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2018年度全国バスケットボールコーチクリニック 開催報告

2018年8月10日

アレクサンダー・ジキッチコーチ(右)と通訳の佐々木クリス氏(左)

ジャスミン・レペシャコーチとモデルプレーヤーの大東文化大学の選手

 2018年8月4日(土)~5(日)、巣鴨中学校・高等学校において、「2018年度全国バスケットボールコーチクリニック」を開催し、2日間の参加者は延べ545人と、全国各地から数多くのコーチに参加していただきました。

 今回の講師は、欧州プロクラブやナショナルチームでの豊富な指導経験を持つアレクサンダー・ジキッチコーチ(セルビア)と、ジャスミン・レペシャコーチ(クロアチア)の両名で、各日1時限ずつを担当していただく形で進行し、計4時限のプログラムで実施しました。

『育成年代に必要なコーチングフィロソフィー、技術・戦術の内容及び指導方法』を大きなテーマとする中、ジキッチコーチは「オフェンス戦術向上のためのドリル」と「ピック&ロールオフェンス:2メンゲーム/3メンゲーム」、レペシャコーチは「ポイントガードの育成」と「ビッグマンの育成」を題材にクリニックを実施。ジキッチコーチは、ゲームで想定される状況を抽出した実践的なドリルを提示し、欧州でスタンダードとされるスキルや考え方を紹介。両日とも、全てのドリルを通じて、スペーシング、ドリブル中の視野、オフボールの動き、レシーバーの手の位置、状況に応じたボールの貰い方のスキルに加え、練習に取り組む姿勢や集団としての規律について、求める水準を明確にした上でクリニックを進めていきました。

 ジキッチコーチは「正しく取り組み、習得したことが選手にとって得意なプレーになる。若い選手を指導する際は、選手と共に正しい習慣を作る必要があります」と、細部にこだわる理由を語り、強い信念に基づいた考えであることが分かりました。終了時に「細かな部分の説明が長くなることが多くなって申し訳なかったですが、これが自分のスタイルです」と本人も語るほどで、妥協を許さない姿勢が貫かれました。

 レペシャコーチは、テーマにある両ポジションについて、現代バスケットの中で必要とされる能力を紹介。特に、プレー中の情報処理能力を鍛えることで、『革新的な創造性』を備えた卓越した存在になれると強調。そこに至るまでに必要な考え方やドリルを提示していきました。

 レペシャコーチは、技術習得のプロセスに対する考えを何度も強調し「正しい動作でファンダメンタルを習得し、その上でスピードアップに挑む。そして、制限付きのディフェンスを配置して練習をした上で、1対1などの生きた状況に選手を置く」と語り、ジキッチコーチ同様に細かな部分に目を光らせ、一つひとつのスキルを正しく習得させるべく、指導を繰り返しました。

 ジキッチコーチは「バスケットボールは世界で最も美しいスポーツだと信じている。好機を迎えている日本のバスケットボール界が、コーチの皆様の献身的な努力で発展していくことを祈っています」と語り、レペシャコーチは「コーチ、トレーナー、選手の育成に関わる皆様の知識、情熱、勤勉さを結集し、素晴らしい育成環境を構築していけば世界的に通用するポイントガードやビッグマンが誕生する日も近いはずです」と日本のバスケットボール界に熱いエールを送り、クリニックは終了しました。

 当協会では、これからも日本のバスケットボール指導者の資質と指導力の向上につながる、指導者養成事業を展開していきたいと考えております。今後とも皆様のご理解・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

 
【日程】
◎8月4日(土)
12:20~12:50 受付
12:50~13:00 オープニング
13:00~15:00 Drills to improve your offense execution
         (オフェンス戦術向上のためのドリル) / 講師:アレクサンダー・ジキッチコーチ
15:30~17:30 PG technical and tactical development
         (ポイントガードの育成) / 講師:ジャスミン・レペシャコーチ

◎8月5日(日)
8:30~ 9:00 受付
9:00~10:45 Pick & roll offense: 2 man game/3 man game
         (ピック&ロールオフェンス:2メンゲーム/3メンゲーム) / 講師:アレクサンダー・ジキッチコーチ
11:15~13:00 Big man technical and tactical development
         (ビックマンの育成) / 講師:ジャスミン・レペシャコーチ