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女子U16日本代表:第2次強化合宿レポート「しっかりと止まって空いている味方を探してプレーできるように」権藤乃愛選手

2023年5月11日

積極的にドライブを仕掛けてゴールを狙う権藤乃愛選手

ポジションアップに挑む猿木心和選手

 2023年度女子U16日本代表チームは5月8日(月)〜10日(水)の期間、第2次強化合宿を実施。今年7月に開催予定の「FIBA U16女子アジア選手権」(ヨルダン・アンマン)へ向けた強化とともに、選手選考を行いました。

 エントリーキャンプから数えて3回目の合宿となる今回は、明星学園高校に胸をお借りし、これまでの練習の成果を試します。練習試合を行うまでは、「このチームはビッグマン不足なので心配な部分がありました」という藪内夏美ヘッドコーチ。大会へ向けて準備してきた戦術やディフェンスを試しながら、身長差の弱点を補うために「機動力を武器とし、そのための攻撃パターンをいくつか準備しました。しかし本番では簡単にそれが壊されたり、うまくいかない時間帯の方が多いと思っています。そこで、あえてうまくいかないときにこそ何をするかを準備し、そこを武器にしました」と逆転の発想で、大きな相手を攻略する糸口を見出します。

 選手自身の状況判断や、エントリーキャンプ時に行ったオフボールの動きが大会では生かされます。「プレーするためのキーワードをいくつか選手に持たせておきます。それによって自分の考えで選択しているようで、実はそのキーワードに上手に誘導されてプレーできるようにします」と藪内ヘッドコーチは話し、明るい兆しが見えています。

 積極的にドライブを仕掛け、オフェンスの起点となっていた権藤乃愛選手(聖カタリナ学園高校2年)。日本を代表する同世代の選手が集まる合宿では、「ブロックされることも多くありました。国際大会はもっと大きな選手が相手になるので、しっかりと止まって空いている味方を探してプレーできるようにしたいです」という課題に取り組みます。一方で、選手同士でコミュニケーションを取り、徐々にチームワークも良くなっています。「オンボールでピックを使うときにまわりの選手が再度スクリーンをかけてくれますし、ドライブに行った後にしっかり合わせてくれました」と権藤選手が話すとおり、仲間の特徴を生かすプレーが増えはじめています。

 所属チームでは4〜5番ポジションがメインとなる174cmの猿木心和選手(福岡大学附属若葉高校1年)。しかし、女子U16日本代表では3番や2番へポジションアップし、「求められる判断が違います」とチャレンジ中です。はじめて臨む国際大会を意識し、「高さはミスマッチになりますが、スピードでは相手よりもアドバンテージを持ってプレーできると思います。自分たちの得意なところを生かし、不利なところは一人ひとりが身体を張ってみんなで守り切れるようにしたいです」とイメージできつつあります。

 所属チームとは異なる役割になるのが国際大会であり、どのカテゴリーの日本代表でも求められます。藪内ヘッドコーチは、「いつも通りを疑う」ことをアンダーカテゴリーでは伝えてきました。今合宿を終え、「意識は変わってきていると思います。特に170cm台の選手たちは所属チームではビッグマンですが、このチームではアウトサイドのプレーを積極的にしなければ日本の強みも出せません。自分に与えられたポジションと役割、そして何をすべきかが少しずつ分かってきました」と順調に強化を進めています。

 次回合宿は大会直前を予定しており、1ヶ月以上空くことになります。合宿の最後には、あらためて国際大会で対戦する相手の特徴を強調し、「暇さえあればチームメイトと身体を当てる練習をすること。考えるよりも身体をぶつかって、その当たりに慣れるように」と藪内ヘッドコーチは宿題を与えました。権藤選手も「コンタクトの重要性を学んだので、自チームに戻ってからも意識していくことが大切です」と理解しており、これからはじまるインターハイ予選など国内の試合でも必要な要素です。