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ハヤブサジャパン 平成27年度男子日本代表チーム 第3次強化合宿開催報告
2015年7月21日
声を出してチームを引っ張る橋本 竜馬選手はムードメーカー
これまで以上に攻め気を持って臨む古川 孝敏選手
ハヤブサジャパン 平成27年度バスケットボール男子日本代表チームは、7月9日(木)~19日(日)まで、11日間に及ぶ第3次強化合宿を実施しました。合宿前半はこれまで練習してきたことの精度を上げることに努め、後半は韓国の軍隊・尚武(サンム)が来日。実戦形式によるスクリメージで課題を浮き彫りにし、翌日の練習で修正する作業を繰り返しました。
尚武とのスクリメージに対し、「状況判断がいかに早くできるかを試しています。流れを止めて一本決めるというバスケットを日本が行なっても、国際試合においてはなかなか通用しません。流れの中でどういうことができるか、選手たちがどういう判断ができるかを、練習をしながら選択肢を広げ、ゲーム中に良い判断をできるようにしています」と長谷川 健志ヘッドコーチは強化ポイントを挙げました。
「韓国の激しさなど、日本の中ではなかなか体験できないことを肌で感じることができています」と感想を述べたのは、日本代表候補に初選出された橋本 竜馬選手(アイシンシーホース三河)。「毎日毎日課題があり、今日の試合でも昨日までとは違うまたひとつレベルアップしたところの問題点が出ました。日々違う課題が出ることは、日々、このチームが成長している証拠ですし、それを一つひとつクリアできているのも実感できています。今日の課題を、また明日のスクリメージで改善できるチームになっていけば、さらに強くなっていくと思います」と橋本選手はチームの成長を実感していました。技術だけではなく、激しくプレイしてくる尚武に対して、気持ちで引くことなく闘志を前面に出しており、心身ともにたくましさが増しています。
オフェンスやディフェンスで様々な課題を課しながら、強化を進めているハヤブサジャパン。勝つためにはシュートをより多く決めなければならないのがバスケットです。「難しいシュートを決めることはある意味、運頼みに近い行為。小さい日本人はチームでいかにフリーの状態を作って、それを確率良く決めきれるかどうかが大事」と長谷川ヘッドコーチは話しており、毎日のシュート練習は欠かせません。統計を取る中、思うようにシュート率が伸びなかった時は、そのシュート練習をはじめからやり直しさせられることもありました。「シュート確率が低くては絶対に勝てるわけがなく、その点の意識がまだ少し足りません。シューティング一つでも、大きく確率が下がるようなことがあってはならず、すぐに切り替えて修正できる力が必要です。周りを見て、みんなも落ちてるから良いか、と思ってしまっては絶対にダメです。シューティングは自分との戦いです。その自分との戦いに勝っていかなければ、シュートの確率は絶対に上がりません」。女子ユニバーシアード日本代表が世界4位になった功績を引き合いに出し、「女子選手のシュートの的確さは世界でも上位に位置していると思います。シュート力があるからこそ、ドライブが効いてくるわけであり、そこは男子も意識しなければいけません」と長谷川ヘッドコーチは言います。女子以上に体格や対応力での差が生じる男子においては、「さらにもう一つ動いてかき回して、ノーマークのショットを選択できるようにしなければなりません」とも話しており、世界に追いつくためにもシューティングひとつから意識を変え、浸透させているところです。
2年ぶりに日本代表候補に選出された松井 啓十郎選手(トヨタ自動車アルバルク東京)は、「僕らシューターがしっかり決めればチームに活気を与えることができますし、逆に入らなければ流れも勢いも持っていけないです」と言います。本番に調子が上がっていくように、そのシュート力を研ぎ澄ませていました。攻守にわたる献身的なプレイで、これまで日本代表を支えてきた古川 孝敏選手(リンク栃木ブレックス)。「途中から試合に入る以上、なかなか無理してシュートを打つことはこれまでできませんでした。それよりも、ディフェンスから流れをつかんでいこうと意識していました。それも大事ですが、昨年とは違った部分で自分がもっとチームに貢献できることがあると思い、今年は積極的にシュートを狙っていくようにしています」と話すように、プレイスタイルを変更。元々、所属チームではそのオフェンス力を発揮しており、昨シーズンはNBLの3Pシュート成功率は金丸 晃輔選手(45.3%)、松井選手(43.2%)に続く、古川選手は3位(43.1%)。「一つひとつ目の前のやれることを潰していかなければ先につながりません」と古川選手は、日々の練習から気持ちを引き締めて取り組んでいました。
第4次強化合宿からは海外遠征がスタートします。まずは7月25日(土)~8月2日(日)の期間、中国で開催される招聘試合「2015 Atlas Challenge」に出場し、アメリカ、リトアニア、オーストラリアなどと対戦する機会を得ました。一時帰国も束の間、8月5日(水)~13日(木)はオーストリアとチェコへ飛び、それぞれの代表チームと練習試合を実施します。高さがあることはもちろんですが、様々なスタイルのチームと対戦しながら日本が目指すバスケットがどこまで通用するのかを肌で感じることができるチャンスです。海外遠征メンバーの数は限られてしますが、「遠征に行けなくても、日本代表選考から落ちた、という考えはしないで欲しい」と、長谷川ヘッドコーチは選手たちに念を押しました。「最初の会見でもお話ししたとおり、今年は全員がどこかの遠征に参加できるようにしています。25分出さないと力を発揮できない選手もいれば、5分でつなげる選手もチームには必要です。それらを数少ない海外遠征で見極めながら、本番となるFIBA ASIA選手権では特長ある12名を選出していけるようにしていきたいです」。
オーストリア/チェコ遠征から帰国後すぐ、国内でチェコ代表と対戦する「東日本大震災復興支援 バスケットボール日本代表国際強化試合2015」が開催されます。千葉ポートアリーナ(8月14日)、国立代々木競技場第2体育館(8月15日・16日)にて3試合が行われます。チケットバスケット等にて前売券は好評発売中。リオデジャネイロオリンピック出場を目指すハヤブサジャパンへ、会場でぜひご声援をよろしくお願い致します。皆様のお越しを心よりお待ちしております。