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ハヤブサジャパン 平成26年度男子日本代表チーム 第6次強化合宿を終え、オーストラリア強化遠征へ出発

2014年9月1日

課題を克服するため細かく指導する長谷川 健志ヘッドコーチ

金丸晃輔選手(左)と辻 直人選手(右)のシューター陣が復帰


 第17回アジア競技大会(9/19-10/4@韓国・仁川)への出場メンバー12名が決まったハヤブサジャパン 平成26年度男子日本代表チームは、8月27日(水)〜31日(日)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第6次強化合宿を実施。6月からスタートした強化期間中は韓国遠征から始まり、FIBA ASIAカップ、ウィリアム・ジョーンズカップと国際試合を重ねてきました。そこで見えた課題をに対して、長谷川 健志ヘッドコーチは動き方の角度や位置、足や体の動かし方、シュートの精度など細かい点を指摘し、改善に向けた強化を行いました。

 プレイに対する強度の弱さが浮き彫りになり、そのため積極性を欠く場面も多く見られています。「できたらやろう、というプレイは禁止。シュートを打つと決めたならば最後まで勝負すること。もっと自信を持ってプレイしよう」と長谷川ヘッドコーチは選手に伝え、国際試合へ臨む意識改革から着手。スピードで勝機を見出さなければいけない日本ですが、「走力も判断力のスピードも、どちらもまだまだ足りない」と言う長谷川ヘッドコートは、「もっと走り出しを早くして、平面のバスケを追求していこう」と発破をかけ、目指すべきバスケットを浸透させるためにも、練習の厳しさが増しています。

 「みんなが自信をつけたように感じられ、いろんなことにトライしています。それぞれのプレイの精度やダイナミックさが出て来ており良くなっています」と、石崎 巧キャプテンはチームの成長を実感しています。「長谷川ヘッドコーチが求めるオフェンスのシステムは、僕や富樫選手らPGがしっかりベクトルを示すことで、効果的に得点に結びつなげられる戦術だと思います。そこを遂行できるかどうかは僕ら選手のコート上でのプレイにかかっている部分であり、FIBA ASIAカップではそれができませんでした。自分の中でももっともっと状況を把握しながら打ち出せるような判断力が求められます」。石崎選手は、長谷川ヘッドコーチが描くスタイルに手応えを感じており、練習を終えた後も黙々と汗をかいていました。

 韓国遠征で脳しんとうを起こし、日本代表活動から離れていた辻 直人選手と、FIBA ASIAカップ直前で足を負傷した金丸 晃輔選手のシューターがこの合宿より戻って来ました。シューター不在で臨んだFIBA ASIAカップ、さらに2mを越える選手がいなかったジョーンズカップでは苦戦を強いられましたが、練習中から確率良くシュートを沈める金丸選手と辻選手に引っ張られるように、他の選手たちのシュート精度が上がっています。「韓国代表のバスケットを見て、自分も新しいスキルを身につけたいという思いが強かったです。このままではいけないと思わされたので、帰国後は体を変化させるためのトレーニングを行いました。バスケットができるようになってからはスキルアップに取り組み、自分一人ではできないので東芝神奈川のチームメイトを巻き込んで練習しました。その取り組みによりチームメイトたちの意識も変わったのは良かった点です」。アクシデントに見舞われながらもしっかりレベルアップして戻って来た辻選手。しかし、この合宿ではその成果を十分に出すことができずに終わりました。石崎選手が合宿初日に軽い捻挫をし、「一緒にプレイするのを楽しみにしていた」と言う富樫 勇樹選手はジョーンズカップ最終戦で痛めた足の打撲が回復せず、オーストラリア遠征にも行けずに治療に専念していたため、PGを任された辻選手。SGとしてレベルアップした成果を試すのは、9月1日から始まるオーストラリア遠征へと持ち越されました。

 オーストラリア遠征では、イランや中国といった身長の高いチームを想定しながら、NBL(オーストラリアナショナルバスケットボールリーグ)チームを相手に4試合を予定しています。韓国遠征から全ての活動に参加しているのは小野 龍猛選手、比江島 慎選手、田中 大貴選手、張本 天傑選手の4人。なかなか結果が出ずにいますが、「リバウンドやルーズボールのところがFIBA ASIAカップとジョーンズカップの両方の大会で課題として見えました。オーストラリア遠征では、高さのある相手にどれだけボールを獲れるかということを徹底し、アジア競技大会が始まる前にしっかりできるようにしなければいけませんし、それが一番大事な部分です」と田中選手は話しています。日本代表として3年目を迎えた田中選手は、「昨年よりも良くなっていると感じています」と言い、経験を積み重ねながら確実にステップアップしています。

 オーストラリア遠征へ向け、石崎選手は、「試合で取り組むことが一番の近道です。その中で通用した点や課題点をしっかり見極めながら改善していかねばなりません。そういう意味でもオーストラリア遠征は大きなチャンスになります」と話しています。練習試合ではありますが、「どんな相手であろうと勝ちに行くことが大事です。練習という気持ちではなく、オーストラリア遠征でもしっかり勝利を求めて行き、アジア競技大会へ向けた好材料を見出すことが重要です」。勝てていない現状を少しでも改善し、自信を持って本番であるアジア競技大会へ臨めるよう準備します。

 アジア競技大会メンバーには選ばれませんでしたが、オーストラリア強化遠征期間中のインサイド陣のサポートメンバーとして満原 優樹選手が参加。ジョーンズカップでの活躍や合宿中の練習に取り組む姿勢も評価されており、今後の日本代表を担う選手として国際経験を積ませるために遠征メンバーに抜擢されました。

 オーストラリア遠征は8月31日(日)に出発し、4試合を行って9月8日(月)に帰国。9月11日(木)から再び味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿を行い、9月24日に初戦を迎えるアジア競技大会へ向けてさらなる強化を行っていきます。