ニュース

【北信越インターハイ現地レポート】女子2回戦:高知中央 vs 大阪薫英女学院

2021年8月11日

高知中央 #11 福原 (葵)

徹頭徹尾。高知中央は冬に向けた自身との戦いが始まった

 新潟県新潟市で行われている「令和3年度全国高等学校総合体育大会女子バスケットボール競技大会」は大会2日目。本日からシード校が登場し、出場全チームが北信越インターハイのコートを踏んだことになります。昨年度のウインターカップ2020でベスト4に進出し、今年度も四国ブロック大会で優勝するなど、着実に力をつけて第4シードの枠に入った高知中央(高知)でしたが、大阪薫英女学院(大阪)に54-86で敗れてしまいました。

「組み合わせを見たときから初戦から厳しい戦いになることはわかっていました。今年のチームにはまだまだ力がないし、こういう結果になることも予想していました」

 高知中央を率いる吉岡利博コーチはそう語ります。少なからずイニシアチブを取れると考えていたペイントエリア内の攻防で、オケケ・ギフト・ウチェンナ選手が大阪薫英女学院の厳しいディフェンスにうまく対応しきれず、また周りの選手も初戦の緊張からか、積極的にアタックできず、第1クォーターで12点のビハインドを背負ったことが苦しい展開になった要因のひとつでしょう。
「普段の練習ではガードの池口(祐可選手)や福原(葵)がどんどんアタックしていますし、池口なんかは平気でジャンプシュートも打つんですけど、今日は緊張もあったのか、第1クォーターで12点のビハインドを背負ったことで、余計に勝っているところ(ウチェンナ選手)に目が行ったのかもしれません」
 その池口選手や福原選手もまだケガ明けだったと吉岡コーチは明かしますが、「それを言い訳にできる点差ではありません。圧倒的な力の差です」と言い切ります。

 特に差が出たのは「ボールへの執着心と、ゴールへの執着心」だと吉岡コーチは言います。それはキャプテンの福原選手も認めるところで、「ルーズボールや、どっちのボールでもないボールへの意識の弱さ、攻め気、すべてにおいて薫英に負けていた」と振り返っています。「練習で吉岡コーチからルーズボールのことはずっと言われていたのですが、練習でも自分たちは甘くて、それが試合に出てしまいました」
 練習は嘘をつかないということでしょう。

 今年度の大阪薫英女学院のように、いわゆる“ビッグマン”がいなければ、まずはウチェンナ選手の高さを生かそうと考えるものです。ただ相手は経験の豊富なチームでした。自分たちの弱点をしっかりと締めてきます。だからこそ、池口選手のケガもあって、「ギフト(ウチェンナ選手)に頼らずに攻めよう」と意識していた福原選手はチームトップの15得点をあげています。それでもなお、自らのプレーにおいても、出てくるのは反省と冬に向けた課題の言葉ばかり。
「大阪薫英女学院のディナイが厳しく、なかなかボールがもらえませんでした。やはり全国大会になるとディフェンスがキツイと思うので、練習から激しく当たって、改善していきたいと思います」

 北信越インターハイでは自分たちのやりたいバスケットも、自分が思い描いていたプレーもできませんでした。でも、だからこそ、気づいたこともあるはずです。彼女たちのチーム横断幕にはこう書かれています――徹頭徹尾。
 けっして簡単なことではありません。しかし最初から最後まで自分たちのやりたいことを貫けるようになれば、それに近づくことができれば、この夏の悔しさはきっと実のあるものになるはずです。