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【北信越インターハイ現地レポート】女子準決勝:大阪薫英女学院vs岐阜女子、桜花学園vs京都精華学園
2021年8月14日
堀内桜花選手(京都精華学園)
藤澤夢叶選手(岐阜女子)
新潟県新潟市でおこなわれている「令和3年度全国高等学校総合体育大会 女子バスケットボール競技大会」の準決勝は、2試合とも稀に見る大接戦となりました。その死闘を制し、北信越インターハイ2021の決勝戦に勝ち進んだのは大阪薫英女学院(大阪)と桜花学園(愛知)です。
準決勝の第1ゲーム、大阪薫英女学院は第1シードの岐阜女子と対戦し、57-56の1点差で勝利をつかみ取りました。前半を2点ビハインドで折り返した岐阜女子は、第3クォーターに入っても1点差で推移するゲームをなかなか動かすことができていませんでした。しかし中盤に逆転をすると、そこからリードを広げて、5点リードでそのクォーターを終えました。第4クォーターに入っても、少しずつリードを広げていた岐阜女子に対して、大阪薫英女学院も都野七海選手の3ポイントシュート、熊谷のどか選手のバスケットカウント、そして宮城楽子選手のドライブに一気に追い上げます。そして残り50秒、宮城選手のシュートで逆転に成功し、そのまま逃げ切りました。
機動力の高い大阪薫英女学院に対し、岐阜女子も持ち前のディフェンス力と、攻めてはアググア・チカ・チュクウ選手の高さ、藤澤夢叶選手の精度の高いシュートで後半の主導権を握りました。しかし最後の最後で力尽きてしまいました。
「最初に相手に流れを持っていかれて、後半は立て直したんですけど、やはり要所のミスが重なってしまって、こういう結果になってしまったかなと思います」
ポイントガードでもある藤澤選手はゲームをそう振り返ります。その言葉どおり、大阪薫英女学院の9つのターンオーバーに対し、岐阜女子は20個のそれを犯しています。大阪薫英女学院のプレッシャーが厳しかった証拠でもありますが、やはり厳しいゲームを勝ちきるには厳しい結果だったかもしれません。
第2ゲームは63-63の同点で迎えた第4クォーターの残り2.3秒、桜花学園の朝比奈あずさ選手が決勝のバスケットカウントを決め、さらに1本のボーナススローも沈めて66-63で京都精華学園(京都)を振り切りました。しかし京都精華学園の集中力と粘りは、間違いなく桜花学園を苦しめていました。チームに勢いをもたらしていたのは1年生トリオです。ポイントガードの堀内桜花選手と、フォワードの八木悠香選手、センターのディマロ・ジェシカ選手です。ディマロ選手はベンチスタートながら20得点・17リバウンドをあげ、八木選手はチームトップの22得点をあげています。堀内選手は5得点に終わっていますが、7リバウンド・3アシストもマーク。しかも八木選手と堀内選手だけは40分間コートに立ち続けました。
「桜花学園には各学年に、中学時代に負けた相手がいるので、その悔しさをここで晴らそうと思ってプレーしました」
そう語るのは八木選手です。この日のゲームでは彼女のドライブを桜花学園のマークマンがまったくといっていいほど止められませんでした。最初についたのは2年生の森美麗選手で、その森選手に替わって出てきたのが、高取市立取石中学(大阪)出身の前田心咲選手です。
「今の3年生が中学3年生のときの近畿ブロック大会で取石中学に負けて、全中(全国中学校バスケットボール大会)に出られなかったんです。だから余計にも燃えました」
堀内選手もまた、八木選手と同じように、中学時代の悔しさを晴らそうと臨んでいました。彼女をマッチアップしたのは、桜花学園の中でもディフェンス力のあると言われている横山智那美選手です。彼女もまた大阪府出身で、最後の大会となった「第32回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会2019」の、しかも本日と同じ準決勝で対戦しています。
「そのときもマッチアップしていたんですけど、シュートにあまり行っていませんでした。でも今日は誰につかれても、攻めていこうと思っていました。実際にもゲームの序盤は攻められていましたが、終盤の得点が取りたいときに、留学生にボールを集めようと考えすぎて、自分を見失うところもありました。そこはもっと攻められたと思います」
かつて苦しめられた相手にも、時を経て、今度十分に対抗できる手応えも堀内選手は感じたようです。
大接戦を戦い、僅差で敗れながらも、選手たちは課題と手応えを持ち帰ります。3年生の藤澤選手はこれから高校最後の冬に向けて、1年生の八木選手と堀内選手は高校生活初めての冬に向けて、またバスケットに真摯に向き合ってくれるはずです。
しかしその前に、明日は北信越インターハイ2021の決勝戦がおこなれます。大阪薫英女学院は9大会ぶりの、桜花学園は9大会連続のインターハイ決勝戦となります。しかし、意外にもインターハイの決勝戦で両校が対戦するのは初めて。ウインターカップを含めても、決勝戦のカードとしては2度目の対戦となります。大阪薫英女学院が勝てば、1985年の七尾インターハイ以来、2度目の優勝、桜花学園が勝てば3大会連続25回目の優勝。どちらが2021年の夏の女王に輝くのか。明日も激しく、熱いゲームが予想されます。