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2023年度JBA公認B級コーチ養成講習会(第5回・東京会場) 開催報告

2024年3月27日

受講生同士で様々なディスカッションを行った座学講習

コーチング実践ではコーチ役、プレーヤー役に分かれ、4グループで実施

当協会(JBA)では、3月8日(金)~3月12日(火)の5日間、味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)において、2023年度第5回目となるJBA公認B級コーチ養成講習会を開催しました。B級コーチ養成講習会は、年間5回ほど、東京都近郊や地方での開催を行っています。今回は全国各地から39名の方が受講されました。

B級コーチ養成講習会では、「主に育成年代(18歳以下)において専門性の高い指導が出来る人材を養成するとともに、都道府県のリーダーとなる人材を養成すること」を目的として実施しています。特に5日間の集合講習では、コーチングの“How”にフォーカスし、4日にわたるコーチング実践を中心に、いろいろな観点でコーチングについて学んでいきました。

●講習の主な内容
・コーチングスタイルとコーチングアプローチ
・コーチングフィロソフィー
・年代別・習熟度別に応じたコーチング
・コーチングプロセス(セッションの指揮と評価)
・練習計画(コーチングセッション)の作成
・安全管理(リスクマネジメント)
・長期競技者育成計画
・スポーツパフォーマンス向上の取り組み
・インテグリティの向上
・スキル獲得の原理
・レフェリーとのコミュニケーション
・コーチング実践

●受講者のコメント
○小倉 岬さん/兵庫県/県立豊岡高校(U18)  
好きな事が見つからない、やりたい事がわからない子どもが多い中、バスケットボールを好きだと思える子どもに出会える事は素晴らしい事だと改めて感じました。そんな子どもたちのお陰でコーチングすることが出来るからこそ、バスケットボールが嫌いになるコーチングは絶対にしたくないと思いました。今までの私のコーチングは、限られた短い活動時間でも結果を出したいという思いが強く、pushが多くなり、生徒からpullして引き出すことが大事だとわかっていても実践することはほとんどありませんでした。自分たちで考えて、ワクワクして、バスケットボールを楽しめる環境ではなかったと感じています。

今回、講習会の中でインプットした学びを、マイクロコーチングやコーチング実践でアウトプットする中で、私自身が様々な失敗を経験し、「大人の学びには痛みを伴う」ということを身をもって知りました。パニックゾーンにいる私に、その都度沢山のアドバイスをいただき、悩みを共有し関わっていただいた受講生やコーチディベロッパーの方々とのコミュニケーションは本当に有り難く、大きく成長させていただきました。そのお陰で私のこれまでの指導の改めたい部分が明確になり、これからのコーチングにおいて明確なゴール設定をすることができたと思います。そのゴールに向かって、今回の講習会での学びを実践していきたいと思います。

全ての日程を終えた今、バスケットボールが大好きな39名の講習生、コーチディベロッパーの方々、講師の方々と共に過ごし、学ぶことができた5日間は夢の中にいるようで、本当に幸せなものだったと感じています。バスケで日本を元気にすることができるよう、バスケットボールファミリーの一員として夢中になって頑張ります。本当にありがとうございました。

○鶴見 祐大さん/石川県/北陸大学(一般)
まず初めに、今回の研修会開催にご尽力いただいた事務局並びにコーチデベロッパー、講師の皆様、そして”痛み”を伴う学び合いを共にした受講生の皆様、本当に有難うございました。素晴らしい環境を頂けたことに、この場をお借りして御礼申し上げます。

私の”志”は「すべてのひとが愛和をもって、自らの志のもとで真理を究めることができる場を創造し、共に成長しながら、共に世に貢献すること」であります。本研修会のコーチングフィロソフィーの講義において、「なぜコーチをするのか?」「なぜバスケットをするのか?」という問いを頂き、もともと立てていた自身の”志”をコーチという視点からコーチングフィロソフィーとして再認識でき、改めて自身の原点に立ち返ることができました。さらには、仲間と互いのフィロソフィーを共有し合った時間も、私にとっては大変価値ある時間となり、日々の忙しさのなかで、どうしても忘れがちになってしまう”ほんとうに大切なこと”を考えることに、時間を注ぐ機会を与えていただいたことにも感謝しています。本研修会に参加させて頂くにあたって、ひとつ目標を立てて臨みました。「自らの志に沿って、共に成長し貢献し合える場をつくるために、まず自分自身が100%の主体性をもって取り組むということ」、そして、「受講生の立場からより良い研修会をつくること」です。

結果的に、受講生の立場からどれほどより良い研修会づくりに貢献できたかは分かりません。ですが、まず自分自身が100%の主体性をもって研修会に取り組むことは達成できました。常日頃から指導現場において、学生らに伝えている主体性の大切さを、本研修会で身をもって体現できたということをひとつ自信にして、学生らの成長に貢献できるようこれからの指導にあたりたいと思います。

最後に、本研修会のなかで、私が最も好きだったのは、受講生の方との学び合い、特にコーチング実践の準備と振り返りの時間です。互いの実践内容について「あーだこーだ」と言いながら深め合い、実践後に自身のできなさを含めて互いにフィードバックし合った時間が、本当に何よりも楽しくて、「ああ、僕はバスケットが好きなんだ。そしてバスケットが好きな仲間がたくさんいるんだ」と幸せな気持ちになりました。コーチがコーチであることに幸せを感じ、その幸せを選手に与えて循環を生み出すことこそが、プレイヤーズセンタードコーチングの本丸であるということを、本研修会では、深く、学ぶことができたと思っています。今回教わったプレイヤーズセンタードコーチングを実践していくことが、ひいては自身の志の成就に繋がるという確信を得ましたので、今後も”痛み”を伴う大人の学びを得ながら、自分なりのプレイヤーズセンタードコーチングを見い出して前進していきたいと思います。素晴らしい環境をご準備してくださった皆様、そして頂いたご縁に重ねて感謝申し上げます。

※2023年度のJBA公認B級コーチ養成講習会の受講者募集は終了しております。