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男子日本代表:第1次強化合宿(ディベロップメントキャンプ)レポート「これが世界基準のバスケなんだ」瀬川琉久選手

2024年5月30日

瀬川琉久選手はシュート力とハンドリングに手応えを実感

ポジションアップに挑む渡邉伶音選手

 男子日本代表は継続的な強化・育成を念頭に、第1次強化合宿(ディベロップメントキャンプ)を行いました。3年後のFIBAワールドカップ2027や4年後のロサンゼルス2028オリンピックを見据えるとともに、57日後に迫るパリ2024オリンピックへ向けた足りないピースを発掘する機会。まずは日本代表候補に選出されて第2次強化合宿へ進むためにも、参加選手たちは熱のこもった練習となりました。

 Bリーグ 中地区チャンピオンの三遠ネオフェニックスから佐々木隆成選手と大浦颯太選手のプレーを間近で見たトム・ホーバスヘッドコーチは、「2人ともすごく良い選手であり、おもしろい」とはじめて参加する選手たちの長所を見極めます。ガード陣の中では「身長のあるポイントガードとして湧川選手はおもしろいかな」と続け、194cmの湧川颯斗選手に目をつけます。兄・テーブス海選手を追う弟・流河選手(ボストン・カレッジ)もはじめての参加であり、持てる力を披露。ホーバスヘッドコーチはテーブス兄弟を比較し、「似ているアクションもあるが、流河選手の方がシューティングがすごく上手。でも、海選手は大きく、力強い。2人ともおもしろいし、良い選手です」という言葉に、もしかすると兄弟揃って同じコートに立つ日が近いかもしれません。

 渡邉伶音選手(福岡大学附属大濠高校)と瀬川琉久選手(東山高校)は、高校3年生の最年少。今春、ドイツで開催された第30回アルバート・シュバイツァー・トーナメントには男子U18日本代表として一緒に出場し、同世代の世界レベルを体感してきました。「もし17歳のときに、アメリカ代表合宿に参加できていたら、それはもう最高です」とホーバスヘッドコーチは自身と置き換え、彼らに変わらぬレベルで向き合います。「この年代でフィジカルにプレーでき、しかも慌てない」と瀬川選手を絶賛。しかし、本人にとっては「ディフェンスのフィジカルは本当にこれまで体験したことのない強さがあり、そこは苦戦しました」と衝撃を受けたようです。

 逆に、まだ体ができあがっていない204cmの渡邉選手に対しては、「シュートがすごくキレイです」とホーバスヘッドコーチは長所を伸ばします。ライジングゼファー福岡の特別指定選手として6試合に出場し、そのうち2試合はB2プレーオフを経験。高校でのポジションはセンターですが、福岡でも今合宿でもパワーフォワードへポジションアップが求められます。「スクリーンをした後にホップアウトをして、3ポイントシュートはどんどん打っていくように言われました。ディフェンスでもオフェンスでも、もっと走り回らないといけないです」と将来を見据えて挑戦しています。

 渡邉選手は今合宿に呼ばれたときから、「個人としても高校のチームにとっても、ここで学べることをすべて持ち帰ろうと楽しみな気持ちがすごくありました。日本の特徴である速いプレーやアウトサイドシュートを重視していたので、そこはいっぱい吸収できました」と最初の目標を達成。瀬川選手も憧れの日本代表にに一歩近づくことができ、「今まで体験してこなかったようなことを求められましたが、これが世界基準のバスケなんだと感じました。Bリーグや海外でプレーする選手たちと一緒に練習をできたことを、今後の成長につなげていきます」と学んだことを所属チームへ還元し、底上げすることが重要です。日本代表にとっても一気通貫の強化を担っており、渡邉選手と瀬川選手は男子U18日本代表候補選手です。今年9月に予定されているFIBA U18アジアカップで上位4チームに入り、来年のFIBA U19ワールドカップ出場を目指します。