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女子日本代表:第2次強化合宿 活動報告 最強チームを作るためのトライアウト

2021年4月26日

様々なストレスを与えながら「みんな本当にがんばっています」というトム・ホーバスヘッドコーチ

得点力も求められるガード争い

 AKATSUKI FIVE 2021年度バスケットボール女子日本代表チームは、第32回オリンピック競技大会 (東京2020オリンピック) へ向け、4月3日 (土) より味の素ナショナルトレーニングセンターにて強化活動がスタート。トライアウトと位置づけ、22名の選手がアピールを続けた第2次強化合宿は4月25日(日)に終了しました。

 最年少の奥山理々嘉選手(ENEOSサンフラワーズ)や今野紀花選手(ルイビル大学2年)、東藤なな子選手(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)をはじめ、第2次強化合宿に進んだ22名はいずれもトム・ホーバスヘッドコーチの下で練習した経験があります。しかし、ホーバスヘッドコーチ率いる女子日本代表として、国際試合に出場した経験がない選手も多くいます。ホーバスヘッドコーチは「メンタルとフィジカルの両方にストレスを与え、どうプレーで応えるかを見ています」と話し、若手選手たちの成長を促します。

「今合宿は5on5が多いです。わざと注意したり、新しいオフェンスを入れてすぐに覚えられるかどうかも試しています。経験ある選手たちはすでに理解しているのでしっかりプレーできますし、こちらもそれができることは分かっています。しかし、若い選手たちがどこまで成長するかはまだ分かりません。選手たち自身が、スタッフに聞いたりしながらいろいろと考えています。また、経験ある選手たちもレベルアップできるチャンスがあります」

 ケガ人もいることで若手選手の台頭には期待しており、必然的に各ポジションのメンバー争いも激しくなっています。オリンピックを目指し、諦めずにリハビリに励む渡嘉敷来夢選手(ENEOSサンフラワーズ)ですが、スモールラインナップの準備も行っています。「頭の中では、スモールボールのオフェンスは通用するという手応えは感じています」というホーバスヘッドコーチですが、同じ身長の日本人同士によるスクリメージの中ではまだ未知数とも言えます。身長あるインサイドプレーヤーにも期待していますが、「まだまだベストなプレーを見せてもらっていない」というのが現状です。

 ガード陣に対しては「パッシングだけではなく、スペースを使ってドライブからキックアウトをしたり、得点を取ることが必要です」と求めることが増えました。オリンピックで世界の競合を相手に、勝利をつかむためにも得点は80点台に乗せ、さらに3ポイントシュートは40%以上の高確率で決めることを想定しています。昨年2月にベルギーで行われた「FIBA 東京2020 オリンピック予選大会」では平均75.5点を挙げ、3ポイントシュート成功率は35.7%と出場4ヵ国(カナダ、ベルギー、スウェーデン)の中でいずれもトップでした。さらなる高確率なオフェンスを目指しています。

 ホーバスヘッドコーチが就任して4年、それ以前から女子日本代表が築き上げてきたディフェンスから速攻を出す速いペースのスタイルは変わりません。目標も変わらずに金メダル獲得を掲げ、ホーバスヘッドコーチ率いる女子日本代表の集大成へ向け、妥協を許さない激しい練習は続きます。第3次強化合宿は4月30日 (金)よりスタートし、さらなる強化とメンバー選考を行いながら最強チームを作っていきます。