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平成28年度男子日本代表チーム 第8次強化合宿(台湾遠征)がスタート。本日、強化試合を行う台湾へ出発
2016年11月9日
短期間で戦術を理解することが試される、初選出されたポイントガードの笹山 貴哉選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
FIBA ASIAチャレンジのメンバーに選出されなかった悔しい思いをぶつけて練習し、その後のBリーグで活躍が認められ、再びチャンスを得た遠藤 祐亮選手(栃木ブレックス)
平成28年度バスケットボール男子日本代表チームは、4年後の東京オリンピック出場を目指し、その第一歩となる強化合宿をスタートしました。
バスケットボール競技は、世界レベルに達していなければ開催国枠が認められず、日本代表のオリンピック出場は確定していません。東野 智弥 技術委員長は、「日本は現在FIBAランク48位。オリンピックには12カ国しか出られないのに、48位であることをまず認識しなければならないです。そのためにも世界で勝てるようにスタンダードを引き上げるためことを目指して、今回の海外遠征や今後も定期的な強化合宿の実施を考えています。他国よりも早くから始めなければ世界には追いつけません」と危機感を持って強化に取り組んでいます。
2017年11月より、FIBA(国際バスケットボール連盟)の新競技フォーマットが採用され、2019年FIBAワールドカップの出場権を懸けたアジア・パシフィック予選がホーム&アウェイ方式でスタート。現在、盛り上がりを見せているBリーグのシーズン最中に日本代表合宿を実施するのも、そのシミュレーションも兼ねています。
今回の台湾遠征に臨む男子日本代表チームは、現在のBリーグで活躍する若手から中堅選手を招集。12名の候補選手のうち、安藤 誓哉選手(秋田ノーザンハピネッツ)、中東 泰斗選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、笹山 貴哉選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)の3選手が初招集となりました。
長谷川 健志ヘッドコーチは、「新たなことを1~2日の合宿で詰め込むのは無理なことです。7月のウィリアム・ジョーンズカップから9月のFIBA ASIAチャレンジまでにやってきたことがベースとなります。それを経験している選手が多くおり、全員が0からのスタートではないので、新しい選手が加わってもチームとしては作りやすいです」と話し、台湾での強化試合に備えています。
合宿初日の11月8日(火)の2部練習を終え、「長く日本代表を経験してきたベテランはすぐに対応できますが、若い選手たちが短期間で戦術を理解できるかどうかも試しており、今後の選考基準になります。今日の練習では、非常に理解度が高かったです」と評価していました。
今年、ジョーンズカップ、ジョージ・ワシントン大学を迎えて行われた国際親善試合を経験した遠藤 祐亮選手(栃木ブレックス)は、FIBA公式大会となるFIBA ASIAチャレンジで日本代表に名を連ねることは出来ませんでいた。
「国際親善試合ではプレイタイムをもらえず、限られた時間で自分のパフォーマンスを表現することができませんでした。ジョーンズカップでは良いプレイができていたところもあった分、国際親善試合でプレイタイムがなかったことの悔しさが大きく、FIBA ASIAチャレンジに選ばれるのも難しいと思っていました。チームに戻ってからはその悔しさもあって、自分が日本代表に選ばれるにはどうしたらよいかと考えた時に、ディフェンスだけではダメだと思いました。悔しい思いをぶつけて練習して、それが結果的にシーズンが始まった今の肥やしになっています。ポジティブに考えれば、あの時に選ばれなかったことが良かったのかなと思っています」と前向きに捉え、努力した遠藤選手に再びチャンスが与えられました。
長谷川ヘッドコーチは、「ベテラン選手たちを追い抜く気持ちで挑んで欲しい」と発破をかけ、オリンピックへと続く日本代表へ向けた一つのトライアウトとして捉えることもできます。
遠藤選手は、「日本代表に呼ばれること自体が光栄ですし、今回も若手選手が多くチャンスをもらえました。このようなチャンスは二度とないという気持ちでやらなければいけないと思っています」と決意し、台湾での強化試合に全力を注ぎます。
国内での練習を終えた男子日本代表チームは、本日11月9日(水)、強化試合が行われる台湾へと出発しました。
現地では、SBL(スーパーバスケットボールリーグ/超級籃球聯賽)のシーズン開幕を目前に控える台湾ビールと台湾銀行と2試合を実施。台湾ビールにはNBA(ゴールデンステイト、ボストン、トロント)でのプレイ経験がある213cmのPatrick O’Bryant選手、台湾銀行にはオーストラリア出身の218cmのLuke Nevill選手と長身選手がおり、満原 優樹選手(サンロッカーズ渋谷)や荒尾 岳選手(千葉ジェッツ)、永吉 佑也選手(川崎ブレイブサンダース)らインサイド陣の活躍も試されます。
練習期間が限られる代表チームとは違い、SBL開幕に向けて練習を積み、今回の男子日本代表との強化試合を最終調整としています。男子日本代表チームは、今後を見据えて様々な試みを行いながら、その経験値をしっかりと積み上げ、同時に選手層を厚くしていくための強化合宿にしていきます。
■強化活動
<第8次強化合宿(台湾遠征)>
日 程:2016(H28)年11月8日(火)~12日(土)
渡航地:台湾・新北市
※11月8日(火)は味の素ナショナルトレーニングセンターにて練習実施
※11月10日(木) 練習試合① 対戦相手:台湾ビール
※11月11日(金) 練習試合② 対戦相手:台湾銀行
※男子日本代表候補選手に初選出された3選手のコメントをご紹介します。
■#30 安藤 誓哉 選手 (秋田ノーザンハピネッツ)
初選出されたことは大変うれしく思っています。
日の丸をつけている誇りを持って1日1日を過ごしていきたいです。
初練習を終えて、ポイントガードとしてもっとチームをリードしていけるように、しっかり声を出してチームを引っ張っていきたいです。
■#31 中東 泰斗 選手 (名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
今回初選出されたことは、非常にうれしく思います。
せっかく選ばれたので結果を残せるように、自分の良いところを出していけるように、今日の練習に臨みました。しかし、あまり良いところは出せなかったので、試合でしっかり自分をアピールしていきたいです。
■#77 笹山 貴哉 選手 (名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
日本代表に選ばれたことは素直にうれしく思っています。
自分の良いところを出す部分では、余り意識せずにチームでやっていることと変わらずにやっていきたいです。先輩たちが多く、遠慮してしまう部分も出てしまうかもしれませんが、そこを少しでも減らして自分の持ち味を出していきたいです。