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2024年度 JBA公認ジュニアエキスパート養成講習会 開催報告

2025年3月8日

座学講習中の受講生同士のディスカッションの様子

座学講習の様子

 当協会 (JBA) では、2025年 1 月16日〜19日の 4 日間、1 月30日〜2 月 2 日の 4 日間の全 8 日間、味の素ナショナルトレーニングセンター (東京都北区) において、2024年度 JBA 公認ジュニアエキスパート養成講習会を開催しました。

 ジュニアエキスパート養成講習会は、ジュニア期のプレーヤーを指導する指導者を対象として、より高度で専門的な内容を提供することを目的として設計されました。U12、U14、U16といった各年代の育成プログラムを作成し、包括的にディレクション (総指揮・全体管理) するための技術論や発育発達論、マネジメントや法律といった専門的な知識を学ぶ講習会となります。
(詳細はこちら) 。
 ジュニアエキスパートライセンスは、一度取得したあとも更新するためには全日程の受講が必要なライセンスとなっており、今回は、新規受講と更新受講の方を含め、全国各地から28名が受講されました。

 8 日間にわたる集合講習のカリキュラムは各日ごとにテーマが設定されており、①「導入・日本の育成の現在地」、②「U12」、③「U15」、④⑤「U18」、⑥「育成パスウェイ」、⑦「パフォーマンスの土台を作る」、⑧「理念とビジョン」の順序で構成されました。また、事後課題では学びのまとめとして、各受講生が育成カリキュラムを作成することとなっており、8 日間で得た学びを育成カリキュラムに落とし込むことで、学びを深め、定着させていきました。

【参考】
「2024年度カリキュラム」(PDF版) はこちら>>

※2024年度のジュニアエキスパート講習会の受講者募集は終了しております。
※2025年度以降は内容、講師が変更になる場合があります

【受講者のコメント】
○ 小野 元さん (更新受講) / 熊本県 / ONE Basketball Academy
 前回参加した2019年のジュニアエキスパート講習会では、【強い個の育成】をテーマに、U12〜U18 の育成カリキュラムを作成しました。将来必要となる対人スキルや、細かいカラダの使い方を学べたことで、育成世代の選手に、どの段階で、どのような課題が必要となるか、指導方針を整理するための貴重な機会となりました。
 その結果、私が運営するアカデミーで年齢と技術レベルに応じた課題設定ができるようになり、選手とコーチが『今、何ができていて、何ができていないか』を共有しています。複雑なバスケットボールの動きから一つひとつの課題を切り分けたことで、選手たちの主体性が高まり、成長が加速したと実感しています。  
 今回の更新受講では、「バスケットは闘争のスポーツである」という原点に立ち返り、ゲーム局面ごとの攻防における本質的な学びを深めることができました。スペインやオーストラリアの事例から、世界のユース世代の高度なプレー判断やクオリティを支えているのは、『考え方』によるものだと気づき、私たち指導者が定義してきたバスケットの攻防を根本から見つめ直す機会となりました。
 東京オリンピックからパリオリンピックまでの数年間で、世界のバスケットボールは想像以上に進化していました。世界基準に触れ、日本の育成を逆算すると、効率性を備えたカリキュラムに作り直す必要が出てきました。8 日間の講習を終え、たくさんの宿題をもらったと感じています。引き続き、コツコツと探求を重ねていきたいと思います。   

○ 野々瀬 めぐみさん (新規受講) / 徳島県
 私は、普段中学校教員として部活動指導にあたる傍ら、県の育成センターコーチとして、またコーチデベロッパーとして活動をしています。自チームの選手を指導するだけでなく、バスケットボールを通してたくさんの方々と関わらせていただくようになった今、自分自身が常に学び続けておく必要と責任があると思い、ジュニアエキスパート養成講習会の受講を決意しました。
 実際に参加して、本当に多くの学びがありました。これまでの講習会では「どう伝えるか」について多く学んできましたが、この講習会では「何を、なぜ、この時期に伝えるのか」ということを体系的に理解することができました。今の時代、練習方法、指導方法についての情報を得る術はたくさんありますが、ジュニア期の発育発達段階に応じた指導を局面という箱ごとに整理・理解できたことが、大きな収穫でした。
 講習会の仕組み自体の素晴らしさも肌で感じることができました。とにかく情報量が多く、その整理が大変で、理解に時間がかかることもたくさんありました。でもそんなときに他の受講生の方が教えてくださったり、より理解を深めた状態で講義に臨めるようにと勉強会を開催してくださったりしました。新規受講者と更新受講者が共に学ぶという仕組みがあったからこそ、学びを深め合うということが頻繁に起こったと思います。
 また、事後課題のカリキュラム作成について、作成を始めてから気付いたことですが、それこそが一番の振り返りになるということも実感しました。講義の動画を何度も見直したり資料を読み込んだりして、自分なりに解釈しようと必死に勉強しました。事後課題でカリキュラム作成をするという仕組みがあったからこそ、理解を深めることができ、作成したカリキュラムがより実現可能なものになったと思います。
 不安と迷いの中、申し込み期日直前でやっと決断ができて申し込んだジュニアエキスパート養成講習会でしたが、講師の方々や一緒に学んだ受講生の方の話を聞く中で、皆さんの生き方考え方に触れ、とても気持ちが高まりました。自分は人生をかけて何をやり遂げたいのかについて改めて考える機会となりました。ただ、その問いにまだ答えは出ていません。大きなことはできないかもしれませんが、これからも学び続け、周りの人に良い影響を与えられる人間になっていきたいと思います。そして、バスケットボールを通して幸せになれる人を増やしていきたいです。
 8 日間、この貴重な経験に関わってくださったすべての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

(講習会に参加したみなさん)