も「フォーメーションを覚えるよりもスクリプトの方が大変です」と吐露します。その違いについて、「フォーメーションは全員が決まった動きをします。もちろん相手が裏をかくプレーをしてきますが、基本的に動きは変わりません。でも、スクリプトは相手の動きに対して瞬時に判断しなければならないので、1人でも間違えてしまえばプレーは崩れてしまいます」という大きな違いであり、フォーメーションのように動きが書かれたペーパーもありません。宮澤選手は練習や試合の映像を何度も見返しながら、「何ができて、何が出来ていないのかを毎日反省し、次の練習で苦手分野を潰していくことを大事にしています」と積み重ねながらスクリプトを覚えていました。

 恩塚ヘッドコーチはスクリプトをベースにしつつも、選手たちのアドリブによるプレーにも期待しています。実際にコートで戦う選手たちの判断を尊重し、うまくいかなければスクリプトに立ち戻れば良い。その両輪で進化させ、金メダルへ挑戦し続けています。

 過去2大会でアメリカとは3度対戦し、リオ大会の準々決勝は64-110(46点差)、東京大会の予選では69-86(17点差)、決勝は75-90(15点差)と着実にその差を縮めてきました。チャンピオンチームに対し、宮澤選手は「フィジカルも高さもスピードもあって、なんでもできる選手が12人揃っているイメージがあります。それに向かって自分たちは今、その時々の判断で勝っていくための練習をしています。それがしっかりできればアメリカと戦えるし、勝てるとも思います」とこれまでの努力に対して、自信が芽生えています。町田選手も同じく、勝利へのカギを挙げました。

「日本の運動量やスピードなど、チームで戦うことや相手が嫌がることを40分間出し続ければ、全然勝てない相手ではないと思っています。40分間やり切ることが大事になります」