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【新潟全中2024レポート】大会最終日 団結の力 ~男子は四日市メリノール学院中学が3連覇を、女子は京都精華学園中学が連覇を、それぞれ達成!
2024年8月25日
新潟県長岡市で開催された「令和6年度全国中学校体育大会 第54回全国中学校バスケットボール大会(以下、新潟全中2024)」は、男女の準決勝、決勝がそれぞれ行われ、今夏の優勝校が決まりました。女子は京都精華学園中学校(近畿・京都)が2連覇を、男子は四日市メリノール学院中学校(東海・三重)が3連覇を、それぞれ達成しました。
樟蔭中学校(近畿・大阪府)との近畿勢同士の決勝戦となった女子は、京都精華学園中学校が立ち上がりこそ、やや苦戦しましたが、最後は87-55で圧倒しました。
「近畿対決になったとはいえ、『舞台が変われば人も変わるよ。油断したり、傲慢なプレーをしてはダメだよ』と選手たちに言っていたのですが、やはり近畿ブロック大会でも大差で勝っていましたので、どこかで気の緩みがあったように思います」
京都精華学園中学校の山本綱義コーチは、勝ってもなお、内容に不満のようでした。それでもペースを握りきれていなかった序盤から一転、ディフェンスから速い展開に持ち込み、ハーフコートバスケットになれば高さを生かして、リードを広げていきました。
194センチの#18オディア カウェル リッツとツインタワーを組む185センチの#7石綿文選手は「体力的にもメンタル的にもめちゃくちゃ疲れました」と言いながらも、「みんなの力が合わさって、団結して、みんなでディフェンスとルーズボール、リバウンドを徹底したことが優勝につながった」と言います。
選手の入れ替わりがある学生スポーツにおいて、連覇は決して簡単なことではありません。ましてや発展途上の中学生です。さらに困難になります。それでもキャプテンの#4谷口娃咲選手は、京都精華学園中学の強さについて、こう言います。
「京都精華学園のバスケットはディフェンスから始まります。ディフェンス、ルーズボール、リバウンドを徹底することが、自分たちの一番の強みです。そこからオフェンスに移れば、インサイドを使いながら、そこを厚く守られたら、私たちアウトサイド陣が積極的に1対1を仕掛けるようにしています」山本コーチが言うようにまだまだ足りないところはあるでしょう。しかし、だからこそ、このチームが冬にどんな完成形を見せてくれるのか、今から楽しみです。
男子は京都精華学園中学校(近畿・京都府)を下した四日市目リノール学院中学校が、連覇よりもさらに難しい、全中の男子としては史上初となる3連覇を成し遂げました。
「今日の2試合――準決勝と決勝――は、子どもたちの出来がよかったと思います」四日市メリノール学院中学を率いる山崎修コーチはそう振り返ります。
「昨日までの対戦チームも、どのチームも強かったので、石橋を叩いて渡る戦い方をしてきました。大会最終日まで勝ち上がるようにするのは私の責任ですが、大会最終日は子どもたちが自由に楽しむ場であり、私自身がそれを楽しませてもらうつもりでいました。そのとおり、楽しませてもらいました」決勝戦の最終スコアは80-61です。そのうち28得点をあげた#34白谷柱誠ジャック選手は今大会をこう振り返ります。「今年は史上初の3連覇を目指して、練習をしてきました。大会の序盤はプレッシャーもあって、みんな、上手くプレーできていませんでしたが、決勝はみんながシュートを打って、みんながディフェンスをして、最高のゲームができて、よかったです」
195センチでポイントガードをこなすこともできる白谷選手は、今年度のU18男子日本代表候補にも選ばれています。実力的にも中学バスケット界では頭ひとつ抜け出ている白谷選手ですが、彼だけでは勝てなかったと山崎コーチも認めています。白谷選手自身も認めているとおり、彼以外の選手たちが、彼に頼るバスケットをせずに、自立したプレーを見せたからこそ3連覇を達成することができたのです。彼らが笑顔でプレーできていたのは、単に勝っていたからだけではなく、チームでプレーできていたからでしょう。
彼らが次に目指すことができるのはジュニアウインターカップでの連覇です。達成すれば、2年連続の2冠になります。むろん簡単なことではありません。Bユースやクラブチーム、そして全中で負けたチームも彼らに挑んでくるはずです。それどころか三重県の予選もしっかり勝ち抜かなければいけません。全中という山を越えると、また次の山が待っているというわけです。山崎コーチが言います。
「彼らはまだまだです。この3日間がたまたまよかっただけで、本当の力ではありません。冬はBユースやクラブ、中学の強豪チームとまた楽しく渡り合いたいですね」
そうです、今年度の中学バスケットボールシーンはまだまだ終わりません。
「コート上で選手たちが楽しむことが本来のバスケットだ」と四日市メリノール学院中学の山崎コーチは言っていました。2024年度の中学バスケットボールは、新潟全中2024を経て、これからもっともっと楽しい熱を帯びていくのです。