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男子U16日本代表:第2次強化合宿 開催報告「新しいことにチャレンジする楽しさ」石坂悠月選手

2019年5月16日

「バスケットが楽しくできます」と意欲的に取り組む大西一輝選手

これまでの反省点を踏まえ、積極性が増した石坂悠月選手

 男子U16日本代表チームは5月13日(月)〜15日(水)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第2次強化合宿を実施。今年度開催予定の「FIBA U16アジア選手権大会」(時期・開催国未定)へ向けた継続的な強化を行っています。

 昨年11月のエントリーキャンプから半年が経過しました。佐古賢一ヘッドコーチが目指すスタイルに対し、「頭で理解してきたことを、体で表現する段階までステップアップしてきました」と7割程度まで仕上がってきています。前回合宿まで、佐古ヘッドコーチから指摘されることが多かった石坂悠月選手 (國學院大學久我山高等学校 2年)ですが、「自チームに戻ってからも合宿で習ったことを生かそうと思っていましたが、なかなかうまくいきませんでした。それでもう一回、前回の合宿で言われたことを思い出し、それぞれのポイントを復習したことでもっと積極的にいこうという考えに変わりました」と見違えるようなプレーを見せています。

 オフェンスのフォーメーションやディフェンスのシステムなど、佐古賢一ヘッドコーチをはじめとしたスタッフ陣がその形を作っています。しかし、練習中は常に「正解はないのだから、自分たちでより良いプレーをイマジネーションしよう」と自主性に訴えかけます。大西一輝選手 (洛南高等学校 1年)は、「リバウンドを獲ったらガードに渡す意識がこれまではありました。でも、ここでは自分からプッシュすることを求められています」とセオリー通りではないスタイルに対し、「バスケットが楽しくできます」と意欲的に取り組んでいます。

 「形はあくまで形です。実際に戦うのは選手たちであり、彼らがどのようなイメージでプレーしていくかが大事です。我々コーチから選手たちに疑問を投げかけながらスタイルを作っている段階です。教科書通りに教える時代はもう終わってます。僕の色もありますが、実際に染めていくのは選手たち自身です」というフィロソフィーで選手たちと向き合う佐古ヘッドコーチ。与えたプレー以上に120%の力を発揮できるようコミュニケーションを取りながら、それぞれのポテンシャルを引き出しています。

 普段はインサイドで活躍する190cm台の選手たちが、アウトサイドに出てプレーの幅を広げているのもこのチームの特徴です。194cmの石坂選手は、「新しいことにチャレンジする楽しさを感じられるようになってきました。チャレンジすることでもっとバリエーションが増えると思います」と話し、所属チームに戻ってもここで学んだことを試しています。佐古ヘッドコーチは、「せっかく代表合宿に参加しているからには母体チームと同じことを意識づけさせても、将来とは無縁になってしまうと思います。未来の日本代表として、世界と戦うための意識を今から持ってもらいたいです。みんなはこの世代のスーパースターですからね」と若い逸材の可能性を広げるため、元日本代表の経験を惜しみなく注入しています。

 次回(6月末開催予定)は同じく佐古ヘッドコーチが指揮する男子U18日本代表チームと合同合宿を行い、両チームが対戦します。同じコンセプトで強化していますが、年初に行ったチェコ遠征と1回多い今合宿を通して、男子U18日本代表には教えていないものを託しました。「目上のチームに男子U16日本代表がどう立ち向かうのかを見ていきたいですし、楽しみです」と佐古ヘッドコーチもこの両チームの対戦を心待ちにしています。