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FIBAアジアカップ2025予選 Window1[第2戦]日本76-73中国「自分たちからアクションしていくディフェンスをコートで表現しよう」馬場雄大選手

2024年2月25日

3ポイントシュート、ディフェンス、リバウンドの役割を全うした井上宗一郎選手

オフェンスでもディフェンスでも攻め気の姿勢でチームを引っ張る馬場雄大選手

 「FIBAアジアカップ2025予選 Window1」(以下Window1)第2戦は中国と対戦。立ち上がり、3-14とこのゲーム最大となる11点リードを許します。「今はもう慌てることなく、どんなシチュエーションでも対応できています。それも、FIBAワールドカップの経験からしっかりとみんなが自信も得て戦えている部分です」と比江島慎選手(宇都宮ブレックス)が話すとおり、日本のスタイルを貫いたことで巻き返しがはじまります。

 第2クォーター残り4分、テーブス海選手(アルバルク東京)が積極的に仕掛けてファウルをもらい、2本のフリースローを決め、35-33と逆転に成功。その後は同点に追いつかれる場面こそありましたが、最後までリードを保ち、76-73で勝利。FIBA主要大会(※東アジア選手権はFIBAアジア主催、前身のスタンコビッチカップから名称が変わった2012年FIBAアジアカップは招待大会のためにいずれもFIBA主要大会ではない)において、1938年ベルリンオリンピック以来となる88年ぶりの金星を挙げました。

 長く暗い歴史を塗り替えたとともに、トム・ホーバスヘッドコーチにとっては2021年11月の船出で敗れた相手にリベンジを果たします。「素晴らしい勝利であり、チームにとっては自信につながります。パリオリンピックへ向けて、大きな一歩となりました」と喜びます。前回の対戦からたった2年半前の出来事ですが、当時悔しい思いをしたメンバーのうち、この日のコートに立ったのは比江島選手、富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)、須田侑太郎(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)の3人しかいません。ホーバスヘッドコーチはこの短期間での成長や変化について、以下のように述べます。

「日本のスタイルをみんなが理解できたことで、それぞれの役割も明確になりました。この2年半は海外組が合流したり、多くの選手を入れ替えながら合宿や試合を重ねてきました。その間もメインメンバーのレベルが下がらず、少しずつ上がって行きました。この短い間で、これだけの成長を見せているのはすごいことです。みんなが自分たちを信じてがんばり、Bリーグのシーズン中でも努力を続けてくれたおかげであり、選手たちの気持ちが本当に強いです」

 グアム戦はコンディション不良で欠場した馬場雄大選手(長崎ヴェルカ)は、有り余っていた力を発揮。オフェンスでは3ポイントシュート4本を沈め、中国に対応されればペイントエリアへ進撃し、24点を決めました。ホーバスヘッドコーチはディフェンスも評価します。馬場選手自身も、「受け身のディフェンスをしたくはなかったです。トム監督がいつも言うように、自分たちからアクションしていくディフェンスをコートで表現しようと思っていました」と気持ちで負けず、そのメンタリティーはBリーグから意識しているいつものプレーです。

 立ち上がりに2本の3ポイントシュートを決め、反撃の狼煙を上げた井上宗一郎選手(越谷アルファーズ)も、「Bリーグの外国籍選手の方が強いので、ディフェンスで負ける気はしなかったです。練習や試合でも外国籍選手とマッチアップすることが多いので、体のぶつけ方の慣れなどはB2の越谷アルファーズでいろんな経験をさせてもらったことが、この試合に出せたと思います」とリバウンドも含めて役割を全うします。「フィジカルなゲームでしたが、全然負けていなかったです。2年半前はそこで負けていましたが、Bリーグの強度が上がり、外国籍選手とマッチアップするケースも増えたことで、代表選手たちが慣れたことが大きいです」とホーバスヘッドコーチは“日常を世界基準”にする環境に感謝しました。

 2連勝でスタートを切ったWindow1を終え、次は11月21日にホームでモンゴル戦、24日はグアムへ移動してアウェーゲームに臨みます。その間には、パリ2024オリンピックが待っています。88年ぶりの勝利を大きな自信とし、これから所属チームに戻る選手たちは3月1日から再開するBリーグに備え、そしてこの試合で得た課題に取り組みながら成長へとつなげていきます。