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3×3男女日本代表:オリンピック最終予選まであと7日「シュートをもっと決め、相手にプレッシャーを与えていきたい」トーマス・ケネディ選手

2024年5月9日

トーマス・ケネディ選手の抜きん出た活躍に期待

ブロックショットを決めた中田珠未選手のハイタッチ

 「FIBA 3×3 ユニバーサリティ・オリンピック予選2」(以下UOQT2)の悔しさを乗り越え、1週間後の5月16日(木)よりハンガリー・デブレツェンで開幕する「FIBA 3×3 オリンピック最終予選 2024」(以下OQT)へ向け、3×3男女日本代表は登録メンバー6名で再始動しました。不慮のケガに見舞われた江村優有選手(早稲田大学4年)に代わって窪田真優選手(日立ハイテク クーガーズ)を登録し、それ以外は男女ともこれまでと変わらぬメンバーでパリ2024オリンピック出場権をつかみに行きます。

 茨城ロボッツのB1残留が決まり、トーマス・ケネディ選手の不安要素は取り払われました。UOQT2が開催されたライトキューブ宇都宮にも、隣の茨城からロボッツウェアを着てタオルを振る多くのファンが駆け付けてくださり、「大歓声の中で楽しみながらプレーすることができました」とケネディ選手も感謝しています。しかし結果が伴わず、「予選プール最終戦のフランスに勝てなかったのは残念でした。ホーム開催だったからこそ決勝トーナメントへ進み、そして勝ちたかったです」とは、チーム全員の想いです。

 昨年のFIBA 3×3ワールドカップ、そして3月末のFIBA 3×3アジアカップに出場したケネディ選手ですが、オリンピックの切符を懸けた真剣勝負ははじめての経験です。ケネディ選手は、3×3の戦い方をあらためて知る機会にもなりました。

「3×3はスピーディーなスポーツであり、一度試合がはじまってしまえば、例えミスをしてもすぐに次のプレーに切り替えていかなければならないです。常に次のプレーを見据え、次のディフェンスの準備をするなど、勝つためには継続的なプレーが必要です。UOQT2を通じて、たくさんの学ぶ機会になりました。全員でボールを回しながら、確実にゴールを決めることが本当に大切です」

 初戦はモンゴルを相手に13点を決めたケネディ選手ですが、残る2試合は6点に終わっています。「長所であるシュートをもっと決め、相手にプレッシャーを与えていきたい。一気にリードを広げられるような活躍を自分の強みにしたいです」と役割が明確になったケネディ選手。中祖嘉人ヘッドコーチや仲間たちも、エースを生かす戦術をヒントに視界を広げています。

 3人での戦いを強いられたUOQT2では、「最終戦のブラジルは体が強く、体力も運動量も削られてしまって勝つことができませんでした」と3×3女子日本代表の中田珠未選手(ENEOSサンフラワーズ)は振り返ります。しかし、3人になったことで見えたことも多くありました。得点源が抜けたことで、ロースコアゲームで勝機を見出す作戦に変更。ドイツに13-12で勝利、続くブラジル戦は1点及ばずに敗れましたが、しっかりと13点に抑えることができたディフェンスに手応えを感じています。

 中田選手は大きなドイツを相手に、3本のブロックショットを成功。そのうちの2本は、ゲーム終盤のきつい時間帯でした。「もう必死すぎて、1点を獲らせないことだけにただ集中できていました。4人いれば体力的にも余裕があるので次のことを考えますし、それが3×3では大事です。でも3人になり、余裕がなくなってしまったからこそできたプレーもありました」ドイツ戦をFIBA公式YouTubeで見返しながら自信を深めます。

 ロースコアゲームに切り替えたUOQT2でしたが、「やっぱり日本の武器は2ポイントシュート」であり、4人揃って出場できるOQTではその強みを発揮します。中田選手も練習試合では積極的に打っていましたが、世界のセンターを相手に「スピードのミスマッチを突いて攻めることができてしまっていました」とドライブだけになったことを反省。相手を抜くことができても、その後に手が伸びて来たり、フィジカル強く接触されたり、1ポイントシュートの精度を上げられなかったのも課題です。「OQTでは全員が積極的に2ポイントシュートを打って行くことで相手も嫌がります。シュート率の母数を増やすことが大事になります」と中田選手は述べ、それは5人制日本代表と同じ考えです。UOQT2で見せた激しいディフェンスで相手をロースコアに抑えながら、2ポイントシュートを決めることでオリンピックをたぐり寄せます。

 はじめて日本のファンの前でプレーでき、その後の反響も大きかったことを選手たちも実感していました。中田選手の心が動き、よりオリンピック出場への想いが強くなっています。

「『はじめて3×3を見ました』というメッセージをたくさんいただき、本当にうれしかったです。日本のファンの皆さんの前でオリンピック出場を決められなかったのは本当に悔しかったです。でも、『ハンガリーでは絶対に勝ってきてください』と皆さんのコメントに励まされました。実際にホームの大歓声の中でプレーできたからこそすごく力になり、みんなでがんばってきます」

■ FIBA 3×3 Olympic Qualifying Tournament
(FIBA 3×3 バスケットボール オリンピック予選)

日時 : 2024年5月16日 (木) ~5月19日 (日)
場所 : ハンガリー (デブレツェン)
予選組み合わせ
男子[プールD]日本、モンゴル、ベルギー、ポーランド
女子[プールC]日本、スペイン、エジプト、モンゴル
※参加チーム16チームのうち、上位3チームがパリ2024オリンピック出場権を獲得