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男子U18日本代表:第1次強化合宿 開催報告「みんながペリメーターとしての意識づけ」佐古賢一ヘッドコーチ

2019年4月20日

積極的なプレーでチームを引っ張るポイントガードの平松克樹選手

武器であるドライブを生かして得点を挙げていった松村竜吾選手

 男子U18日本代表チームは4月17日(水)〜19日(金)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて第1次強化合宿を実施。2020年開催予定の「FIBA U18アジア選手権大会」(時期・開催国未定)へ向け、「2年間継続して強化することで、今までにない形で本番を迎えることができます」と佐古賢一ヘッドコーチは期待し、長期スパンでのチーム作りに励んでいます。

 大会は来年のため、2002年生まれの17歳以下を対象とした20名の候補選手を招集。アンダーカテゴリーを統括する佐古ヘッドコーチの方針である「全員オールラウンダー」、そして男子日本代表との一気通貫の強化として「サイズアップ、ポジションアップ」をしていくためにも、最初の合宿では様々な経験をさせる機会となりました。

 「この世代でセンタープレーヤーを育てるのではなく、みんながペリメーターとしての意識を植え付けています」という佐古ヘッドコーチ。所属チームでは、主にゴールを背にプレーするインサイド陣ですが、「ゴールに対して前を向いてプレーすること」「ディフェンスからオフェンスの切り返しに対して走る意識」などを伝え、日本が目指すスタイルを徹底させています。

 所属チームではセンターやパワーフォワードを担う松村竜吾選手 (土浦日本大学高等学校 2年)。188cmの村松選手は、「マッチアップする相手は自分より大きい場合が多いので、外に出てドライブで攻めることを練習していました」。このチームではスモールフォワードからシューティングガードまでポジションアップしたことで、練習の成果を存分に発揮します。ボールマンとマッチアップする機会が増えるディフェンスでは戸惑いもありましたが、「最終日はそれにも対応でき、失点を抑えることができるようになりました」と自信を見せています。

 佐古ヘッドコーチはインサイド陣に対し、「ペイントエリアの狭いエリアで活躍することしか考えていない選手を、いかにオールコートでのバスケットを考えられるような意識改革が必要です」と伝え、ポジションアップを図っています。練習中はオールコート1on1を取り入れて走るコースや攻めるタイミングなどのライン取りを教え、2on2〜5on5ではボールも人も全体的に大きく動かしながら、アウトサイドでのプレーを意識させています。

 186cmの小川敦也選手 (洛南高等学校 2年)、188cmの越田大翔選手 (明成高等学校 2年)、190cmの中川泰志選手 (東山高等学校 2年)など、今後のビッグガードとして期待される原石がいます。逆に、今回招集した中で最も小さい171cmの平松克樹選手 (福岡大学附属大濠高等学校 2年)ら、本職のガード陣も積極的なプレーで存在感を示し、良い競争が見られています。「隙があればどんどん自分から得点を獲って、そこを相手が止めに来たらアシストし、幅広いプレーができるようにしたいです」という平松選手。元男子日本代表の司令塔として、世界と戦ってきた佐古ヘッドコーチから見たポイントガード陣の評価は、「今の段階では差はないです。平松や當山(修梧 177cm / 福岡第一高等学校 2年)が上手なのは当たり前です。小さいガードたちは上手いし、気持ちも強いです」。それに対し、将来性あるビッグガードを「自分がどう育てられるかも課題になります」と、戦力としていくための責任を感じていました。

 次回合宿は6月を予定しており、8月に開催される「第27回日・韓・中ジュニア交流競技会」(中国 湖南省 長沙市)も含めて強化が続きます。従来、エントリーキャンプは選手を素質を見極めるために開催されます。しかし新たな取り組みにより、「今年11月に予定しているエントリーキャンプから戦術的な強化に入っていきます。現在、男子U16日本代表も含めてベーシックな部分を落とし込んでおり、そこまでにはできあがると思っています」と、これまでにないスピードで強化を進めていきます。