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女子日本代表:FIBA女子アジアカップ2023 大会を終え、全選手コメント紹介

2023年7月5日

パリ2024オリンピックへ向かう女子日本代表

 6連覇を目指して挑んだ「FIBA 女子アジアカップ2023」でしたが、決勝でFIBAランキング2位の中国に71-73と惜しくも敗れ、準優勝に終わりました。しかし、パリ2024オリンピックへ向けた世界最終予選への切符をつかみ、もう一度世界一を目指していく道筋は見えています。大会を終えた恩塚亨ヘッドコーチ、そして選手たちのコメントをご紹介します。

恩塚亨ヘッドコーチ
 チームでワンプレーワンプレー戦い抜こうと、それを良いエネルギーでみんなが探してやろうという戦いが、最後の最後までぶれずにできました。選手たちの勝利への気持ちや、日本代表チームとして戦うというプライドは素晴らしかったと思います。最後の中国戦では、勝負どころで勝利に導けなかった責任は感じています。このゲームの学びを次に生かせるように、しっかりと学んでつなげていきたいと思います。

#27 林咲希キャプテン (富士通レッドウェーブ)
 チームとしてはすごく良い雰囲気でしたし、今までもいろんな大会を経験してきましたが、今回は日々を重ねるごとに本当に良いチームになっていました。その良さを出せた結果、中国を相手にも競ることができたと思います。バスケットの内容としては、まだまだ考えてしまう時間が多く、それが中国戦の後半は多かったです。もっともっとクリエイティブに自分たちの頭の回転が速くしたり、恩塚ヘッドコーチの指示に従うだけではなく、自分たちがコートの中でもっともっとできていれば、絶対に勝てた試合でした。もっともっとスキルや頭の回転などを早くしていけば、次は勝てると思います。

#3 馬瓜ステファニー (Movistar estudiantes:スペイン)
 決勝は、簡単に得点を取られてしまった時間帯が多かったです。逆に、相手にプレッシャーをかけられたときに、簡単なターンオーバーをしてしまいました。でも、中国とは本当に少しの差だったと思っています。一人ひとりのがんばりが足りなかったわけではないですが、そういう細かいところの差がこの2点足りなかった結果に出たと思います。

#8 髙田真希 (デンソー アイリス)
 もちろん優勝を目指していたので、悔しい気持ちはあります。でも、大会を通してステップアップでき、昨年のFIBA女子ワールドカップ後からスムーズにオフェンスができるようになったり、自分たちがやるべきことがみんなも理解しはじめたり、手応えも感じられました。

#12 朝比奈あずさ (筑波大学2年)
 初めての国際大会でしたが、限られた時間の中でも自分の役割をしっかり理解してプレーで表現することができたのではないかと思っています。最後の決勝戦を見ていても、リバウンドのところで最後は高さの部分で差が出てしまい、そこでやられてしまいました。センターとして、リバウンドをもっと確実に取り切っていくことが重要だと感じました。ボックスアウトやフィジカルの部分で、もっと相手に脅威を感じさせるようにこれから練習していきたいです。

#15 本橋菜子 (東京羽田ヴィッキーズ)
 合宿中から選手同士のコミュニケーションやミーティングを増やし、この大会期間を通しても少しずつ恩塚ヘッドコーチの求めるバスケが浸透している成果は感じられました。ただ、優勝に届かなかったことはまだ足りないところがあるので、もっともっと突き詰めていかなければいけないです。2大会前に出場したときと比べて、チームも個人も状況が違った中での6連覇への挑戦でした。結果に対する感じ方もまた違いますが、やっぱり優勝したかったので、その悔しさはすごくあります。でも、これまでの活動期間を通して、自分がやるべきことはできたと思っています。

#23 山本麻衣 (トヨタ自動車 アンテロープス)
 昨年のFIBA女子ワールドカップに比べれば、チーム力やみんなで戦うという部分は全然違った雰囲気でした。みんなで戦えたからこそ、ここまで来られたと思っています。もう一段階上がるためにも、それぞれの場所に戻ってもみんなががんばって、もっともっと良いチームにするためにもこのまま成長し続けていきたいです。

#31 平下愛佳 (トヨタ自動車 アンテロープス)
 最初から最後までチームの雰囲気はすごい良くて、 絶対に優勝してやるという気持ちがみんなからもすごく出ていました。自分自身も、そういう気持ちで臨んでいましたが、最後に勝ち切れなかったことが課題なんだと思います。昨年のFIBA女子ワールドカップでは止まってシュートを打つ、または合わせのシュートがすごく多く、そこを止められてしまえば、全部がダメになってしまっていました。しかし、今大会では動きながらのシュートを多くし、ディフェンスを自分で振り切って打つこともできていました。優勝はできませんでしたが、日本のバスケが通用しなかったわけではないとも思っているので、これを突き詰めていけば世界一も目指せると思いました。

#32 宮崎早織 (ENEOSサンフラワーズ)
 6連覇を果たせなかったのは、すごく残念でした。でも、チームがしんどい時に流れを変えるプレーはできたと思っています。でも、その中で勝つことができなかったので、もっと勝ちにこだわっていきたいです。そのためにも、一人ひとりがもっと努力し続けなければいけないのは当たり前ですが、やっぱりチームとして戦う中で我慢の時間帯にもっとみんなが我慢でき、苦しい時に全員が大事なシュートを確実に決めらるように、日々の練習からみんなが意識していくことが世界に勝つためにはすごく必要な力になっていくと思います。

#59 星杏璃 (ENEOSサンフラワーズ)
 日本代表のスタイルが個人の力を伸ばしてくれるとすごく感じました。例えば、自分のシュートが入らなくても、まわりの選手が合わせ続けてくれることがすごく大事だなと思いました。パスする方も、最後までにディフェンスの動きを見極めてシュートを打つのか、合わせてくれる選手にパスを出すのかという選択肢が自分の中でもすごく増えたと感じています。もちろんパリ2024オリンピックに出て、日本の勝利に貢献したいという気持ちはあります。まずはENEOSでスタートを勝ち獲り、試合に出るチーム内の競争に対して一つひとつしっかりと戦って、それにチームとしての結果がついてくればさらに成長ができると思っています。

#75 東藤なな子 (トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)
 いろんな経験ができた大会でした。試合に出られない時間が多い中でも、自分が出るタイミングでどんな仕事をするべきか、またベンチメンバーの気持ちも今までは感じることができなかったです。試合に出られない悔しい気持ちなども体験しないと分からなかったですし、それを気付けたので、これからの成長につなげていけると思いました。試合に出てる選手を全力で応援するのがベンチの仕事であり、ベンチメンバーがいるからこそコートに出ている選手も全力でプレーできます。プレータイムに関わらず、全員で戦うことはできていました。

#88 赤穂ひまわり (デンソー アイリス)
 連覇を逃し、最後に負けて終わったのはやっぱり悔しいです。 もちろん勝たなければいけなかったです。でも、これまであまり良い試合ができていませんでしたが、オーストラリア戦は恩塚ヘッドコーチに代わってからの女子日本代表の中で一番良い試合でした。恩塚ヘッドコーチが目指すバスケットスタイルが少しは見えた大会になりました。どこの国も、日本の速いトランジションバスケは止めにきます。そこを止められないぐらいのトランジションを出していく必要があると思いました。今回も ハーフコートオフェンスでは苦しいことも痛感したからこそ、どんどん日本の速いペースに持っていくことができれば、必ず良い試合にできるという手応えを感じました。

#99 オコエ桃仁花 (GEELONG SUPERCATS / UC Capitals:オーストラリア)
 連覇できなかったことは率直に悔しいですし、これまで先輩たちが築いてきたものを守れなかったのは心に穴が開いた思いもあります。同時に、連覇することの難しさも感じました。でも、試合毎にチームとしても成長できていましたし、個人としても昨日よりも今日と日々良くなっていました。やっぱりディフェンスができてこその日本のバスケットです。コミュニケーションミスやちょっとしたズレがあったので、もっとディフェンスにフォーカスしなければ勝てないと思いました。中国の大きな相手に対するミスマッチのところをどう守れば良いかが課題点であり、そこは改善していかなければならないです。