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平成29年度男子U16日本代表チーム 第3次強化合宿 開催報告

2017年6月9日

1on1から状況判断できるプレイヤーになれるように取り組む田中 力選手(横須賀市立坂本中学校 3年)

笹山 陸選手(洛南高校 2年)はB.LEAGUE選手たちのプレイを参考にしてレベルアップ

 平成29年度バスケットボール男子U16日本代表チームは、6月5日(月)~7日(水)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにおいて、第3次強化合宿を実施しました。
 今秋、開催予定である「FIBA U16 Asian選手権大会2017」まで時間があり、選手たちに競争を促しながら強化とともに選手選考を行なっています。

 「3日間でしたが、長く感じるようなタフな練習をしてきました。常に競争をさせ、戦えるチームとして向上しています。国際大会での対戦相手はどこも日本より大きいわけですから、冷静により良い判断をすることと熱く戦うハートの両方を持った選手が必要です」とトーステン・ロイブル ヘッドコーチが言います。2on2や3on3の練習では、腕をつかんだりしてでも相手を止めることを許容し、激しいコンタクトの中でもシュートを決めきる熱いプレイを日常化させています。

 長年、様々なカテゴリーの指導を行なってきたロイブルヘッドコーチは、「技術があっても、感情が足りない選手が多いです。闘争心が見えません」と日本の選手たちが欠如している部分を指摘し、メンタル面での強化を行なっています。今合宿では、第1次強化合宿で敗れた東京サムライに再び胸を借り、気持ちを強く持って向かっていったことで一矢報いることができたのは大きな成長です。

 全体的に身長が高い逸材が揃っていますが、U19日本代表のようなビッグマンはおらず、「国際試合ではサイズがないと言わざるを得ません。このメンバーで勝つにはやはりディフェンスが大事であり、相手にいかに点数を取らせないスタイルを目指しています」と言うロイブルヘッドコーチは、ディフェンスの強化を重点的に行なっています。
 笹山 陸選手(洛南高校 2年)は、合宿を継続的に重ねてきたことで、「段々とチームのコンセプトが確立され、選手たちの特徴が分かってきたことで、チームの色が段々と見えてきました」と向上している一方で、やはりディフェンスを課題として挙げていました。

 逆にオフェンスでは、積極的にドライブでゴールを奪っていくシーンが目立ちます。田中 力選手(横須賀市立坂本中学校 3年)のドライブは目を見張るものがあります。しかし、ディフェンスに動きを読まれてしまうと、次の展開に移せずに潰されてしまう場面もあります。「判断力をもっとつけないといけません」と自覚し、合宿を重ねるごとに良いパスを出せるようにもなってきました。また、1月に行なったチェコ遠征で既に世界の高さを経験したことで、「外のシュート確率を絶対に上げなければ通用しないと思いました」と国際大会へ向けた課題を持って取り組んでいます。

 ポイントガードの笹山選手は、U16日本代表合宿を通じて、「以前よりも積極的にリングに向かうようになりました」と感じており、ゲームを作るとともに、得点も求められていることでゴールに向かう意識が変化しています。B.LEAGUEで活躍する兄・笹山 貴哉選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)のプレイを見て、「ピックした後のシュートやパスが上手いので、そこはすごく参考にしています」。また、合宿期間中に行われていた「東アジアバスケットボール選手権大会2017(兼 FIBA ASIAカップ2017 東アジア地区予選)」をスポナビライブで見ており、「韓国戦で富樫(勇樹)選手(千葉ジェッツ)が、ラストワンプレイで1on1からディフェンスがスイッチしたところでシュートを決めました。U16日本代表でも時間がなくなった時のスクリーンプレイを練習しています。同じような状況になった時に、シュートをしっかり決めきれるようにしたいと思って練習しています」と、B.LEAGUE選手たちをお手本にしながらレベルアップを目指します。

 ロイブルヘッドコーチは、「これまでと比較し、この世代の選手たちの技術力は格段にアップしています。以前であればボールを動かしてスペースを作るバスケットボールを理解できていない選手が多かったです。しかし、JBAが選手育成を行なってきたことが実を結び、今では技術があるとともに頭を使ってプレイできる選手が増えました」と進歩を実感しています。7月には「FIBA U19バスケットボールワールドカップ2017」に出場する男子U19日本代表チームを引き合いに出し、「U16日本代表の方が運動力が高い選手が揃っていると思います。高さは無いですが、U19日本代表よりさらにディフェンスは上達できる可能性はあります」と期待が高まります。

 これから選手たちは各所属チームに戻って、それぞれのカテゴリーの全国大会に出場できるよう鎬を削り合いながら、鍛えられます。次回、8月14日(月)より第4次強化合宿を予定しています。