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男子日本代表:FIBAアジアカップ 準々決勝敗退「NCAAの高いレベルの中でも、この経験は良い自信につながる」富永啓生選手

2022年7月22日

ラインよりも遠い位置から何度もディープスリーを決めた富永啓生選手

オーストラリアのビッグマンを抜き去り、ダンクを決める張本天傑選手

 準々決勝はオーストラリアに85-99で敗れ、男子日本代表の「FIBAアジアカップ2022(以下アジアカップ)」での戦いは志半ばで終了となりました。試合毎に成長を見せる新戦力や若い選手たち、そしてチームとして成熟していく姿をもう2試合見たかったのが正直なところです。

 アジアの頂点を決める唯一の大会も、残すはあと4試合。明日7月23日(土)の準決勝はレバノンvsヨルダン、オーストラリアvsニュージーランドに決定。翌24日(日)にチャンピオンが決まります。この試合の模様はCSフジテレビNEXTDAZNにてご覧いただけます。

 悔しい結果にはなりましたが、トム・ホーバスヘッドコーチをはじめ、選手たちも充実した日々であったことを振り返るオンライン取材のコメントをご紹介します。

■トム・ホーバスヘッドコーチ

 今大会は全員ががんばってくれました。昨日のオーストラリア戦の出だしはエネルギーが足りず、3-15と引き離されてしまい、そこから大変かなと思いました。ベンチメンバーを出し、彼らのプレーがリズムや雰囲気を変えてくれました。第1クォーター以外はオーストラリアとの得点はほぼ一緒であり、ポジティブな面は多く見られました。逆に足りない部分はインサイドプレーやリバウンドであり、相手は4人のビッグマンだけで64点と24リバウンドをやられ、そこをがんばらないと勝てないです。

 今大会を通じて選手たちも分かったと思いますが、日本のプライドやエナジーを出して戦うことで良いバスケができていました。高いポテンシャルがあることも分かりました。負けて悔しかったですが、チームが良くなって行く未来が見えました。

 この大会は3勝2敗であり、優勝という目標には届かなかったですが、チームがレベルアップしたのは間違いありません。1ヶ月半前に集まったときと比べれば本当に良いチームになり、日本のバスケが段々とできるようになりました。このレベルを続けていかなければなりませんが、FIBAワールドカップ アジア予選 2次ラウンド Window4(8月末)へ向けて選手たちが入れ替わります。今回経験したメンバーから数名は続けて招集したいと考えており、この雰囲気やエネルギーが継続させていかなければもったいないと感じています。

■富永啓生選手(ネブラスカ大学)

 3週間前にオーストラリアと対戦し、そこで大敗した悔しい気持ちになり、今回は勝ちたい気持ちを表に出してシュートも積極的に狙っていきました。フィリピン戦では思うように入らなかったですがそこは気にせず、空いたら打つと意識してプレーした結果が自分のシュートにつながったと思います。

 FIBAワールドカップ アジア予選 Window3とアジアカップを通じて、良い自信になったことはたくさんあり、改善しなければいけない部分も多々見つかりました。それを今後改善していくことで、また次に成長した姿を見せられると思います。

 5人制の日本代表はU18以来と久しぶりでしたが、本当にこの1ヶ月半はすごくレベルの高い環境で練習することができ、試合にも出場でき、良い成長ができた1ヶ月半になりました。もっともっとフィジカルを鍛えていき、今後はNCAAの高いレベルの中での戦いになりますが、この経験は自分にとって良い自信につながりました。

 日本を代表してプレーできることは光栄であり、素晴らしい機会を与えてくださった方々に感謝しています。みんなの代表として、責任と自覚を持ってプレーしていました。今後はアメリカに戻り、自分の目標はNBA選手になることです。そこを意識して毎日毎日がんばって、目標に向かっていきたいです。

■張本天傑選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)

 この短期間でオーストラリア戦は2回目になりますが、今回はしっかりとスカウティングをして、相手がやってくることも分かっていました。前半の出だしはエナジーが足りず、自分自身も責任を感じています。しかしその後は、高さの部分では敵わないですが、しっかりとフィジカルにプレーできていました。最後9点差になった時にもう一踏ん張り欲しかったが、最終的には富永に頼ってしまった部分が多くなり、そこを一人ひとりがもう少し責任を持って戦わなければいけなかったです。後半のオフェンスリバウンドは、トータルで2本しか相手に取られていなかったので、そこは良かった部分です。結果的に負けてはしまいましたが、最初のWindow(2021年11月)から比べればチームとしての成長が感じられました。

 自分自身も成長したと思いますし、チームとしても一人ひとり責任が出てきました。自分の役割をゲームの中で果たすこともできるようになりました。今大会を通じて、さらにひとつステップアップできたことを自分自身も実感しています。(渡邊)雄太と富樫(勇樹)が途中から加わったことで、大きなオプションも増えました。オーストラリア戦で、もし雄太のケガなければ、もっともっと良いゲームができたのではないかなと思います。

 毎年夏は代表活動に参加させてもらってきましたので、今まで経験してきたことを下の代に伝えることが役割でした。勇樹が合流する前は、はじめてキャプテンを任されたことも良い経験になりました。