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女子日本代表:オリンピック予選まであと10日「日本のバスケが世界に通用することは自信になっています」宮澤夕貴選手

2020年1月27日

チームを向上させるため、若手選手にアピールする場を与えるためにポジションダウンする宮澤夕貴選手

本番ではシューターとして本領を発揮

 世界の各大陸予選を突破したトップ16が4チームずつ4つの開催地(ベルギー、フランス、セルビア、中国)に分かれ、12枚の切符を争う「FIBA 東京2020 オリンピック予選大会 -FIBA WOMEN’S OLYMPIC QUALIFYING TOURNAMENT 2020-(以下OQT)」開幕まであと10日。本日もAKATSUKI FIVE 女子日本代表チームは練習に励んでいます。

 昨年のFBIA女子アジアカップでは4大会連続チャンピオンとなり、続くオセアニア地区のプレ・オリンピック予選も3連勝し、負け知らずのままオリンピックイヤーを迎えました。「いつもアジアの大会では良い結果を得られていますが、ワールドカップなど世界に出たときに良いプレーができていません。今は良い流れで来ていますが、もう一度チャレンジャーの気持ちで向かっていきます」と気を引き締めるのは、プレ・オリンピック予選時にキャプテンを務めた宮澤夕貴選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)です(※現在のキャプテンは髙田真希選手/デンソーアイリス)。

 シューターであり、スモールフォワード(3番)の宮澤選手ですが、2018年に行われたFIBA 女子ワールドカップからパワーフォワード(4番)へとポジションを下げる状況が続いています。センターの大﨑佑圭選手が復帰したことでインサイドの厚みが増しましたが、「今は2番と3番の選手が多く(17人中9人)、全てのメニューが4番と5番(センター)と一緒なので少し不安な部分もあります」と宮澤選手は言うように、練習中はパワーフォワードのままです。しかし、トム・ホーバスヘッドコーチは「アース(※宮澤選手のコートネーム)は3番。世界との戦いで、長い時間アースを4番で使うのは難しい」と明言します。

 「練習中にセンターが2人だけではさすがにバランスが悪く、センター3人、フォワード4人にしないと交代要員もいなくなってしまいます。また、今はトムさんも若い選手を見たいはずなので、自分のことだけを考えていてはいけないと思っています」と17人いるチーム事情を考慮した上で、ポジションダウンしていました。「12人に絞られたときに、3番としてのディフェンスからもう一回思い出さなければなりません。早く3番に専念したい気持ちもありますが、今できることをしっかりやりつつ、3番になったときに動けないようにならないように頭を整理し、今は器用にやるしかないです」と宮澤選手自身も、大会になればスモールフォワードに戻ることは分かっています。

 FIBA女子アジアカップでは平均9本、続くプレ・オリンピック予選でも平均8.3本でチームハイとなるリバウンドを記録してきた宮澤選手。日本の課題であるリバウンドですが、女子日本代表は中国やオーストラリアといった高さのある相手にも互角に渡り合えるようになってきました。「最近はリバウンドで負けないから、試合も勝てています」という宮澤選手は手応えを感じています。リバウンドが向上した要因については「個々の意識が変わった」点を挙げ、ヒットファーストで最初に身体をぶつけ、全員で獲りに行くことで成長しています。

 「日本のバスケが世界に通用することは自信になっています。そのバスケをどこまでできるか。今までは少しできない時間があっても勝てましたが、世界ではそうはいきません。40分間徹底しなければ勝てない相手ばかりです」と宮澤選手が言い、今合宿でもう一段階レベルアップをし、世界との真剣勝負に挑みます。