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【北信越インターハイ現地レポート】男子 2 回戦:開志国際 vs. 尽誠学園
2021年7月27日
シュートを放つ尽誠学園 #24 一村舞人選手
尽誠学園・一色コーチは今季のチームを「全学年のチーム」と評する
新潟県長岡市でおこなわれている「令和 3 年度全国高等学校総合体育大会 男子バスケットボール競技大会」は大会 2 日目。26日の 2 回戦からはシード校も登場し、第 1 シードの洛南 (京都)、昨年度のウインターカップを制した仙台大学附属明成 (宮城)、地元・新潟県代表の帝京長岡 (新潟)、そして東海ブロック大会を制した中部大学第一 (愛知) など、トーナメント表の四つ角に割り振られたチームが順当に勝ち上がりました。
シード枠は得られなかったものの、同夜に試合がおこなわれる「東京2020オリンピック」の男子日本代表選手たちにゆかりのあるチーム同士の対戦もありました。富樫勇樹選手の父、英樹氏がコーチを務める開志国際 (新潟) と、渡邊雄太選手の母校、尽誠学園 (香川) の一戦です。結果は99-53で開志国際が勝利し、3 回戦へと進みました。
「開志国際さんは昨日も第 1 クォーターから対戦相手を圧倒していましたので、今日のゲームプランとしては、前半はゆっくり攻めて、ペースを上げず、いかに前半をいい終わり方にするかでした。しかし、前半からしてはならないターンオーバーや、相手の高さにやられてしまって、想定していたよりも10点以上の多いビハインドで終えてしまいました。後半はペースを上げていこうと思っていましたが、そのペースにもついてこられて、厳しい試合になってしまいました」
そう振り返るのは尽誠学園の色摩拓也コーチです。第 1 クォーターこそ 17-13 の 4 点ビハインドでしたが、第 2 クォーターは「食らいつく練習をしてきた」はずのシュートを決めきれず、10分間でわずか 6 得点。一方の失点は24点。そこでゲームの大きな流れを持っていかれてしまいました。「確実に『2 点を 2 点にする』のが尽誠学園なのですが、今日はそれが決めきれませんでした」。
昨年のウインターカップでベスト 8 入りしたときの主力メンバーだった #24 一村舞人選手も「シュートを決めきることや、リバウンドを取ること、相手がボールを下ろしたところを狙うといった、小さいチームだからこそすべきことがまったくできていませんでした」と言います。
彼は193センチのチーム最高身長の選手でありながら、開志国際戦ではチーム最多の21本の 3 ポイントシュートを放っています。しかし決まったのは 7 本。「相手は僕との間合いを離していたので、もっと確率よく決めなければ勝負になりません」と反省を口にしました。
そんな一村選手について、色摩コーチは「3 ポイントシュートもそうですが、彼には最上級生としての自覚、自分がチームを引っ張るんだという自覚を持ってもらいたい。昨年から試合に出ていますし、そこが変われば、チームもまた変わってくると思います」と期待を込めます。
もちろん、今日の敗戦でまったく収穫がなかったわけではありません。#11 岡田遥希選手 (2 年) や #13 宮崎忍選手、#32 竹田造選手 (いずれも 1 年) ら下級生が、まだまだ粗さは残るものの、尽誠学園らしい豊富な運動量と、チーム内の共通認識の中で意思のあるプレーを随所に見せていました。
「今年は全学年のチームです。そのなかで特に 1 年生の経験が圧倒的に少ないので、経験を積ませれば、また違った全国大会になるかなと思います。これを生かして、冬に向けてというイメージを持ってもらえればと思います」
チーム構成や周りを取り巻く状況などもまったく異なりますが、渡邊雄太選手も同校の 3 年生のとき、インターハイの 2 回戦 (初戦) で敗れています。しかしその悔しさをバネにウインターカップでは決勝戦まで勝ち上がっています。
一村選手がチームを引っ張り、今大会で経験を積んだ下級生が、ゲームの中で起こりうるさまざまな状況に、その都度対応していく尽誠学園のバスケットを体現できれば、冬にはまた相手に脅威を与えられるチームに変わりそうです。