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FIBA 3×3 アジアカップ2023[決勝トーナメント]女子代表は惜しくも準々決勝で敗れ、最終5位で大会を終える

2023年4月3日

終盤の追い上げもあと一歩及ばず、タイに敗れた3x3女子日本代表は5位

果敢にゴールへアタックし、大会2位の平均6.7点を挙げた江村優有選手

 4月2日、「FIBA 3×3 アジアカップ2023」が最終日を迎えました。予選ラウンドを2連勝で突破した3×3女子日本代表チームは、決勝トーナメント初戦となる準々決勝・タイ戦に臨み、惜しくも16-17で敗れました。劣勢を覆すべく、終盤追い上げましたが、あと一歩及ばず、総合5位で今大会を終えました。

 チームはこの一戦に向けて休養日となった4月1日にディフェンスでリズムを作り、オフェンスへつなげる戦い方を確認。特にディフェンスは「タイのピック&ロールはスリップが多めなので、私たちはノースイッチでしっかりついていき(スクリーンに)引っかかったらスイッチ」という動きを共有していたと、♯20 山口奈々花選手 (アイシン ウィングス)は明かします。

 しかし、試合では序盤からタイに2ポイントシュートやドライブを決められ、ターンオーバーから失点も許しました。山口選手は「スクリーンをちゃんとかけて2ポイントを狙ってきました。試合の中で自分たちもアジャストして、ディフェンスを変えるなど、2ポイントを打たせしないように修正をしないといけなかった」と悔みます。

 それでも、♯1 江村優有選手(早稲田大学 新3年)が日本として今大会初の2ポイントシュートを決めて、5-7と迫り1度目のTVタイムアウトへ。中盤以降も追いかける展開が続き、残り2分13秒で10-16とされましたが、諦めない選手たちはここから反撃に転じました。

 江村選手のバスケットカウントで悪い流れを断ち切り、山口選手が自身今大会の初得点を2ポイントシュートで決め、♯17 三田七南選手 (ENEOSサンフラワーズ)も続き、15-16の1点差に。相手に1点を返されるも、♯24 近藤京選手(アイシン ウィングス)の得点で、残り56秒で16-17まで詰め寄ります。

 しかし、タイのディフェンスに阻まれて、タイムアップ。選手たちは終盤、タイムアウトが残っていることを分かっていましたが、三田選手は「(江村)優有は取ろうと言ってくれたんですけど、まわりのみんながちょっと焦っていました。(3×3の)経験が少し足りなかったです」と振り返りました。

 ただ、チームとして経験が足りず、タイムアウトを取るまでに至らなかったものの、江村選手がタイムアウトを提案できた背景には、やはり経験があったのも確かです。江村選手はその意図を、こう語りました。

「ディフェンスとオフェンスの確認や修正をしたり、こんな暑い中でやるとラスト1分半、疲れも出る時間帯だと思ったりしたので、コミュニケーションを取るために(タイムアウトを)『取る?』と言いました。ただ、そこは提案ではなく、もう取った方が良かったので、反省です。モンゴル(=FIBA 3×3ネーションズリーグ アジア U21)で一緒にやっていた2人(山口選手、三田選手)もいますが、4人の中で自分は他の大会にも出て、3×3経験を積む機会がありました。率先してチームを引っ張っていかなければいけなかったと思います」

 粘り強いディフェンスを武器に勝ち切った予選ラウンド。3×3の経験の差で、あと少しのところで勝利に及ばなかった決勝トーナメント。3×3女子代表は収穫と課題の両方を持って、大会を終えました。3×3男子日本代表も悔しい結果になりましたが、手ごたえをつかめた展開がありました。今後の代表戦は、5月30日から「FIBA 3×3ワールドカップ」が控えており、その後も「FIBA 3×3 ネーションズリーグ」「FIBA 3×3 U23 ワールドカップ」などが予定されています。

 今大会の男女8名のうち、7名が3×3カテゴリーで初の日本代表選出でした。シンガポールでの経験を糧に成長を遂げ、再び代表選考を勝ち抜くことで、世界と戦う機会がやってきます。その一人、3×3の全カテゴリーを通じて、初代表の近藤選手は「私は喋るのが苦手ですが、3×3では4人がずっと同じチームでやっているわけではないので、喋らないと分からないことが多いです。(今後の代表チームは)違うメンバーになる可能性が高いので、コミュニケーション能力を高めていきたい」と、話しました。

 また、3×3日本代表につながる国内シーンに目を向けると、4月8日より当協会が主催するツアー大会「3×3 JAPAN TOUR 2023」のEXTREMEカテゴリーが開幕します。今回、♯24 仲西佑起選手(NINJA AIRS.EXE)が初選出されたように、その活躍次第では、誰にでもチャンスが巡ってくる可能性があります。仲西選手は、代表活動を通じて「自分の中に落とし込まれた知識や経験が一杯あるのでNINJA AIRSで共有したい」と明かし、「コーチの中祖(嘉人)さん、落合(知也)さん、改田(拓哉)君、小澤(崚)君に教えてもらったことを自分の中でブラッシュアップしていきたい」と、レベルアップを誓いました。

 3×3日本代表をきっかけに、今シーズンの3×3シーンで奮闘する様々な選手たちに是非ご注目ください。

■大会最終結果
<男子>

優勝 モンゴル
2位 オーストラリア
3位 ニュージーランド
12位 日本

<女子>
優勝 オーストラリア
2位 ニュージーランド
3位 中国
5位 日本