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平成27年度男子U-18日本代表チーム 第1次強化合宿開催報告

2015年7月1日

U-16から継続して強化合宿に招集され続けている五十嵐 正也選手

202cmの山本 浩太選手はオールラウンドプレイヤーを目指して進化中

 平成27年度バスケットボール男子U-18日本代表チームは、6月26日(金)~28日(日)の期間、トヨタ自動車アルバルク東京の練習場をお借りして第1次強化合宿を実施しました。ディフェンス強化に重点を置きながら強化を進めるとともに、本年8月23日(日)~29日(土)に韓国・済州島で開催が予定されている「第23回日・韓・中ジュニア交流競技会」へ向けた選手選考が行われました。

 この世代は、一昨年前の第3回FIBA ASIA U-16男子選手権大会(2013年)でアジア3位となり、昨年は第3回FIBA U-17男子世界選手権大会を経験した言わば黄金世代。さらに、日本代表候補選手に選出された八村 塁選手(明成高校 3年)をはじめ、来年開催される「第24回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会」の出場対象となる現在高校3年生の早生まれ選手も多くおり、期待は高まるばかりです。男子U-18日本代表候補選手14名中6名が早生まれ、または1学年下の高校2年生が選ばれ、すでに来年へ向けた強化が始まっています。逆に昨年のFIBA U-17世界選手権経験者は日本代表合宿に参加中の八村選手を含め、4人しかいません。スポーツディレクターとして強化を担うトーステン・ロイブル コーチは、「これまでセレクションを行なってきた結果、より良い選手を選考しました」と話しているように、激しい競争が繰り広げられています。お互いがライバル意識を高く持って取り組む一方で、日本代表選考会や育成プログラムを通じて、切磋琢磨してきた選手たち。継続的に強化してきたことでのメリットについて、「チームとしての良いケミストリーがすでに出来上がっていることを実感しています」と、ロイブルコーチは評価していました。

 FIBA U-17世界選手権の切符を獲得したU-16日本代表から着実に階段を登っている五十嵐 正也選手。さいたま市立大宮北高校は、残念ながら今年のインターハイの出場権を逃しており、全国大会出場経験がなくとも、しっかり合宿で存在感をアピールしていました。「自分は技術はあまりないと思っていますので、ディフェンスを頑張ることや戦術の理解を早くし、ミスせず周りのプレイヤーを生かすことがどれだけできるかをいつも意識しています」と話す五十嵐選手。毎年この場にいるからこそ自分の役割が明確となり、今ではポイントガードとしてチームを引っ張っています。

 これまでU-16やU-17日本代表の選考から漏れていましたが、高校バスケで鍛えられたことで頭角を現し始めた2mを超える選手が二人。201cmのウイタカ・ケンタ選手(國學院大學久我山高校 3年)と202cmの山本 浩太選手(初芝橋本高校 3年)。「みんなは自分よりレベルが高く、この中で一緒に練習ができることがすごく自分のためになっています」と感想を述べたのは山本選手。強化合宿を通じ、「1on1の能力やインサイドだけではなく、外からのシュートをもっと確率良く決められるようにしたいです」と抱負を語り、オールラウンドプレイヤーを目指して意欲的に取り組んでいます。この2人に続く198cmの平岩 玄選手(土浦日本大学高校 3年)は、FIBA U-17世界選手権メンバーの一人。スクリメージ中、相手のブロックをものともせず、踏み込んでダンクシュートを決めていました。197cmの中村 碧杜選手(県立能代工業高校 3年)は第1回ジュニアエリートアカデミー(ビッグマンに参加し、努力を続けたことで候補選手に残っています。そして、唯一2年生から選ばれた196cmの西野 曜選手(近畿大学附属高校 2年)など高身長が揃っており、平均身長191.1cm。これは日本代表候補選手たちの191.7cmとほぼ変わりません。

 男子U-18日本代表メンバーの多くは、7月29日(水)から京都府にて始まる「平成27年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会 第68回全国高等学校バスケットボール選手権大会(インターハイ)」で活躍し、その後に待つ「第23回日・韓・中ジュニア交流競技会」でさらにレベルアップしたパフォーマンスを発揮してくれることでしょう。なお、1回戦はウイタカ選手の國學院大學久我山高校vs山本選手の初芝橋本高校がいきなり対戦となり、迫力ある2m同士のマッチアップは今から楽しみです。

 インターハイを逃したチームの選手たちも、エンデバープログラム等を通じて選考しています。五十嵐選手と村岸 航選手(県立浦和高校 3年)は、埼玉県予選で敗れましたが、候補選手として名を連ねており、多くの選手にチャンスがあります。2020年には22~23歳、東京オリンピックの舞台に立てる可能性が高い世代。吉田 裕司チームリーダーは、「まだまだ成長の途中にいるわけですから、さらに高いゴールを目指し、バスケットに携わる人たちへの励みになるように、今後も努力を続けてください」とメッセージを送っており、今後も継続的な強化を図ってまいります。