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男子日本代表:ディベロップメントキャンプ実施中「双子で一緒に出られればおもしろい」赤穂雷太選手

2024年5月25日

手応えを感じるレイアップシュートを決める武藤俊太朗選手

女子日本代表のひまわり選手と一緒に双子でオリンピック出場を目指す赤穂雷太選手

 男子日本代表は5月20日より、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第1次強化合宿がスタート。パリ2024オリンピックへ向けた選手発掘とともに、その先のロサンゼルス2028オリンピックを見据えた若い世代を含めた21名を招集したディベロップメントキャンプは、トム・ホーバスヘッドコーチが築いてきた日本のスタイルを学ぶ機会となっています。

 「エネルギーがすごくあり、みんなが努力しています」と活気溢れる練習は、ホーバスヘッドコーチを喜ばせます。練習内容はトップチームと変わらず、「ディフェンスとオフェンスのアクションやセットプレーも少しずつ教えています。3日が経ち、5on5を行いましたが悪くなかったです」と述べ、ここから4〜5名の選手をパリ2024オリンピックへ向けた第2次強化合宿へ招集すると言及します。

 昨年10月に開催された第19回アジア競技大会に出場した赤穂雷太選手(秋田ノーザンハピネッツ)は、「スタートで出させてもらったことで通用する部分も、課題もハッキリしました。通用するプレーも多々あったので、アジア競技大会が自分に対して自信を持たせてくれました」という経験を踏まえ、次のステップを狙います。今シーズンのBリーグでは秋田へ移籍し、「ペイントアタックを求められ、フリースローの試投数が昨シーズンより倍くらいに増えました(26/40→47/73)」とステップアップしたことも自信の裏付けになっています。

 日本の得点力を生かすためにも、「自分がペイントエリアに切れ込んで行って、ディフェンスを収縮させてキックアウトパスを出せれば、もっともっと確率良くシュートも打てると思います。それができる選手もまだ少ないので、ドライブで切って行くプレーが代表で生き残るためにもやるべきことだと思っています」と話し、強みであるディフェンスとオフェンスリバウンド、3ポイントシュートとともに新たな武器を持ってパリ2024オリンピックへアピールします。

「(女子日本代表候補の赤穂)ひまわりはきっとメンバーに入ると思うので、自分もそこに絡めれば親もうれしいと思います。双子で一緒に出られればおもしろいので、そのためにも自分ががんばらなければなりません。挑戦できる場にいるからこそ、日本代表に選ばれるようにがんばりたいです」

 昨年、男子U19日本代表として世界との真剣勝負を経験した中からジェイコブス晶選手(ハワイ大学2年)、湧川颯斗選手(滋賀レイクス)、小澤飛悠選手(日本体育大学2年)、武藤俊太朗選手(明治大学2年)、渡邉伶音選手(福岡大学附属大濠高校3年)の5名が招集されました。ジェイコブス選手は昨夏に日本代表候補経験があり、ホーブスヘッドコーチは「体が大きくなりました。将来を見据えれば、3番や2番とポジションを上げていけるとは思いますが、まだディフェンスができません。今は4番ポジション、ストレッチフォーとしてプレーしています」と期待を寄せています。

 日本体育大学の小澤選手は今月開催された第73回関東大学バスケットボール選手権大会で優勝し、2年生ながら優秀選手賞に選ばれ、アシスト王にも輝きました。「トムヘッドコーチの考え方を19歳の今、知ることができるのは良い経験になります。スペーシングなど細部までこだわって指導してくれていますが、アンダーカテゴリーのアレハンドロ・マルティネスヘッドコーチと似ているところもあります」とこれまでの経験も生かしています。

 同じく武藤選手も今回の招集に対し、「目標としている日本代表に一歩近づけたうれしさがありました」と喜びます。しかし、実際に練習がはじまると、「体の疲労よりもセットプレーが多く、頭を使う部分が多いことでの疲れがあります」と日本代表として活躍する選手たちと同じ大変さを痛感します。はじめて参加する選手の方が多いディベロップメントキャンプですが、練習内容もコンセプトも日本代表合宿と変わりません。日を増す毎に数多あるセットプレーを理解しはじめた武藤選手は、「レイアップシュートまで行けていることに手応えを感じています」と得意なプレーを発揮しはじめました。

 第2次強化合宿、その先に待つパリ2024オリンピックを明確な目標として目指す選手もいれば、武藤選手や小澤選手は次の世代と言えます。「日本代表に入りたい気持ちは強く、できるのであれば今すぐにでも選ばれたい想いはあります。でも、このキャンプを経験したことで、まだそのレベルではないことも分かりました。ここから一歩一歩、日本代表への道を登っていけるようにしたいです」と小澤選手は現実を知ったからこそ、ロス2028オリンピックへ向けて必要な課題を見つける日々です。2大会連続オリンピックへ出場を決めましたが、4年後はまだ分かりません。オリンピックの翌年、2025年にはFIBAワールドカップ2027へ向けたアジア予選がはじまり、そこからオリンピックへつながる戦いがはじまります。そのための準備を広い世代にわたって伝える大事な機会であり、ディベロップメントキャンプは5月30日(木)まで続きます。