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男子U16日本代表:第1次強化合宿レポート「良い雰囲気を出して、良い練習をしていけるようにしていきたい」ランドリガン平良選手

2023年8月5日

中村颯斗選手はポイントガードに挑戦

男子日本代表の練習に刺激を受けて積極的にコミュニケーションを取るランドリガン平良選手

 2度のエントリーキャンプを経た男子U16日本代表は、9月14日よりカタール・ドーハにて開催予定の「FIBA U16アジア選手権大会2023」へ向けた第1次強化合宿を実施。はじめてジョーダンブランドの日本代表ウェアに袖を通した14人の候補選手たちは、8月1日(火)〜4日(金)に味の素ナショナルスポーツセンターでの練習に励みました。

 準優勝した前回大会(2022年)は川島悠翔選手(NBAグローバルアカデミー)と渡辺伶音選手(福岡大学附属大濠高校)の2m台をはじめ、195cm以上の選手が4人。しかし、今年の男子U16日本代表は清水祥敬選手(中部大学第一高校)とベネディクト研一郎選手(Iona Prep School)の193cmが最長身です。アレハンドロ・マルチネスヘッドコーチは「サイズがない分、ディフェンスとディフェンスリバウンドに対して高い意識を持つことがこのチームのベースとなります」と強化を進めます。

 はじめて国際大会へ挑戦する選手たちに対し、FIBA U16アジア選手権へ出場するチームの映像を見せました。組み合わせなど詳細はまだ決まっていませんが、マルチネスヘッドコーチは「出場チームがどんなサイズ感や激しさでプレーするかを知ってもらうためであり、少しでも情報を与えることで選手たちもイメージができ、大会に備えることができます」というのが目的です。

 14人に絞られたことで、「今は2チームでの練習となり、その分、待つ時間が減って多くのことが吸収できています。これまでよりもコーチの目指すバスケを理解することができ、より良いプレーができていると思います」と感想を述べたのは、ランドリガン平良選手(福岡第一高校)です。インターハイ3位となった福岡第一高校ですが、ランドリガン選手はそのコートに立つことはできませんでした。しかし、同じ場所にいたことで「他校の1年生が活躍している姿を見て、自分も負けていられないなと思いました」と刺激をもらい、12人の最終メンバー入りへ向けて意欲を見せます。

 インターハイを終えた後、合宿開始日よりも1日早く合流したランドリガン選手は、幸運にもニュージーランドとの強化試合へ向かう男子日本代表の練習を見学する機会がありました。「練習の雰囲気がすごく良くて、仲が良いなと思いました。このチームも仲は良いので同じように練習中から良い雰囲気を出して、良い練習をしていけるようにしていきたいです」と学ぶことは多くあり、率先してコミュニケーションを取りながらトップチームに近づけていました。

 候補選手14人中5人が、飛び級で選考された中学生です。昨年のU14ナショナル育成センターにおいて、マルチネスヘッドコーチがすでに指導した選手も多くいます。その一人である中村颯斗選手(四日市メリノール学院中学校)は、「まわりは先輩ばかりであり、同じポジションの選手と競い合っていく中で、いつものプレーでは通用しないと思っています」とその差を理解し、よりアグレッシブなプレーを心がけています。

 所属チームではフォワードの中村選手ですが、男子U16日本代表ではポイントガードに挑戦。「もっと状況判断を早くしなければいけないです。ポジションは違いますが、所属チームと日本代表で求められるプレーは似ています。チームメイトも2人(本田蕗以選手、白谷柱誠ジャック選手)いるので、合わせやすいところを強みにしていきたいです」と前向きに取り組み、合宿を通じて成長も見られています。

 インターハイは終わりましたが、中学生にとっての全国大会はこれからです(8/21〜24:第53回全国中学校バスケットボール大会:香川県)「この合宿で攻守の切り替えを早くすることやボールシェアをしてチームプレーをすること、状況判断を早くすることなど学びました。それを生かして、まずは全国への切符を勝ち獲り、全中連覇をできるようにがんばります」と目標へ向かいます。

 合宿を終え、マルチネスヘッドコーチは「しっかりと私が求める動きを覚え始め、普段は同じチームではない選手たちが、この合宿中にお互いのプレースタイルや特徴を理解しはじめたことで、日に日に成長が見られました」と充実した4日間を終えました。