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女子日本代表:第3次強化合宿開催中「このチームに早く入りたくて仕方なかった」本川紗奈生選手
2019年5月8日
『プール』制により競争レベルが高くなるとプラスに感じている藤髙三佳選手
リオデジャネイロオリンピック以来の女子日本代表入りを目指す本川紗奈生選手
5月6日 (月・祝)〜12日 (日)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第3次強化合宿を開催中のAKATSUKI FIVE 2019年度女子日本代表チーム。今年度の候補選手26名の『プール』から、「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2019 三井不動産カップ(水戸大会)」へ向けた18名に絞り込まれ、出場メンバー争いが繰り広げられています。
これまでは長期合宿を行い、『三井不動産カップ』や海外遠征などの実戦を踏まえて選手選考を行ってきました。しかし今年度は、大枠となる『プール』の中から各大会毎に18名程度を選出し、そこで競わせながら出場メンバーを決めていくシステムを採用。トム・ホーバスヘッドコーチは「オリンピックに向けたシミュレーションとして、今回は短期合宿で良い準備ができるかどうかを試しています」と言うように、より良い調整方法を確立していきます。
このシステムについて、藤髙三佳選手 (トヨタ自動車 アンテロープス)は「いろんな選手にチャンスがある分、競争のレベルが高くなります。また、対戦相手や大会によってメンバーも変わってくるので、もし仮にここで落とされたとしても『次のチャンスがある』『次の対戦相手ならば自分の長所が生かせるかもしれない』とモチベーションを保つことができます」とプラスに感じていました。
18名が決まったことで、『三井不動産カップ』でのベルギー戦に照準を合わせた本格的な強化に着手しはじめています。第2次合宿まではディフェンスにフォーカスし、ホーバスヘッドコーチも手応えを感じられるレベルに上がってきました。今合宿からは新たなオフェンスを取り入れており、5月31日(金)・6月2日(日)のベルギー戦までに仕上げていきます。
2016年リオデジャネイロオリンピック以来、3年ぶりに女子日本代表入りを目指す本川紗奈生選手 (シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)は、「5on5をしたときにまだ対応できなかったり、どこでドライブに行っていいのか迷ったり、まだまだ足りないことが多いです」とブランクを感じていました。
2017年、ホーバスヘッドコーチ体制になり、「体がきつかった部分もありましたが、自分がやらなければいけない」と意識を高く持って臨むも、ベストにはほど遠いコンディションにより求めるプレーができず、最終選考で落とされる悔しさを味わいます。しかし、本川選手は「どこに照準を合わせてがんばるべきか」と考え、一度立ち止まることを選択。もちろん目指すは東京オリンピックであり、リセットしたことで「コンディションは最高にして戻って来ました。このチームに早く入りたくて仕方なかったです」と言い、本川選手らしさを発揮しはじめています。「今はトムさんが求めるシステムを1個1個しっかり覚えて、そのための体を作って、日本代表の動きを呼び起こしている最中です」と焦る気持ちも押さえながら、チームにフィットできるよう取り組んでいます。
オリンピック経験者の本川選手は、目標に掲げる金メダルはもとより、メダルに届くことの難しさを痛感しています。同時に、藤髙選手同様に、このプール制はその目標に到達するためにも有効だと考えていました。
「最終的にオリンピック選手になるための争いはありますが、そこまでの間にみんなが国際大会を経験できるからこそ、誰が出ても良いチームになると思います。このシステムは、みんなでオリンピックに向かってレベルアップしていくイメージがあります。もちろん最終的に選ばれたいですが、金メダル獲得を目標にしている以上は最強のメンバーで臨まなければなりません。だからこそ、負けたくないです」
昨年のFIBA女子ワールドカップで洗い出された課題を克服すべく、こと細かくホーバスヘッドコーチは落とし込んでおり、それに対応できる選手が『三井不動産カップ』に出場し、強豪ベルギーと対戦できる機会を得ます。