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女子ユニバ日本代表:第2次強化合宿 開催報告「選手たちの成長につながるきっかけを与え、それが大会で勝つことにつながる」小笠原真人ヘッドコーチ
2021年3月29日
福島出身の佐藤京香選手は地元でのキャンプに感謝
Wリーグで活躍する同期とともに成長を目指す藤本愛妃選手
昨年末に大学生のみを招集して行われた選考合宿を経た2020年度バスケットボール女子ユニバ日本代表チームは、3月25日(木)〜28日(日)の期間、福島県のJヴィレッジとならはスカイアリーナにて第2次強化合宿を開催。本合宿より、大学を卒業したWリーグのルーキーも候補選手として招集し、8月に開催予定の 「FISU ワールドユニバーシティゲームズ (2021 / 成都)」へ向けた強化を行いました。
女子ユニバ日本代表チームは2017年タイペイ大会で銀メダルを獲得し、過去3大会(※2015年光州大会・2019年ナポリ大会はいずれも4位)は常に世界ベスト4入りしており、メダルに近い存在です。ディフェンスからトランジションで走り、スピードで高さを凌駕するスタイルがベースとなります。この大会は大陸予選等がないために、相手の特徴を捉えて準備することができません。小笠原真人ヘッドコーチは、「様々なディフェンスのバリエーションを多くしています。例えば、Aプランで臨んでも相手に実際に当てはまるかどうかは対戦してみなければ分かりません。Bプラン以降を用意しながら、幅広く引き出しを持っておく必要があります」と準備します。その一方で、「戦術に頼りすぎると日本のベースとなる速い展開が薄れてしまい兼ねません。しっかりとベースを強調して築き上げながら、そこに戦術的要素を取り入れてより厚くしている段階です」と続け、強化を図っています。
最終メンバーに選考されれば、3度目の挑戦になるのが中田珠未選手(ENEOSサンフラワーズ)と藤本愛妃選手(富士通レッドウェーブ)です。「今まではずっと先輩がいてくれたおかげで、心の中で余裕がある状態でした。しかし、いざ自分が最年長となり、引っ張る立場になるといろんなことをしなければいけないと気持ちが先走ってしまっています」という藤本選手は、責任感に対するプレッシャーを感じていました。Wリーグ新人王を獲得した平末明日香選手(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)ら同期の活躍が刺激となり、「負けたくないという気持ちの方が強いです」と藤本選手は話し、このチームを通じてさらなる成長を目指します。
3泊4日の合宿期間で全てを伝えることは難しく、「一つひとつを丁寧に作っていく時間はありません。例えばディフェンスの練習では、1回のプレーで様々な要素を取り入れ、複合的に教えています」という小笠原ヘッドコーチは、8月に迫る大会へ間に合わせるために指導法も工夫しています。佐々木真弓アシスタントコーチと玉城耕二アシスタントコーチ、松井康司テクニカルスタッフ、スポーツパフォーマンスの松野慶之コーチや佐藤晃一コーチ、過去大会にも携わってきた佐藤智信チームリーダーも含めて特徴を生かした役割分担をしながら選手と向き合い、今大会に止まることなく将来へ向けて成長するためのきっかけを与えています。
「確実に言語化できなくても感じ取って欲しいです。これからまだまだ伸びていく選手たちです。ここで学んだことが、のちに気づきとなることが少しでも残ってくれればうれしいです。逆に、僕らスタッフも多くのことを提供できるようにアイディアを出し合っています。もちろん、それが大会での勝利につながっていきます」(小笠原ヘッドコーチ)
前回合宿で選考され、その後はアーリーエントリーとしてWリーグでプレーした大学4年生が6人います。高さやスピードなどハイレベルなWリーグで約3ヶ月間経験してきたことにより、「前回よりも体が強くなったり、スピードが上がったり、何よりも自信を持ってプレーできるようになりました」と小笠原ヘッドコーチも選手たちの成長を実感しています。
シャンソン化粧品シャンソンVマジックでいきなり先発を任された吉田舞衣選手(拓殖大学4年)は、「プレーオフまで経験させていただき、少しは落ち着いてプレーできるメンタル面が成長したと思います」という経験を得ました。国際大会の経験はありませんが、「日本のスピードを生かし、いろんな形で攻めていくことが大事になると思います。体格差がありますが、日本の良さをどうプラスに変えることができるかを考えています」と常にイメージしながら取り組んでいます。
今シーズンのWリーグを制したトヨタ自動車アンテロープスの一員として、佐藤京香選手(白鷗大学4年)も多くのことを吸収してきました。「今まではオフェンス重視でしたが、ディフェンスから声をかけ合ってチームで守ることや、ミスマッチが生まれたときにどう対処すれば良いかを細かく学ぶことができました」という経験を経て、このチームのベースとなるディフェンスでの成長が見られています。佐藤選手と渡邊悠選手(筑波大学4年/富士通レッドウェーブ)は今回の会場となった福島出身です。佐藤選手は「地元である原点に帰ってきて、高いレベルで練習ができていることに感謝したいです」と話し、最終メンバーに残るための争いがはじまりました。