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女子U-16日本代表はオーストラリアへ出発

2011年1月5日

 女子U-16日本代表候補は年末に第3次合宿(12月26日〜29日)を行い、続けて1月2日より第4次合宿がスタート。この合宿では15名に絞り込まれ、初の海外経験となるオーストラリア遠征を実施します。

 出発直前となった1月3日、林ヘッドコーチにオーストラリア遠征に期待することなどを伺いました。

林 慎一郎ヘッドコーチ(福井県立足羽高校)
[Q]年末に開催されたウィンターカップでは昨年世界5位になったU-17日本代表メンバーがさらなる活躍をしていましたが、世界を経験した選手たちの成長はどのように見えましたか?

林HC:世界選手権に出場したり、日本代表としていろんな経験をしたことで選手は大きく成長するんだな、と思って見ていました。これまでの長岡選手(札幌山の手高校)は40分間持つ気力が足りない部分もありました。しかし、ウィンターカップでは自分ががんばらなくてはいけないところを良く理解し、成長していました。今までは体の当たりなどを嫌がって外に出てしまうケースがありましたが、自分がインサイドで勝負しないといけないということをよく理解して動けていました。いろんな経験をしたことで、戦い方を考えてしっかり理解して動けるようになり、また強くなったと思います。もちろん長岡選手だけではなく、宮澤選手(県立金沢総合高校)や近平選手(聖カタリナ女子高校)など他の選手たちも同じことが言えます。

[Q]そのウィンターカップ女子最終日にはU-16日本代表候補が観戦しましたが、どのような反応でしたか?

林HC:前々回の合宿時にU-17女子世界選手権のビデオを見せていましたが、実際に長岡選手のプレイを見て、かなり刺激になったようです。先輩たちのようになりたい、ならないといけないと選手たちも感じたみたいです。

[Q]これまでの合宿ではガード陣の元気が良かったですが、今回の合宿を拝見していて、フォワード陣も目立つようになってきたと思いますがいかがでしょうか?

林HC:このチームとしては小さい選手が活躍するケースが多くなると思いますが、だからと言ってインサイドで勝負しないわけにもいきません。エブリン選手を中心にやっぱりインサイドで頑張る選手が育って来なければいけませんし、意識も高まって来ています。

[Q]4次合宿のオーストラリア遠征ではさらにどのような強化を行う予定でしょうか?

林HC:オーストラリアは強いです。勝ち負けは別として、選手たちには刺激を受けて欲しいです。外国と対戦するためにどのように戦わなければいけないか、どのくらい体を張ったプレイをしなければいけないかなど、いろんな体験をしてもらって、この遠征を通じてさらに大きくなってもらいたいです。

[Q]4試合行われる予定ですが、どのような成果を求めていきますか?

林HC:AIS(オーストラリア国立スポーツ研究所)との2試合は体験させる、としか言えないほど強いと思っています。もう2試合はレベルは分かりませんが、オーストラリアのクラブチームと対戦します。その中でチームとしてのゲームプランを確認していきたいと思っています。

[Q]1試合、WNBL(オーストラリア女子プロバスケットボールリーグ)での前座試合も用意されているようですが…?

林HC:プロチーム傘下のU-16チームと対戦し、キャンベラのバスケットファンの皆さんの前で試合をすることになります。もしかすると国歌を歌うこともあるかと思いますが、U-16日本代表候補にとってはそれも初めてのことですので、良い経験をさせたいです。

[Q]初めての日本代表となるU-16日本代表にはいろんな刺激を受けてもらい、良い方向に活性化されることに期待しています。

林HC:そういう期待もありますが、もちろん今年開催されるFIBAアジアU-16女子選手権を見据えています。中国は強いですし、チャイニーズ・タイペイも力を上げて来ていますし、韓国もいます。世界選手権への切符は2枠だと思います。そのアジア2枠に入ることが最終目標であり、それをクリアすべくオーストラリア遠征も良い成果を挙げられるようがんばってきます。

[Q]FIBAアジアU-16女子選手権へ向け、この遠征メンバーの中から選手を確定していくのでしょうか?

林HC:今選ばれている中学3年生が高校に進学し、新しい高校バスケの環境下でさらに鍛えられます。現在の情報では9月か10月にFIBAアジアU-16女子選手権が開催されると聞いています。高校バスケでひと夏を越えてから本番を迎えられるのは、準備期間があり日本にとってはありがたいことです。前回のU-16日本代表で活躍した宮澤選手もインターハイでの活躍を見てから日本代表に選び、アメリカ遠征を経て頭角を現してくれました。

 また、現高校一年生の早生まれも選考対象となります。ウィンターカップでも早生まれの1年生が活躍していました。そういうメンバーを次の合宿で集めて、さらに選考してより強いチームを作っていきたいです。