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平成29年度女子U19日本代表チーム 第1次強化合宿 開催報告

2017年5月25日

持ち味のドライブを仕掛けてアピールする江良 萌香選手(アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス)

女子日本代表候補にも選出された梅沢 カディシャ樹奈選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)は世界を見据えてシュートエリア拡大中

 平成29年度バスケットボール女子U19日本代表チームは、5月22日(月)~24日(水)までの期間、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、第1次強化合宿を実施しました。
 本年7月22日(土)〜30日(日)の期間、イタリアで開催される「FIBA U19女子バスケットボールワールドカップ2017」へ向け、出場メンバー12名を絞り込む選考会となりました。

 昨年度末となる3月に合宿を行なって以来であり、今合宿では萩原 美樹子ヘッドコーチが求めるアーリーオフェンスの理解度を高めるとともに、「ハーフコートオフェンスのルールがないバージョン」の強化に努めています。ルールがないバージョンとは、「私が作りたいセットオフェンスは、シュートまでデザインするタイプではありません。ディフェンスの状況を見て、選手のリード&リアクト(読みと反応)にウエイトを置いています」と萩原ヘッドコーチは説明します。つまり、ドライブを中心としたオフェンスであり、特にショットクロックを含めて残り時間が少ない時などに選手自身が判断して得点につなげるプレイを目指しています。

 積極的に攻めていた江良 萌香選手(アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス)は、「萩原ヘッドコーチはトランジションを速くすることと、ドライブで切っていってそこから合わせるプレイにすごくこだわっています」と理解し、自身の持ち味であるドライブでアピールをしていました。これまでドライブした後はフィニッシュすることだけを考えていた江良選手ですが、今合宿を踏まえて「シュートセレクションを増やしていかないといけないですし、そこからのアシストも味方の気持ちも考えてパスを出せるようにならなければいけないです。周りをしっかり見てプレイしなければいけないと思いました」ということに気づき、レベルアップを図っています。

 萩原ヘッドコーチは、女子日本代表チームが行なっているドリルを学び、練習の中に取り入れています。
「これは日本代表が行なっているドリルであり、こういう目的がある」と選手たちに具体的に説明して理解させるとともに、この次のカテゴリーである女子日本代表を意識させていました。高校を卒業し、WJBLに進んだ選手も多くおり、「意識はずいぶん変わったと思います。所属チームではまだトレーニング段階なので、バスケットの感覚はこれからですが、身体がしっかりしてきました」と、萩原ヘッドコーチは2ヶ月ほどでも成長を感じていました。大学生はすでにシーズンが始まっており、コンディション良くこの合宿に臨んでいます。

 女子日本代表候補選手として第1次強化合宿に参加した梅沢 カディシャ樹奈選手(JX-ENEOSサンフラワーズ)と栗林 未和選手(富士通 レッドウェーブ)は、そこで得た経験をこのチームに還元してくれることも期待されます。梅沢選手は、「女子日本代表で教えてもらったことはすごく勉強になりましたし、このチームにも生かせると思います」と自覚を持って臨んでいます。2014年にはFIBA U17世界選手権に出場し、すでに世界を経験している梅沢選手。「世界はやっぱり日本と違って大きい選手がたくさんいます。インサイドを攻めることはもちろん必要ですが、アウトサイドもできるようにし、プレイの幅をどんどん広げていきたいです」と目標を定めて取り組んでいます。

 今合宿中は、男子日本代表のサポートコーチを務める大村 将基コーチ(大阪エヴェッサ)、鈴木 良和コーチ(株式会社ERUTLUC)、森 高大コーチ(アルバルク東京)にご協力いただき、ハンドリングスキルなどのドリルを教えてもらえる機会がありました。初めて学ぶことばかりであり、各コーチの妙技に選手たちも目を輝かせて練習に励んでいました。江良選手は、「ピック&ロールのところで大きい選手にカバーされるとドリブルが止まってしまったり、囲まれてボールを失うことがありました。教えていただいたドリブルスキルをしっかりとディフェンスを見てできるようになることが必要ですし、これからも練習していかなければいけないと思いました」と基礎の重要性を再確認しています。

 FIBA U19女子ワールドカップに出場する12名の選考へ向け、「みんな12名に残りたいという気持ちを出して取り組んでくれたからこそ、選考は非常に難しいです」と萩原ヘッドコーチを悩ませるほど、選手たちは良いプレイを見せてくれました。12名に選考された後、第2次強化合宿は6月19日(月)〜22日(木)に開催を予定しており、WJBLチームに胸を借りながら実戦形式での強化を進めていきます。