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第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州) 平成27年度男子ユニバーシアード日本代表チーム 残り0.3秒でフィンランドに逆転3Pシュートを決められ、72-73で黒星スタート

2015年7月4日

過去2度のユニバーシアード出場の経験を生かし、チームを引っ張る#43永吉 佑也選手

終盤の追い上げる原動力となった#6馬場 雄大選手

 開幕前から韓国に入り、カナダ、ロシア、韓国の各ユニバーシアード代表チームと練習試合を行いながら強化を進めてきた平成27年度バスケットボール男子ユニバーシアード日本代表チーム。本日7月4日(土)、開幕戦を迎えました。211cmを筆頭に、2m超えの選手を5人擁するフィンランドが相手。しかし大会前にロシアと対戦したことで、「高さに対する違和感はなかった」と話す池内 泰明ヘッドコーチ。インサイドを守れていたのですが、3Pシュートやミドルシュートを確率良く決められ、日本が追う形でゲームは展開していきます。

 ゾーンとプレスディフェンスで執拗にマークし続けたことで、徐々にフィンランドの体力を奪います。第4ピリオド残り5分を切り、#3晴山 ケビン選手(東芝ブレイブサンダース神奈川)のシュートで同点とし、さらに#0藤井 祐眞選手(東芝ブレイブサンダース神奈川)がスティールから速攻を決め、66-64とついに日本がリードを奪いました。その後も#6馬場 雄大選手(筑波大学 2年)が強気のプレイでゴールをねじ込み、守っては#14ベンドラメ 礼生選手(東海大学 4年)が前からプレッシャーをかけ、#43永吉 佑也選手(東芝ブレイブサンダース神奈川)がリバウンドを踏ん張ったことでリードをキープ。残り8.8秒、#6馬場選手の得点で72-70と日本がリードを奪い返し、あとは守るだけ。しかし、非情にも最後にネットを揺らしたのはフィンランド。左45度から放った#13LINDBOM選手の3Pシュートがネットに吸い込まれていき、72-73。ブザービーターかと思われましたが、残り0.3秒が残っていました。逆転を目指す藤井選手がジャンプシュートを試みるも、その前にタイムアップとなり、72-73で惜敗。頭を抱えたり、コートにひざまずきうな垂れる選手たち。

 2点をリードしていた最後の場面に対し、「フリースローを与えても良かったのかもしれません」と悔やむ池内ヘッドコーチ。悔し涙を流し、足早にロッカールームへ引き返す#43永吉選手。先発ポイントガードとしてコートに立った#14ベンドラメ選手は、「追い上げている時は自分たちの方に流れを呼び込んでいたのに、もう一歩点差を縮め切れなかった場面がありました。あそこで我慢をすることができていれば、もう少し良い展開にできたのではないかと思います」と反省点を挙げました。

 3度目のユニバーシアードに臨んだ#43永吉選手は敗れた瞬間、「今までユニバーシアードに関わってきたみんなに悲しい思いをさせてしまったという責任を感じました」と言います。2011年・陸川 章ヘッドコーチ(東海大学)、2013年・長谷川 健志ヘッドコーチ(男子日本代表)と歴代のコーチの顔を思い浮かべた途端、涙が溢れました。日本バスケ界のためにも、誰よりも結果にこだわっていた#43永吉選手。「制裁が解除されて1試合目ということもあり、相手がどこであれベストを尽くし、なんとか勝利して日本に一つ良いニュースを届けたかったんです」。チーム全員が制裁解除のためにご尽力いただいた方々、心配をおかけしたファンの皆様のためにも、吉報を届けたい一心で戦い抜きましたが1点に泣き、残念ながら黒星スタートとなりました。

 しかし、ユニバーシアードは始まったばかりです。「ヨーロッパのチームと対戦してみて、トランジションバスケットという日本のスタイルが通用する部分がかなりあったので、そこは自信につなげていきたいです。今後もどの国が相手であろうと、積極的に自分たちのバスケットを出し、一つでも多く勝ってベスト8以上という目標に向かって頑張っていきます」と#6馬場選手は気持ちを切り替えていました。大きなフィンランド相手に、最大15点差まで開かれたにも関わらず、追いついた自信。それとともに、勝ちきれなかった悔しさを糧に、一つでも多く吉報を届けられるよう勝利に向かって戦っていきます。

 男子ユニバーシアード日本代表チームはチャイニーズ・タイペイ(7月5日)、オーストラリア(7月7日)、リトアニア(7月8日)、フランス(7月9日)と予選ラウンドは続きます。女子ユニバーシアード日本代表は、明日7月5日(日)に初戦を迎え、スウェーデンと対戦。試合経過や速報は大会オフィシャルサイト(英語)でご覧いただけます。男女ともベスト8を第一の目標とし、全力を尽くします。引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします。