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【北部九州インターハイ2024レポート】大会4日目 今夏のベスト4が決定。地元・福岡県勢は男女で3チームが勝ち上がる。

2024年8月7日

「令和6年度 全国高等学校総合体育大会(北部九州総体2024)」は大会4日目。福岡市総合体育館(照葉積水ハウスアリーナ)で男女の準々決勝がおこなわれ、今夏のベスト4が出そろいました。地元・福岡県からは男子の福岡大学附属大濠と福岡第一が、女子は東海大学付属福岡が、それぞれ勝ち上がりました。

準々決勝はどの試合も、たとえ最終スコアでは点差が開いていたとしても、敗れたチームが最後までは食らいつこうとするなど、各校の持ち味が存分に出た、内容の濃いゲームばかりでした。
女子の四日市メリノール学院(三重)は、第2シードの岐阜女子(岐阜)と対戦し、第1クォーターは15-15の同点、第2クォーターが終わった時点でも32-38と6点のビハインドと肉薄していました。後半は突き放されて59-79で敗れ、ベスト4進出はなりませんでしたが、それでも同校初のベスト8を勝ち取っています。

「すごく粘り強くなったなと思います。準々決勝まで勝ち上がるまでにも、すごく粘る、素晴らしいチームと対戦させてもらって、子どもたちの力がそれぞれのチームに触発されて、どんどんプラスに転じたんじゃないかなと思います」
四日市メリノール学院の稲垣愛コーチは、ベスト8までの過程をそう振り返ります。

同中学校は近年、全国でもトップクラスの成績を残しています。しかしすべての中学生が同高校に進学するわけではありません。それでもここ1,2年は「稲垣コーチと一緒にバスケットをしたい」と、同高校に進学する選手も多いそうですが、それもすべてではありません。逆に高校から同じ目標を持とうとする選手も入ってきて、経験値にはばらつきが生まれます。それを稲垣コーチたちがまとめあげ、ゲームではいわゆる「タイムシェア」をしながら、10人前後の選手がコートに立っていくスタイルで戦います。それは今大会でも同じでした。

「最初に下級生を出して、ダメなら上級生を出す。上級生には全幅の信頼を置いているので、その上級生が下級生を本当によくカバーしてくれました」一体感で勝ち取った、自らが掲げて、達成した目標のベスト8進出だったというわけです。
しかしこれで終わりではありません。むしろここから三重県内を含め、全国のライバルたちが四日市メリノール学院を標的にしてくるでしょう。目標達成に気を緩めることなく、もう一度足元を固めて、チャレンジできるか。今後は四日市メリノール学院中学だけでなく、四日市メリノール学院高校の動きにも目が離せません。

福岡第一(福岡)と藤枝明誠(静岡)でおこなわれた男子の準々決勝。オーバータイムにもつれ込んでからも、最後の最後までわからない展開でした。それでも試合中に右目の瞼をカットし、応急処置を施してゲームに戻ってきた福岡第一#35宮本耀選手が、残り4秒でのフリースローをきっちり沈め、76-73で勝利しました。

福岡第一の井手口孝コーチは「内容としてはダメなゲームでした」と振り返ります。序盤から簡単なミスが出てしまい、得点を重ねられなかったことが、最後まで尾を引いたと言います。それでも激戦を勝ち抜いた要因について、こう続けます。
「やはり福岡だからでしょう。最後は負けられないという気持ちがあったのだと思います」

隣のコートで東山(京都)と報徳学園(兵庫)が先にゲームを終えても、ほとんどの観客が席を立つことなく、福岡第一と藤枝明誠のゲームの行方を見守っていました。そして福岡第一の応援団のリードに合わせて、手拍子や拍手などを送っていました。それが最後の最後で福岡第一に大きな力を与えたのでしょう。開催地ならではの利点かもしれません。

明日は、隣のコートで先に勝ち上がりを決めた東山(京都)との対戦になります。東山が誇る攻撃的なツーガード、瀬川琉久選手と佐藤凪選手をいかに抑えるかが、ひとつのカギになります。「瀬川くんと佐藤くんのところを少しでも嫌がらせられるよう、彼ら2人のところを、うちはガードが4人いるので、4人で守れるように頑張ってもらいます」4人だけでも、ロスターの12人だけでも、また応援席にいる部員約100人だけでもなく、明日も地の利を生かせるか。それとも東山がそれさえも吹き飛ばすのか。明日の男子準決勝は今日以上に熱くなりそうです。

■3回戦以降の男女30試合はバスケットLIVEでライブ・見逃し配信予定。
(見逃し視聴期間は2024年12月31日まで。)
・バスケットLIVE 特設サイト
https://basketball.mb.softbank.jp/features/13855
・配信スケジュール
8月6日(火) 3回戦
8月7日(水) 準々決勝
8月8日(木) 準決勝