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平成26年度3×3男子日本代表チーム 第1次強化合宿開催報告

2014年4月14日

世界ベスト8を目指し、強化活動がスタートした3×3男子日本代表チーム

現在、国内ランキング1位の落合 知也選手


 今年6月5日(木)~8日(日)、ロシア・モスクワにて開催される「第2回FIBA 3×3男子世界選手権大会」へ向け、すでに発表された日本代表候補選手12名が集まり、第1次強化合宿がスタートしました。
 3×3世界選手権へ向けた強化だけではなく、東京オリンピックでの正式競技種目を目指す3×3を見据え、長期的な強化も合わせて行なっていきます。

 アドバイザリーコーチを任されたのは、金澤 篤志氏(TGI・Dライズ)。選手とともに3×3のルールを確認しながら指導を行う金澤コーチが目指す3×3の強化について伺いました。
 「3×3は個人の力が大きなウエイトを占める種目です。しかし、チームとして組織だったプレイをベースにし、その上で個性を発揮させることを目指します。第1次強化合宿を通して課題も見えてきていますので、その一つひとつを乗り越えて行けるだけのメンタルが選手たちには求められます。海外での試合を戦い抜くことや、新しい競技であるがゆえにルールもまだ浸透しておらず、いろんな課題が出てくることが想定されます。それをどう乗り越えていくかはメンタル力です」

 組織プレイを重んじる金澤コーチは、初回からいくつかのセットプレイを試していました。また、練習中からレフェリーを入れて、ファウルの境界線を見極めるとともに、フィジカルコンタクトを強いプレイを求めます。選手たちもレフェリーにファウルかどうかを確認しながら、時に熱くなって声を荒げる場面があるほど真剣に取り組んでいました。ハーフコートながら切り替えが速く、気を抜くタイミングがない3×3は、5on5以上にハードです。疲れた時に膝に手をついて休みがちですが、昨年の3×3強化合宿からその行為に対してダッシュのペナルティを課されているのもひとつの名物です。第1次強化合宿では何度も手をついてしまい、率先してスタミナ強化に勤しんでいました。

 日本代表候補メンバーの一人であり、昨年はFIBA 3×3 WORLD TOURなど数々の3×3大会へ出場し、現在国内ランキング1位(世界ランキング27位)の落合 知也選手(大塚商会アルファーズ)。合宿中も実際に経験したことを、共有していました。その一つとして、ワールドツアーでは、ファウルコールされない程度に激しくディフェンスし、身長差ある相手に好き勝手させなかったプレイは日本の勝機を見出す点でもあります。
 「3×3は、普通の5on5と比べてインサイドの攻防でのファウルがあまり取られませんでした。そこでうまく審判のジャッジを読み取り、ファウルになるかどうかのギリギリのラインを意識して、最初から激しくディフェンスしていくことは大事だと思いました。また、そういったプレイをしないと小さい日本のチームはなかなか勝てません」
 リバウンドが落合選手の武器であり、獲れなくても弾くことでマイボールにしていたプレイも印象に残っています。
 「世界でもリバウンドは獲れるという自信はありますし、いつもリバウンドは意識しています。身長差があって獲れないと判断すれば、しっかり弾いてマイボールにするようにもしていました。それは、今シーズンから大塚商会アルファーズの一員として戦ってきたNBDLでも学んだスキルであり、3×3でも生かすことができています」

 3×3世界選手権での目標は、予選を突破してベスト8に入ることを掲げた3×3男子日本代表チーム。昨年のワールドツアーにて、すでに世界8位となった落合選手も、「参加国を見ても、実際にいくつかのチームとは昨年対戦しており、その感触を考慮しても十分に狙える目標です」と、自信を見せています。

 3×3男子日本代表候補選手たちは、合宿が終われば仕事もあり、集まって練習する期間も限られています。金澤コーチから選手たちへ向け、「3×3は個人でポイントを獲得する競技でもある。そのためにも自分のチームでもポイントを獲得し、日本代表としても活動しなければならない。そう考えれば、合宿だけが3×3の強化ではなく、日本代表としてともに練習したことで見えた課題をそれぞれが持ち帰り、しっかり解決することが大事。合宿後もそれぞれが課題を持って取り組み、解決することが大きな強化につながっていく」と話し、選手自身が意識を高く持って取り組むことが最大の強化であることを伝えました。

 現在12名いる候補選手の中から8名に絞られ、実際に3×3世界選手権へ日本代表として出場できる4名を決める争いが続きます。次回、第2次強化合宿は4月26日(土)~27日(日)を予定しています。