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平成29年度男子日本代表チーム 第10次強化合宿 開催報告

2017年11月9日

誰よりも情熱を持ってチームを引っ張る橋本 竜馬選手(シーホース三河)

唯一、B2クラブから選出され、ここまで日本代表争いに残っている中西 良太選手(熊本ヴォルターズ)

 11月24日(金)にフィリピンを迎えて行われる「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 1次予選(以下、FIBAワールドカップ予選)」の開幕戦へ向け、「AKATSUKI FIVE」平成29年度バスケットボール男子日本代表チームは、11月6日(月)~8日(水)の3日間、第10次強化合宿を実施しました。

 第8次強化合宿から3回に渡って、フリオ・ラマスヘッドコーチは日本が目指すべきバスケットボールスタイルにフォーカスした強化を行なってきました。「アグレッシブにディフェンスをしなければならず、そのためにも向かって行く姿勢や気持ちが大事です。また、オフェンスでは選手たちが持っている能力を100%発揮できるようなシステムを作り上げることに重視しています」とラマスヘッドコーチは話しており、「AKATSUKI FIVE」のベースを詰め込むハードな3日間となりました。

 宇都 直輝選手(富山グラウジーズ)とともに、3回連続で招集されている中西 良太選手は唯一、B2所属の熊本ヴォルターズから選出されています。「1回1回の合宿は本当に競争ですし、実際に毎回人数が減っています。その中で残っていることは、しっかりと責任を持ってやらなければいけないとも思っています。ここまで来たからにはラスト12名に残りたいという気持ちで合宿に臨んでいます」と危機感とともに、覚悟を持って取り組んでいます。

 B2の試合では200cmの中西選手が、制空権を奪えてしまうことも多々あります。しかし日本代表合宿では、「一つ一つのボックスアウトがどれだけ大事かが分かりますし、どれだけ一つのボックスアウトが大変かということも改めて感じています」と、ライバルとなるB1で活躍する選手たちとの差を肌で実感。合宿の回数を重ねてきたことで、「オフェンスリバウンドに絡むこともでき、自信も芽生えています。自分の持ち味をどんどん出していき、オフェンスリバウンドから得点することもどんどんアタックしています」と手応えを感じるとともに、身体を張ったリバウンドをラマスヘッドコーチは期待しています。

 シーズン中の合間に行われる強化合宿は、選手たちにとっては体力的にも非常に大変なことは分かっています。しかし、練習で補っていかなければFIBAランキング50位の日本が、同30位のフィリピンや同9位のオーストラリアへの勝機はなかなか見出せません。開幕戦で対戦するフィリピンには、FIBA公式大会において14年間勝ち星がなく、「簡単な試合ではない」と温厚なラマスヘッドコーチも鬼になるしかならない状況です。

 「ラマスヘッドコーチが試合に向けてテンションを上げ、感情を出して鼓舞していただいています。そこに選手たちが乗っていくことが大切ですし、何よりも戦うのは選手たち自身です。しっかりとラマスヘッドコーチの熱を感じ取って、良い練習をみんなで作り上げていかなければなりません」と発破をかける橋本 竜馬選手(シーホース三河)。今合宿中も、ディフェンスからインテンシティ高くプレイし、チームを引っ張っていました。

 橋本選手は、勝利を目指すためにも「まずは良い練習が必要です」と続けます。「もちろん良い試合をして勝たなければ意味がありません。そのためにも練習が大事。正直言ってきついですが、それでももう一歩、二歩、三歩と上に上がっていくためには、小さな積み重ねをしていかなければなりません。自分のプレイを上げ、チームとしての成熟度を増していくためにもみんなで理解してやっていくことが大事になります」とも話しており、ラマスヘッドコーチの求めるバスケットボールスタイルの理解を深めるために、選手同士が率先してコミュニケーションを取る場面も多く見られていました。

 次回合宿からは、これまで強化してきたスタイルをベースにした応用編に入ります。また、今回の18名からさらに絞られ、よりチームとしての濃度を高めて、本番に向かって精度を高めていく段階に入ります。一方でリーグや合宿中の怪我により、別メニューを余儀なくされる選手も出ており、シーズン中に開催されるFIBAワールドカップ予選の難しいところです。初めてのレギュレーションであり、一つ一つの課題を乗り越えながら、11月24日(金)の駒沢体育館では、満員のファンの皆さんの前で勝利できるよう努力は続きます。

※11月24日(金)に駒沢体育館で行われる日本vsフィリピン戦の観戦チケットは完売しました。但し、予約のキャンセル等が出た場合のみ、11月18日(土) 午前10時より最終の追加販売をいたします。追加販売の有無等、詳細は後日、JBA大会特設サイトにて改めてお知らせいたしますので、ご確認ください。