ニュース

FIBA U17女子ワールドカップ2024[準々決勝]日本59-95アメリカ:試合をして芽生えた「いろんな感情を大事にして欲しい」藪内夏美ヘッドコーチ

2024年7月20日

後半にアジャストし、次々とレイアップシュートを成功させた濱田ななの選手

後藤音羽選手はチームハイの19点と活躍

 「FIBA U17女子バスケットボール ワールドカップ2024」は準々決勝が行われ、女子U17日本代表は早くもディフェンディングチャンピオンのアメリカと対戦。#7 後藤音羽選手(浜松開誠館高校3年)が19点、#12 濱田ななの選手(桜花学園高校2年)も18点を挙げて対抗しましたが、59-95で敗れました。この結果、5-8位決定戦へまわり、明日はイタリアと対戦します。

 アメリカはファーストシュートを決めた後、フルコートプレスディフェンスを仕掛けてきました。プレッシャーを受けながらも、濵田選手と#51 山田 桜来選手(桜花学園高校2年)の2ガードにスタメンを代え、冷静にボールを運びます。しかしシュート精度が上がらず、逆にリバウンドを拾ったアメリカはトランジション速くあっという間に得点を重ねていきます。前半のフィールドゴール成功率は日本の22%(9/41本)に対し、アメリカは58.3%(21/36本)と確率高く決められます。流れの中での連続得点は、第2クォーター残り3分の濵田選手と#66 牧野琉依選手(千葉経済大学附属高校3年)だけしかなく、23-50とアメリカのワンサイドゲームになります。

 第3クォーター、ペイントエリアは人数をかけて守り、ボックスアウトをより徹底したことでリバウンドが取った日本が少しずつ流れを引き寄せます。前半はブロックされ続けた濵田選手でしたが、工夫したことでレイアップが決まりはじめ、得点を伸ばします。第3クォーターの10分間は、19-13でアメリカを上回ります。しかし、第4クォーターは17-32と圧倒され、59-95の36点差でチャンピオンチームの壁に阻まれました。

 試合後、藪内夏美ヘッドコーチは「悔しさや楽しさ、もう少しできたのでは、などいろんな感情があると思うが、それを大事にして欲しい。もし、もう少しできたと思った選手は、これが世界と戦うことであり、いつも通りのプレーが一切通用しないことも分かったと思う。自分自身のプレーをどうアップデートし、脱却するかが問われる。だからこそスキルを工夫し、チームでプレーを作ることをこの先はみんなでがんばっていかなければいけない」と伝えました。女子日本代表と同じコンセプトで強化し、試合を見る機会も増えましたが、「この世代の選手にはまだ浸透していません」と藪内ヘッドコーチは危惧してきました。だからこそ、この試合を忘れてはならず、このレベルがベースになることを求めています。

 過去6大会行われているFIBA U17女子ワールドカップですが、アメリカと対戦したのは2022年の前回大会で同じく準々決勝がはじめてでした。そのときの結果は38-112。世界大会に出場しても、チャンピオンチームと対戦できる機会は希であり、それを体感したこの12人の今後が楽しみです。前回大会はアメリカに敗れたことが尾を引いたのか、その後は2連敗に終わり、8位でした。藪内ヘッドコーチはあと2試合残っていることを意識させ、もう一度モチベーションを高めて、グループB・1位のイタリアとの5-8位決定戦へ臨みます。