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2018年度バスケットボール男子日本代表チーム「この夏は選手層を拡大させる大事な期間」フリオ・ラマスヘッドコーチ
2018年8月4日
2年ぶりに日本代表合宿に参加した渡邊雄太選手「やっぱり楽しいです」
「Window4へ向けて自分たちの強みや課題を把握するため」のオセアニア遠征に挑む篠山竜青選手
本日8月4日(土)に日本を発ち、オセアニア遠征がはじまるAKATSUKI FIVE男子日本代表チーム。「第40回ウィリアム・ジョーンズカップ」から帰国した後、そこで活躍した若手選手たちも招集され、強化合宿がスタートしました。
最初の1週間は佐古賢一アシスタントコーチの下、戦術の確認とコンディションを上げるトレーニングでベースを作ります。そして8月に入ってからはフリオ・ラマスヘッドコーチが指揮し、9月17日(月・祝)に大田区総合体育館で開催される「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 2次予選」(チケットは8月10日(金)18:00よりAKATSUKI FIVE 公式FUN サイト『AKATSUKI FIVE plus+』にて先行発売開始)のイラン戦へ向けた強化がすでにはじまっています。
FIBAワールドカップ2019 アジア地区 1次予選 Window3でオーストラリアとチャイニーズ・タイペイを破り、土壇場で2連勝を挙げた男子日本代表チーム。その戦いへ向かうために準備してきた5月から、ジョーンズカップを経て、これからはじまるオセアニア遠征とアジア競技大会(※JOCの認定が下り次第、後日メンバー発表)を含めた今夏は、「チーム作りには欠かせない時期です。今まで以上に選手層を拡大できるチャンスだと思っており、今はそこに注力しています」とラマスヘッドコーチは計画を立てていました。「ジョーンズカップはサイズアップを目的とし、ポジションアップしてコンバートした選手たちを実戦で試しました。ベンドラメ(礼生)選手をはじめ、今合宿に招集した選手たちは経験を積み、しっかり成長してくれました」と評価し、9月からはじまるFIBAワールドカップ2019 アジア地区 2次予選へ向け、選手層を厚くしています。
ジョージア工科大学でのファーストシーズンを終えたシェーファー アヴィ 幸樹選手。ベンチ入りを果たすも、試合に出たのはたった4試合であり、プレータイムは合計3分でした。試合に飢えていたシェーファー選手だけに、「(8連戦は)きつかったけど、楽しかったです」と充実した日々を過ごすことができました。「試合を重ねるにつれて、感覚が戻ったこととコンディションが上がったことで、体が動きやすくなりました」と言うように、みるみる良いパフォーマンスを見せていきます。開幕戦こそ無得点に終わりましたが、得意なミドルレンジのシュートをコンスタントに決めはじめるとプレーの幅も広がります。
後半4試合のうち、二桁得点は3回記録。毎試合、得点とリバウンドの両方で二桁を獲るダブル・ダブルを目標に掲げており、チャイニーズ・タイペイB戦は14点・16リバウンドを達成しました。最後のカナダ戦も14点・9リバウンドと惜しくも1本足りなかったですが、目指すべきプレーができはじめています。オセアニア遠征へ向け、「オーストラリアもニュージーランドもレベルが高いですし、シドニーキングスは元NBAのアンドリュー・ボガッドがいると聞いており、ジョーンズカップ以上にハイレベルな試合になると思います。その経験をできることはすごく大きなことですし、期待しています」と、さらなる成長を目指します。
オセアニア遠征までの合宿にはオーストラリアのプロチームであるブリスベン・ブレッツへの移籍を決めた比江島慎選手(栃木ブレックス)と、NBAメンフィス・グリズリーズとの2ウェイ契約(※基本は参加の育成リーグであるGリーグでプレーし、45日間だけNBAチームへの登録が可能な契約)を決めた渡邊雄太選手も参加。2016年、FIBA リオデジャネイロオリンピック 世界最終予選以来2年ぶりとなる渡邉選手は、「やっぱり楽しいです」とその力を発揮していました。ラマスヘッドコーチは、「すでに世界で戦っている選手であり、八村塁とともに今後の日本を引っ張って行くリーダーであり、中心選手です」と期待を寄せており、それにしっかりと渡邊選手も応えていました。
「18歳のとき、はじめて日本代表としてフィリピンでのアジア選手権(2013年)に出場しましたが、チームは勝てず、僕自身も試合に出られず、本当に悔しかったです。あのときに早く上手くなって、自分が日本代表を勝たせるような選手にならなければいけないと思いました。今、ラマスヘッドコーチにもすごく期待していただいています。ここで止まることなく努力し続けて、東京オリンピックではエースとして帰ってきたいという気持ちは強いです」
グリズリーズとの契約がこれからのために今後の予定は未確定ですが、渡邊選手自身はFIBAワールドカップ2019 アジア地区 2次予選へ出場する意欲を見せており、積極的に現在の日本代表のスタイルを吸収していました。
「Bリーグから海外移籍した事例がこれまでなく、自分がもし失敗したら次はない」という自覚と責任を持って新天地へと旅立つ比江島選手。一方で、日本代表を通した国際試合で手応えを感じており、「失敗するイメージは今のところない。オフェンスは自信がある」と日本のエースとして頼もしいコメントを残しています。「オーストラリアは身長が高く、フィジカルも強い選手ばかりであり、とてもタフなリーグです。外国籍選手枠での移籍はそれだけ厳しい環境にありますが、その中でも結果を出せれば必ず成長につながります。この決断に私も賛成していますし、今後もサポートしていきます」とラマスヘッドコーチも快く送り出しました。
国際色豊かになってきた日本代表に対し、「サッカー同様、これからバスケも国内組と海外組という言葉が出てくると思います。今いる日本代表選手たちこそ、しっかり責任感を持ってBリーグのレベルを引き上げていかなければならず、やるべきことのひとつです」と篠山竜青選手(川崎ブレイブサンダース)は大きな刺激を受けるとともに、気を引き締めています。
ニック・ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)と八村塁選手(ゴンザガ大学)が加わり、2連勝を挙げたFIBAワールドカップ2019 アジア地区 1次予選 Window3は、「Bリーグと同じ戦い方にすごく近づき、やりやすくなった感覚があります。あの二人がいれば特別な意識をする必要なく、強みと弱みを瞬時に判断してプレーできる自信はあります」という変化がありました。柱となるインサイドプレーヤーさえいれば、世界とも十分戦えたとともに、Bリーグのレベルの高さも証明することができたと言えます。しかし、このオセアニア遠征には二人の名前はありません。代わってシェーファー選手や渡辺 飛勇選手 (ポートランド大学)ら若きビッグマンたちを引き上げる必要があります。「今回のようなときにどういうプレーを選択し、どんなプレー展開をしていくかが大事になります。ニックと塁がいないときこそ、しっかり意識をしてプレーを組み立てなければいけないと感じています」と篠山選手は話しており、新たなる挑戦に向かいます。
ニュージーランドとオーストラリアで各2試合が予定されており、篠山選手は「オーストラリアにWindow3で勝ったことにより、対戦相手はモチベーション高く向かってきてくれるのではないかと期待しています。もちろん勝ち負けにこだわらなければいけませんが、Window4へ向けて自分たちの強みや課題を把握するためにも、一つひとつのプレーにこだわっていきたいです」と話し、成長につなげる大事な遠征がはじまります。