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平成28年度男子U-16日本代表チーム 第3次強化合宿(チェコ遠征) 開催報告

2017年1月10日

初めての国際試合を終え、一回り成長して帰国した男子U-16日本代表チーム

ヨーロッパの選手を相手にもスピードでは負けていなかった田中 力選手 (横須賀市立坂本中学校 2年)

 平成28年度バスケットボール男子U-16日本代表チームは、1月1日(月・祝)~9日(月・祝)の期間、チェコ・ニンブルクにて開催された「CRYSTAL BOHEMIA CUP」に参加し、実戦強化を図った第3次強化合宿(チェコ遠征)を終え、無事に帰国しました。
 チェコU-17代表チームやハンガリーU-17選抜チームなど、ヨーロッパの一つ上の世代のクラブチームと4試合を行い、1勝3敗。敗れた3試合はいずれも惜敗であり、課題が明確になったとともに自信をつけることができた遠征となりました。

 チェコU-17代表チーム戦は70-76で黒星スタート。初めて海外のチームと対戦する選手たちは、ヨーロッパの高さや体の当たりの強さ、そして上手さに太刀打ちできず、気持ちで引いてしまい点差が開いていきます。しかし、トーステン・ロイブル ヘッドコーチの下、国際試合を想定して強化してきたボールを動かし、アグレッシブに戦うスタイルを思い出させたことでリズムに乗り、追い上げていきます。逆転こそなりませんでしたが、「チームとしての活力を発揮することができました」と大平 敦チームリーダーは手応えを感じたとおり、翌日のASE PAKS(ハンガリー選抜)戦はリズム良くシュートを沈め、79-67で初勝利を挙げました。
 第3戦のBA Nymburk戦は、最後に3Pシュートを決められ、71-74で逆転負けを喫します。最後に練習試合を行ったPraha U-18チームにも57-58と惜しくも敗れ、試合巧者な相手に対し、勝ち切ることはできませんでした。

 大平チームリーダーは、「試合を重ねる毎に日本の実力も段々出せるようになり、選手個々の持ち味を出して戦ってくれました。しかし単調なオフェンスになってしまう場面や、ショットクロック24秒を使い切れない部分をどう打開して得点につなげていくかが課題として見えました。フロアリーダーがまとめて、スペースを使ってプレイしていかなければなりません。また、最後の場面に失点して負けてしまいましたが、国際試合では40分間常にディフェンスのアグレッシブさが要求されます。国内では通用しても、海外の選手を相手には少しでもディフェンスを緩めたらやられてしまうことを、身をもって分かったはずです。みんなでディフェンスをがんばることが大切であり、これから一層意識し、強化していかなければなりません」とチェコ遠征を総括しました。

 「CRYSTAL BOHEMIA CUP」では、各チームの優秀選手が表彰され、男子U-16日本代表チームの中からは田中 力選手(横須賀市立坂本中学校 2年)が選ばれました。どのチームの選手よりもスピードは負けておらず、相手を抜いていきます。しかし田中選手は、「抜くことはできていましたが、やはり体のぶつかりやほぼ全員が2mある高さの前では、普通にレイアップシュートに行ってもブロックされたり、フィジカルで吹き飛ばされてしまいました。もっと体を強くして、身長高い相手にもちゃんとフローターなど、工夫してシュートを決められるようにしたいです」と技術的な課題が多く見つかりました。

 それ以上に世界との差を感じたのは、「メンタル」だと田中選手は言います。「同点だった最後の場面で、相手に3Pシュートを決められ、負けてしまいました。そのメンタルの強さやヨーロッパの選手たちは何事に対しても粘り強く、最後まで諦めずにプレイしてきます。シュートもそうですが、残り1秒でもリバウンドやルーズボールを必ず取りにきました」と逆転負けしたBA Nymburk戦から見習う部分がありました。身長や体格差で劣る日本人選手でも、メンタルや戦う姿勢はすぐに取り入れることができます。「技術を高め、体を強くし、メンタルももちろん強くして、世界と戦えるように最後まで粘り強くプレイしていけるようにしたいです」と田中選手は新たな目標を掲げ、今年開催される「第5回FIBA ASIA U-16男子バスケットボール選手権大会」の男子U-16日本代表メンバーに選ばれるよう、さらなる努力を続けます。

 次回第4次強化合宿は、早くも1月27日(金)~29日(日)の期間、味の素ナショナルトレーニングセンターで開催。チェコ遠征で得た課題に取り組み、さらなる強化を目指していきます。