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平成28年度女子U-16日本代表チーム 第1次強化合宿 開催報告
2016年9月23日
佐藤 晃一コーチとコンタクトトレーニングをする山口 里奈選手(北九州市立折尾中学校 3年)
ドライブに行く松橋 京香選手(札幌市立清田中学校 3年)
来年開催される「第5回FIBA ASIA U-16女子バスケットボール選手権大会」に向けて、平成28年度バスケットボール女子U-16日本代表チームは、9月19日(月・祝)~21日(水)の期間、第1次強化合宿を開催しました。
萩原 美樹子ヘッドコーチは、リオデジャネイロオリンピックに出場した女子日本代表チームをはじめ、全てのカテゴリーが取り組む「日本のバスケがやるべきこと」である“トランジション”と“スペーシング”を徹底させる合宿となりました。
歴代のヘッドコーチ同様に、「部活動を引退してバスケットをできていない選手がほとんどなので、どんなコンディションかは集まってみないと分からないのが問題です」と課題を挙げた萩原ヘッドコーチ。実際に合宿を始めると、「運動量に差があります。後輩と一緒に練習を続けている選手もいれば、招集が来てから準備してきた選手や練習環境の問題で全くできなかった選手もいます。そこが一筋縄ではいかないところです」。その状況を改善すべく、スポーツパフォーマンス部会長の佐藤 晃一コーチが様々なトレーニング方法やバスケットボールドリルを選手たちに紹介していきます。
スムーズな走り方や体の動かし方を指導するとともに、佐藤コーチは、「この年代から体をぶつけることを徹底させることを重視」したテーマを掲げました。萩原ヘッドコーチも同じく、「コンタクトをするのが当たり前であり、コンタクトがあるのがバスケットです」と話しており、体をぶつけさせたことでスクリメージ中はリバウンド争いも激しさを増していました。
オフェンスリバウンドに絡んでいった松橋 京香選手(札幌市立清田中学校 3年)は、「ぶつかる練習をしてからゲームに入ったことで準備ができ、ゲーム中もそこはやりやすかったです」と感想を述べており、すぐに効果が見られました。
しかし、萩原ヘッドコーチは、「ディフェンスやリバウンドでは必然的に体を当てますが、ドライブでのコンタクトが弱い」点を指摘します。「スピードで抜き去る、または交わすというのが、選手たちがイメージするドライブです。しかし、国際試合では体を当ててそれに負けずにフィニッシュに行くのがドライブです。そこはこだわって求めていきたいです」と言い、体をぶつける改革は始まったばかりです。
例年にないほど高身長の選手がいません。2年前の女子U-16日本代表チームの第1次強化合宿時には、17人の候補選手中180cm以上の選手は5人いました。今年は28人を選考しましたが、高身長の選手はたった2人だけ。「小さい分、今まで以上にトランジションゲームを仕掛けることが大事になります。例えば、90点取られても100点を取るバスケットをした方が選手たちの良さを引き出せるのではないか、とコーチ陣とも話しています」と萩原ヘッドコーチは言うように、これまでのスタイルを変えなければなりません。ビッグマンはいませんが、「ガードは豊作です。スピードは速く、ドリブルのテクニックもあり、ディフェンスでも前から当たっていける脚力があります」と期待を寄せています。最初のスクリメージにも関わらず、非常にスムーズにゲームができていました。「インサイドで攻めたら、その後にしっかり広がってスペースを作ることを徹底させています。次回はそこから合わせの練習を取り入れていきたいです」と話す萩原ヘッドコーチ。選手たちの長所を引き延ばしながら、来年の本番へ向けて強化を進めていきます。
初めての日本代表合宿に参加した選手たち。山口 里奈選手(北九州市立折尾中学校 3年)は、「みんな上手くて、パスしたいところに動いてくれたのでとてもやりやすかったです」という感想通り、スクリメージでは良いアシストパスを見せてくれました。練習後も佐藤コーチから様々なトレーニングのアドバイスをもらい、「すごくためになりました。帰ってからも続けていきます」とも話しており、次回合宿時に成長した姿を見せてくれることを楽しみにしています。
次回、第2次強化合宿は10月26日(水)~28日(金)に予定しています。
※活動の様子はフォトギャラリーにてご覧ください。