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バスケットボール男子日本代表国際強化試合2017 第2戦 試合結果 -男子日本代表は68-73で惜敗し、1勝1敗で今大会終了-

2017年2月11日

体を張ったピック&ロールからチャンスを作った#10竹内 公輔選手(栃木ブレックス)

3Pシュートで前半に逆転を呼び込み、14点を挙げた#24田中 大貴選手(アルバルク東京)

 「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2017」は、最終日となる第2戦目。開場前から屋内エントランスに収まりきらず、外まで続く長い待機列ができ、3,378人を集めた北海きたえーる。
 多くのファンの皆様がフラッグを振って応援していただき、最高の雰囲気の中でゲームは進みます。しかし「AKATSUKI FIVE」男子日本代表チームは、最後まで諦めることなく追い上げましたが、あと一歩及ばず、68-73で惜しくも敗れ、連勝とはなりませんでした。

 第1戦から#35アイラ・ブラウン選手(サンロッカーズ渋谷)以外を入れ替え、#11橋本 竜馬選手(シーホース三河)、#8太田 敦也選手(三遠ネオフェニックス)、#24田中 大貴選手(アルバルク東京)、そして最年少#18馬場 雄大選手が先発を任されます。どちらも思うようにシュートが決まらない中、「もっとシュート本数を増やそう」という意識を持ち、交代で入った#6比江島 慎選手がダンクシュートを決めます。しかしイラン代表に3本の3Pシュートを許し、第1ピリオドは10-18と8点リードされます。

 ルカ・パヴィチェヴィッチ ヘッドコーチが伝授するピック&ロールの起点となるセンターの#10竹内 公輔選手(栃木ブレックス)。体を張って何度もスクリーンをかけ、#11橋本選手らのゴールを生み出し、チャンスがあれば#10竹内 公輔選手自らアタックして追い上げていきます。#24田中 大貴選手(アルバルク東京)の3Pシュートで29-28と逆転し、さらに3Pシュートを決め、35-30とリードを奪い返して前半を終えました。

 しかし後半の立ち上がりにイラン代表の猛攻で逆転され、追う展開となります。3~5点を先行するイラン代表に対し、日本代表も踏ん張り、コツコツと得点を返しますが、縮まらない我慢の時間帯。47-50とし、3点を追いかけて始まった第4ピリオド。「自分がボールを持っていて、最後のプレイを任されていた」富樫選手が仕掛け、61-61と同点に追いつくシュートを決めます。残り時間は3分50秒。逃げるイラン代表に対し、次々と同点シュートを決めていく#2富樫選手。しかし最後、逆転を狙った3Pシュートは残念ながら外れ、その後はターンオーバーで逆転の機会を逸し、68-73で惜敗。第3ピリオドで離されたリードを巻き返すことができず、悔しい敗戦となりました。

 試合後、「自分の実力のなさでシュートを外してしまい、ターンオーバーをしてしまったので、すごく責任を感じていますし、負けた原因だと思っています」と話していた#2富樫選手。#10竹内 公輔選手は、「昨日よりもたくさんのお客さんが来てくれたのに、勝てなかったのは申し訳ないです。競ってしまったことで、今日の試合も出られなかった選手もおり、もう少ししっかりとゲーム運びをしなければいけなかったです」と、うまくゲームを運べなかった点を悔しがっていました。

 B.LEAGUEシーズン中にも関わらず、今年11月からホーム&アウェイで行われる2019年FIBAワールドカップの出場権を賭けたアジア・パシフィック予選へ向けたシミュレーションであり、2020年東京オリンピック出場を目指して強化を進めた中での第一歩となったこの強化試合。ルカ・パヴィチェヴィッチ ヘッドコーチは、「今日の試合も40分間を通して一貫性あるバスケットができませんでした。これまでの8回の練習だけで流れるようなバスケットができるとは思いませんが、ただ基本的なことをもっと遂行できるだろうという期待をしていました。それは主にディフェンス面ですが、特に2試合目はもっとできたと思っています。しかしながら、フィジカルが強いイラン代表と対戦したことを良い反省材料とし、今後の成長につなげていきたいです」と総括を述べました。

 一貫性あるバスケットができなかった点について#24田中選手は、「トランジションディフェンスで簡単にシュートされたり、走られたりしないように守れという指示がありましたが、要所でやられてしまいました。良い場面もありましたが、やられてしまった部分はもっとコミュニケーションを取って、最低限コーチが求める部分は徹底していかねばならないです」と話し、短い練習期間で臨んだ試合の難しさを実感しました。

 フィジカル強いイラン戦を終えた#10竹内 公輔選手は、「スクリーンでのぶつかり合いで体力が消耗したこともあり、2日間を通してシュートが安定しなかったです。そこを決めきることができるように、どんどんこのシステムに慣れていきたいです」と、この環境を受け入れ、前向きに捉えていました。シーズン中に行われた日本代表戦について、「最初は所属チームとの役割との違いに難しい部分もあると思いましたが、意外とみんなフィットしていました。同じメンバーで長いことやってきたということもあるので、その点では思っていたよりも意向はすんなりできたと思います」と#10竹内公輔選手。#2富樫選手は、「今後に向けて、この試合はすごく良い経験になりました。毎週試合をしていることで、これまでのようなオフ明けに始まる合宿よりもコンディションは良いです。しかし練習期間が短く、この試合の前も2日間だけだったのでそこは少し難しい部分もあります。今後も積み上げていって、少しでも良いチームを作り上げていかなければいけないです」とクリアしなければならない課題も見えました。

 この戦いが世界スタンダードであり、勝ち抜いていった先にFIBAワールドカップ出場、そして2020年東京オリンピックへの出場に近づくわけです。15名で臨んだ国際強化試合は終わりましたが、来月からまたB.LEAGUE等で活躍する”最高の30名”を招集し、短期間ではありますが今後も合宿を継続しながらレベルアップを図り、さらに強い「アカツキファイブ」男子日本代表チームを見せられるよう努力は続きます。パヴィチェヴィッチ ヘッドコーチも、「2連勝すればもっと良い気持ちだったでしょうが、勝ちというのは我々が変えられるようなものではありません。今後も強化すべきことを継続していかなければなりません 」と話しており、日本の課題改善に努めていきます。

 選手たちは所属チームに戻り、この試合の経験を生かす戦いが続きます。B.LEAGUEは2月17日(金)より各地で再開。女子のWリーグは2月18日(土)よりプレーオフがスタートします。今後とも日本バスケットボール界への熱きご声援をよろしくお願いいたします。