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2024年度JBA公認B級コーチ養成講習会(第3回・熊本会場) 開催報告

2024年10月10日

座学講習では様々なグループワークを実施

コーチング実践のあとには毎回コーチデベロッパーとともに振り返り

当協会(JBA)では、9月20日(金)~9月24日(火)の5日間、ecowin宇土アリーナ(熊本県宇土市)において、2024年度第3回目となるJBA公認B級コーチ養成講習会を開催しました。B級コーチ養成講習会は、年間5回、東京都近郊や地方での開催を行っています。今回は全国各地から39名の方が受講されました。

B級コーチ養成講習会では、「主に育成年代(18歳以下)において専門性の高い指導が出来る人材を養成するとともに、都道府県のリーダーとなる人材を養成すること」を目的として実施しています。5日間にわたる集合講習では、コーチングの“How”にフォーカスし、座学でコーチングの様々なスキルを学び、午後のコーチング実践でトライし、振り返ることで学びを深めていきました。

●講習の主な内容
・コーチングスタイルとコーチングアプローチ
・コーチングフィロソフィー
・コーチングプロセス
・スキル獲得の原理
・年代・習熟度に応じたコーチング
・練習計画の作成
・長期競技者育成計画
・スポーツパフォーマンス向上の取り組み
・インテグリティの向上
・安全管理(リスクマネジメント)
・レフェリーとのコミュニケーション
・コーチング実践

●受講者のコメント
○田中佐和子さん/長崎県/長崎西高校
今回の講習会は私にとって「一旦歩みを止めて、原点に立ち返る」ことができた貴重な時間となりました。

最近の私は、目の前の試合で結果を出すことだけにフォーカスしていました。心の中では「このままではマズイな」と思いながらも、歩みと止めることが怖くなっていました。藁にもすがる思いで参加させていただきました。

受講前に子供達に「みんなの目標達成にふさわしいコーチングができるよう、しっかり学んでくる」ことを宣言していたので、その場しのぎをするわけにはいきません。覚悟を決めて全力で挑みました。確かに大人の学びには痛みを伴いました。しかし、その痛みのおかげで頭の中をしっかり整理することができました。

講習が終わり、まず頭に浮かんだのは開催にあたってご支援いただいた方々への「感謝」です。心がプラスのエネルギーで満たされました。次に帰りの道中で気付いたのは、この講習会そのものが「プレーヤーズセンタード・コーチング」の場であったことです。考え抜かれたプログラムや環境整備などから準備力の大切さを学び、そのおかげで素晴らしい体験をすることができました。

この充実感とプラスのエネルギーをそのままチームに還元したいと強く感じました。早速、今回の学びをチームと共有し実践しました。とは言っても、テスト期間中でチーム練習ができない状況だったので、限られた時間でしたが選手一人一人と対話しました。すると自主練習の期間にも関わらず、質問が増え自主練習の質にも明らかな変化が見えました。明日からのチーム練習が再開がとても楽しみです。

これから先も様々な課題に直面することになりますが、チーム一丸で魅力あるチームづくりに取り組むとともに、微力ですが長崎の地からも「バスケで日本を元気に!」を発信していきたいと思います。

○播磨正浩さん/静岡県/PLAYFUL Basketball Academy、ベルテックス静岡スクールコーチ、静岡サレジオ高校
私は、幼稚園から高校生までの選手を指導する中で、「楽しさ」をキーワードにした指導にチャレンジしています。しかし、スタッフとミーティングでは、その方法が本当に良いのか、その理想に近づいているのかという疑問を抱いていました。その際、B級コーチの一般公募が始まり、JBAが求める指導方法や他地域の指導者の取り組みを学ぶ良い機会だと思い、受講を申し込みました。

講習会の目的は、「『プレーヤーズセンタード・コーチング』を理解し、それを実践できるようになること」でした。初日の指導フレームの学びを経て、毎日行われるマイクロコーチング(3~5分)やコーチング実践(5分)の場が設けられており、コーチデベロッパーからのフィードバックがとても価値あるものでした。同時に、共に学ぶ仲間からのフィードバックは、指導に対する視座が高くなりました。以前のコーチングは、一度の練習には複数のゴールがあったり、振り返りの時間が取れなかったりしましたが、受講後は、より具体的なゴール設定を意識するようになり、振り返りまでのプランを計画するようになりました。明確な目標に向けて活動をデザインする重要性を改めて学ぶ機会となりました。

また、「楽しさ」という概念についても新たな気づきがありました。様々な経験を持ち、様々な地域から参加されたコーチ方に出会うことができました。その方々と話を重ねていくと、選手には「やってみたい」という「楽しさ」から、夢中になって「努力を積み重ね」てより高みを目指すという「楽しさ」も素晴らしいものだと感じました。

そして、講習会の最後に語られた「貢献」という言葉には特に刺激を受けました。一般公募で参加した私が、この学びを静岡にどのようにして還元できるかを考えるきっかけとなりました。これからは、一人でも多くのコーチや保護者が「プレーヤーズセンタード・コーチング」を学び、選手たちが主体的にバスケットボールに取り組める環境を作ることを目指していきたいと思います。

5日間という短い時間でしたが、関わってくださった皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

※2024年度のJBA公認B級コーチ養成講習会の受講者募集は終了しております