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【新潟全中2024レポート】大会2日目 灼熱の決勝トーナメント開幕。今夏の男女ファイナル4が決定

2024年8月24日

 新潟県長岡市で開催されている「令和6年度全国中学校体育大会 第54回全国中学校バスケットボール大会(以下、新潟全中2024)」は、男女の決勝トーナメント1・2回戦が行われ、今夏のベスト4がそれぞれ決まりました。

 男子は昨年度の優勝校、四日市メリノール学院中学校(東海・三重)や同3位の京都精華学園中学校(近畿・京都)が勝ち上がったものの、同2位の倉敷市立南中学校は2回戦で敗れるなど、毎年同じ顔触れにならない中学バスケットの特徴があります。そんな今大会にひときわ強い思いを持って戦っていたのが新発田市立本丸中学校(開催地・新潟)です。地元開催というだけではなく、16年前の第38回大会も新潟県で行われ、そのときに本丸中学校は全中初優勝を遂げているのです。当時のエースは富樫 勇樹選手(現・千葉ジェッツ)であり、コーチは富樫 英樹氏(現・開志国際高校コーチ)でした。

 中学バスケットも学生スポーツですから、毎年のように選手は入れ替わります。当然ですが、本丸中学校も当時と同じ選手はいませんし、コーチも異なります。16年前という年月を考えると、今の中学3年生もまだ生まれていません。まったくの別チームといってもいいでしょう。それでも赤を基調にしたチームカラーは今も変わりませんし、それどころか、今年の3年生たちは、16年ぶりに開催される新潟全中で「16年前の全中と同じ結果をもう一度」と意気込んで入学してきたと、チームを率いる澁木政義コーチは認めます。

 結果は思い描いたものではありませんでしたが、彼らもこの夏、大きな成長を遂げています。「北信越ブロック大会で惨敗を喫してしまったのですが、そこからまずは気持ちを入れ直しました。バスケット的にも、今年のチームは高さこそあるのですが、力強さがないので、速さとディフェンスを強化してきました。それは予選リーグの(世田谷区立)梅丘中学校戦でも出せて、粘り強く勝つことができてきたなと感じました」澁木コーチはそう言い、彼らとともに目指すジュニアウインターカップ出場についても言及します。

「ジュニアウインターカップはBユースやクラブチームも出場します。彼らは技術的な部分を鍛えられているので、ジュニアウインターカップに向けては、気持ちの面も、戦術や技術の面の両面でもっと上げていかなければいけないと思っています」
2度目となる「地元・新潟開催での全中優勝」はなりませんでしたが、新潟全中2024で得られた教訓は、本丸中学校にとって未来に向けた新たな財産になったはずです。

 男子の本丸中学校のように、過去に全中での優勝を経験のあるチームが、時代に合わせて変化していく一方、伝統を踏襲しつつも、その年のメンバー構成からスタイルを微調整しながら勝ち上がっているチームもあります。女子の北九州市立折尾中学校(九州・福岡)です。折尾中学校は決勝トーナメントの1回戦を40点差で勝利すると、2回戦は粘る相手を5点差で振り切って、準決勝進出を決めました。チームを率いる橋口優子コーチは言います。

「本来、折尾中学校はセンターがエースのチームです。ですが、今年はセンターの線が細く、もちろん彼女ならではの良さはありますが、例年のセンターのように決めきる力強さはありません。その分、今年は全員でつなぐバスケットをしています」
伝統ともいうべきインサイドに起点を置くバスケットではありませんが、2点を着実に積み上げていくメンタリティは、ペイントエリア内の狭くて、攻守が入り混じる空間でも、視野を保ち、冷静かつ正確なパスでノーマークの選手を見つけ、最後は折尾中学校らしく確実に2点を取っていくプレーになっていきます。
「今年度のチームは、昨年度のような強さや気迫こそありませんが、それが彼女たちの持ち味だし、実は大きな波がないんです。内容的に悪くなったときでも、大きな波にならないのが今年のチームなのかなと思います」

 準決勝は京都精華学園中学校(近畿・京都)との対戦になります。昨夏も2回戦で対戦し、そのときは55-84で負けています。しかし昨年負けたからといって、今年も同じ結果になるとは限りません。
「高さでは勝てないと思います。(高さのある)留学生には50点、60点取られるかもしれませんが、周りの子たちをしっかり守って、今年の折尾中学らしく、パスをしっかりつないで戦えば、昨年度よりはおもしろい展開になるんじゃないかと思っています」

 メンバーは違っても、また伝統のバスケットスタイルとはちょっと違っても、今年の色を前面に押し出して、今年の折尾中学校らしく戦っていく。明日の準決勝は、その折尾中学校対京都精華学園中学校だけでなく、男女のどの試合も、今日以上に白熱して、見ている人たちを楽しませるものになりそうです。

 
【配信】
バスケットLIVEにて全試合LIVE配信(見逃し配信あり)
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