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女子U19日本代表:第1次強化合宿レポート「壁にぶつかったときは東藤なな子選手の話を思い出し、くじけずにがんばろう」都野七海選手

2023年4月24日

スピードと裏をかくプレーを生かしてゴールを狙う都野七海選手

センターの大脇晴選手は2mの相手を想定しながらプレー

 2023年度女子U19日本代表は4月21日(金)〜23日(日)の期間、味の素ナショナルスポーツセンターにて第1次強化合宿を実施。7月15日よりスペイン・マドリッドにて開幕する「FIBA U19女子ワールドカップ」の組み合わせが決まりました。予選ラウンドで同じグループとなったのはイタリア、ブラジル、リトアニアです。

 イタリアとは前回2021年大会で対戦し、88-51で勝利しました。しかし、藪内夏美ヘッドコーチは「年度によって強さが区々であり、その差があるのでなかなか読めないです」と今後も情報収集に努めます。3チームの中で特にリトアニアを警戒し、今合宿から手強い相手を想定しながら強化を進めはじています。

 昨年のFIBA女子 U16アジア選手権以上に、高さや強さへ対抗することが求められる世界大会。「とにかくインサイドで勝負するのはほぼ難しい」と藪内ヘッドコーチは述べ、いつも通りを疑っていかなければなりません。そのためにも「次から次へと判断をつないでいくようなイメージ」を目指し、チーム力で高さを凌駕していくことを目指します。

 昨年から継続した強化により、選手それぞれの特徴も把握でき、「チームができあがってきたと感じます」と言うのは大脇晴選手(東京医療保健大学2年)。2月の『WリーグSUPERGAMES ~4GENERATIONS~』(以下SUPERGAMES)では、女子日本代表選手も多いW LEAGUE UNITED O26を相手に53-64で敗れるも、健闘しました。「積極的にリバウンドや1on1を仕掛け、ガードと一緒にスクリーンのセットアップをかけたことでノーマークを作ることができました」という大脇選手は13点、11リバウンドのWダブルを記録しています。

 178cmの大脇選手がセンターを務める小さなチーム。「相手は2メートルあると思い、しっかり止まってまずリングを見てシュートを狙い、そこで打てなければ外にパスを出すことなどを意識しています」と世界をイメージしながらプレーの精度を高めています。

 トヨタ紡織サンシャインラビッツに入団した都野七海選手は、「楽しむことが一番」と東藤なな子先輩からアドバイスを受けて合宿に臨みました。チームメイトとなったことで「苦労されていた話などを伺い、自分も同じような壁にぶつかったときは東藤選手の話を思い出し、くじけずにがんばろうと思います」と勇気づけてくれる存在です。

 Wリーグで3試合を経験した都野選手。これから向かう世界に対し、「Wリーグよりももっと大きな選手がたくさんいると思っています。このチームの中でも小さく、世界に出たらもっと小さくなるので考えてプレーすることを意識しています」と話し、得意とする相手の裏をかくプレーを心がけていました。

 SUPERGAMESでは女子U22日本代表(ユニバチーム)に勝利しましたが、コンディションを上げてきた今合宿中のスクリメージでは大差で敗れることもありました。しかし、お互いに世界を見据えて試す機会となり、結果が伴わなかったからこそ多くの課題を発見することもできています。

 今合宿より、Wリーグで活躍する小笠原真人アシスタントコーチ(デンソー アイリス)と広田紘美アシスタントコーチ(三菱電機コアラーズ)が加わり、早速それぞれの経験を発揮しています。「小笠原コーチはトヨタ自動車アンテロープスやデンソーのヘッドコーチから学んだ海外の知識を与えてくれることがありがたいです。元選手でもある平田コーチは、選手たちの心理サポートの面ですでに心をつかんでいました」という藪内ヘッドコーチを支えてくれています。前回大会は9位に終わり、「課題を生かすチャンスがまわってきたことがすごくありがたいです。これまでの先輩たちの思いをしっかりと引き継ぐことができるような大会にしていきたいです」ともう一度世界一へ向け、最強チームを作って行きます。

 女子U19日本代表候補選手の中から、横山智那美選手(トヨタ自動車アンテロープス)、薮未奈海選手(デンソー アイリス)、森岡ほのか選手(日立ハイテク クーガーズ)の3人が女子日本代表チーム ディベロップメントキャンプに招集されました。次回の合宿では、そこで学んだ多くのことを還元してくれることに期待しています。