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平成29年度男子U16日本代表チーム 第5次強化合宿 開催報告 | 一覧へ | 第29回ユニバーシアード競技大会(2017/台北) 大会最終日 男子ユニバーシアード日本代表チームはルーマニアに75-87で敗れ、20位で終了。男子はリトアニアが頂点に立ち、大会閉幕 |
第29回ユニバーシアード競技大会(2017/台北) 銀メダリストの女子ユニバーシアード日本代表チームが帰国
2017年8月31日
初の国際大会に挑んだ#7安間 志織選手(トヨタ自動車 アンテロープス)は「すごく楽しかった」と言い、次は女子日本代表入りを目指す
「大学バスケ界にも良い選手は多くいますので、ぜひ注目してほしいです」とアピールする佐藤 智信ヘッドコーチ
「第29回ユニバーシアード競技大会(2017/台北) バスケットボール競技」で銀メダルを獲得した女子ユニバーシアード日本代表チームが、激戦を終えた翌日8月30日(火)に帰国しました。
目標を『金メダル』に設定していただけに、「うれしさ半分、悔しさ半分」というのが佐藤 智信ヘッドコーチや選手たちの率直な感想です。「バスケットボール女子U24 4ヵ国対抗2017(以下4ヵ国対抗)」での前哨戦を行いながら、意識を高く持って準備して臨んだ今大会。試合を通して世界と対等に戦える手応えを感じられたからこそ、悔しさもひとしおでした。
過去最高位に並ぶ「銀メダル」を50年ぶりに獲得。特筆すべきは、準決勝までは負けなしの5連勝で、カナダやロシアといった強豪チームにも日本がペースを握り、約20点差をつけて完勝しています。佐藤ヘッドコーチは、「相手の特徴を抑えて準備をし、それを選手たちが忠実に遂行してくれたことが大きかったです」と勝因を挙げます。しかし決勝戦だけは、「絞りきれなかったです」。走って、オーストラリアを疲れさせることで、必ず終盤に日本の流れが来ることは想定内でした。その通り、第4ピリオドは27-17と10点リードしましたが、「最初に相手の3Pシュートが入ってしまったことで、ディフェンスが引っ張り出されて注意していたインサイドを止めきれなかったです。もう少し早く第4ピリオドのようなペースに持っていければ良かったのですが…」と狙い通りにことは進まず、78-85と金メダルまで7点足りなかったことを悔やみます。
しかし、2大会前(2013年カザン大会13位)までは決勝トーナメント進出が大きな目標であり、ベスト8の壁をなかなか破れませんでした。その状況が、前回大会に4位となったことで一変します。2015年光州大会の準々決勝、3大会連続銅メダルを獲得してきた強豪オーストラリアを83-71で勝利し、ベスト4進出を果たしました。オーストラリアにとっては2年越しのリベンジに燃えていた決勝戦。日本をしっかりスカウティングし、先発5人をほぼ30分以上起用したまま、最後までベストメンバーで戦い抜いたことが日本の実力を認めた何よりの証拠です。
前回大会を経験しているのは#5藤岡 麻菜美選手と#9林 咲希選手(ともにJX-ENEOSサンフラワーズ)の2人のみ。初の国際大会に臨む選手も多く、『金メダル』の目標に対しても「最初はチームの2/3くらいはピンと来てなかったです」と佐藤ヘッドコーチは振り返ります。7月に行われたジョーンズカップで優勝し、女子日本代表としてアジア3連覇の原動力となった藤岡選手が合流し、4ヵ国対抗で勝利していったことが自信となり、『金メダル』への強い思いが浸透していきます。最年長としてチームを引っ張った村山 翠選手(富士通レッドウェーブ)は、「ジョーンズカップまでもみんな個性があって良いチームでしたが、本当に麻菜美が合流してからは、さらに戦う集団として本格的にひとつになりました。本当に心強かったです」と打ち明けます。
「これからはベスト4が当たり前になり、さらに金メダルを獲るかどうかの戦いを続けていくことで、それが女子日本代表の強化にもこの世代が直結するようになるわけですし、そうなって欲しいです。若い選手たちがこれだけの素晴らしい経験ができたので、それをしっかり後輩たちにも伝えてもらって、良い流れを作ってほしいです」と佐藤ヘッドコーチは話しており、2020年東京オリンピックにはこのメンバーの中から一人でも多く、女子日本代表に選出されることを期待しています。
銀メダルを手にしたうれしさ、決勝で敗れて目標の金メダルに届かなかった悔しさ、そして最高のチームが解散する寂しさ、と帰国した選手たちは様々な感情がありました。「スタッフ一人一人がサポートし、選手たちは明るく、家族のようなチームでした」と佐藤ヘッドコーチは誇らしげに語ります。#7安間 志織選手(トヨタ自動車 アンテロープス)は、「世界4位となった女子U19日本代表と、アジア3連覇をした女子日本代表がすごい成績を残したので、ユニバでも絶対にやってやろうとモチベーションは高かったです。このチームで銀メダルを獲れたのはうれしいですが、これで解散する寂しさもあります。すごく楽しかったです」と感想を述べ、プレッシャーから解放されました。
10月7日(土)より開幕するWリーグ新シーズンへ向け準備するトップリーグ選手たち。一方、大学生たちは休む間もなく9月2日(土)より筑波大学にて関東大学女子リーグ戦が、#11谷口 二千華選手の愛知学泉大学は一宮市総合体育館にて東海学生リーグ戦がそれぞれ開幕戦を迎えます。
白鷗大学を率いる佐藤ヘッドコーチは、「大学出身の選手たちが日本代表に入り、オリンピックに出るという意識づけをしてほしかったです。ユニバで頑張ることで、選手たちの目標が高くなるとともに、ファンの方々も学生たちの頑張る姿に注目してもらえるかなと思っていました。大学バスケ界にも良い選手は多くいますので、ぜひ注目してほしいです」とアピールしています。
金メダルを懸けた真剣勝負を経験したからこそさらなる課題を持ち、それぞれが新たなことにチャレンジしようとしています。それを育むのがリーグ戦であり、Wリーグともども世界トップに君臨する女子選手たちの熱い戦いを、引き続きお楽しみください。