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平成23年度男子日本代表チーム 第13次強化合宿(ベネズエラ/メキシコ遠征) 第3戦 vsメキシコ代表

2011年8月5日

◇8月3日(水) 20:00~ 第3戦 vsメキシコ代表

 日本 ○ 92-78 ● メキシコ
 (18-21,26-15,23-20,25-22)

 ベネゼエラ代表と2連戦を行い、第3戦はFIBAランク26位のメキシコと対戦。鳩が館内を飛び交うような衛生的とはいえず、さらに外は日中40度を超えるような空調がほぼないなかで、試合開始時間などもギリギリまで変更と悪条件での試合となりました。

 試合前、ウィスマンヘッドコーチは、「こうした環境の中でどうやって自分たちの力を出せるか。またどうやってチーム一丸となって戦うか。相手ではなく、自分たちのやりたいバスケットを貫いてみよう!」という話をして、試合に挑みました。

 第1ピリオド、日本のスタートは#8柏木、#7石崎、#11網野、#15竹内(譲)、#10竹内(公)。開始早々、日本は滑る床やボールのためか、ターンオーバーを連発。4連続ターンオーバーで一気にリードを奪われる。またディフェンスでもプレッシャーをかけられず、相手にインサイド、アウトサイドともに高確率でシュートを決められる。メキシコはシンプルなプレイが多く、派手さはないもののシュートの確率が高く、堅実なチームスタイルで得点を重ねていく。一方、日本は#8柏木の3Pシュートや#15竹内(譲)のドライブで点差を詰めていくが、流れは変わらず。18-21の3点ビハインドで終了。

 第2ピリオド、日本はオフェンスでボールが動き始め、流れを掴むと、ドライブからのキックアウトや早いパス回しで相手を翻弄し、アウトサイドにシュートチャンスが生む。すると、第2ピリオドから投入された#17永山が大爆発。このピリオドだけで5本の3Pシュート、18得点という活躍でチームに勢いをもたらす。すると日本は、ディフェンスにも勢いがつき、本来の持ち味であるプレッシャーディフェンスも機能しはじめる。44-36、日本が8点リードし前半を折り返す。

 第3ピリオド、#17永山の勢いが止まらず、日本はアウトサイド中心に得点を重ねる。そのまま一進一退の攻防が続き、終盤には#7石崎の3Pシュート、また24秒オーバータイムギリギリのブザービーターなどで得点し、チームを活気づける。一方、ディフェンスではインサイドのプレイヤーのBenitezを止められず、このピリオドだけで12点を許す。67-56、日本がリードを保ち、最終ピリオドへ。

 第4ピリオド、#19太田がオフェンス、ディフェンスともにハッスルし、好プレイを見せる。すると、チーム全体も、ディフェンスでは身体を張ったプレイで簡単に相手にプレイをさせず、逆にオフェンスでは何度もオフェンスリバウンドに絡み、得点チャンスを増やす。その後もチームディフェンスが機能し、相手のミスから速攻で点を取るという日本の目指すスタイルで流れを掴むと、次々に相手のターンオーバーを誘い、イージーバスケットを決め、ハーフコートオフェンスでもしっかりとボールを動かし、ノーマークをつくっていく。さらには、落ちてもリバウンドを奪い、リードを保つ。序盤こそ、相手の深い位置からの3Pシュートに悩まされたが、終盤はしっかりと修正し、簡単にシュートを打たせない。最後には#5青野のダンクも飛び出し、試合終了。92-78と14点差をつけ、今遠征初白星を挙げた。

試合後、3Pシュート7本を含む23得点でチームの勝利に貢献した#17永山選手、特に第3ピリオドでチームを牽引し活躍を見せた#7石崎選手、第4ピリオドだけで10得点と活躍した#19太田選手に試合の感想を聞いた。

■#17 永山誠選手
「チームとして試合の入りが悪い中でも、自分たちで立て直し、自分たちのスタイルを出せて勝てたことは自信に繋がったと思います。
 自分は第2ピリオドからの出場でしたが、第1ピリオドの終盤から流れが良くなってきていたので、積極的にプレイする中でも流れを壊さないことを意識して試合に入りました。自分が出た時間帯はチームで本当に良くボールを動かせていたので、気持ちよくシュートを打つ事が出来ました。我々の持ち味であるディフェンスをしっかりやって、ビッグマンがリバウンドを頑張ってくれたおかげで、速い展開の中でも3Pシュートをノーマークで打てたことも自分にとってはすごくやりやすかったです。
 全員がわかっていることだと思いますが、チームとしてここ3試合とも出だしが良くありません。試合の開始時間もわからない、コートも日本とは違ってコンディションが良くない、そんな中で出だしから主導権を握れるようになれば、どこに行っても本来の力を出せる本当の意味で強いチームになれると思います。
 今日の試合の終盤に出た日本らしいディフェンスからのブレイクを、次の試合では出だしから出せるようにしたいです。このチームはまだまだ伸びる可能性があると思います。ベネズエラ戦で自分たちの悪いところが全て出て、課題をはっきりと認識出来たと思っています。その課題を少しでも克服出来るように、次の最終戦も集中して取り組みたいです」

■#7 石崎巧選手
「タフなコンディションの中で最初は自分達のペースが掴めずにいました。徐々にチームとして粘り強く我慢して、本来の持ち味であるディフェンスからの速攻が特に後半たくさん出す事が出来ました。自分達のスタイルで結果を残せたことは良かったです。試合は全体的に我慢を強いられる展開で、2番で出てたこともあり、積極的にシュートを狙っていた。その中で得点が出来、チームの勝利に貢献出来た部分に関しては満足しています。個人的には以前に比べて外国人の手の長さやフィジカルの部分には戸惑いを感じなくなって来ました。ただ、一つ一つのプレイの精度やフィジカル面ももっともっとクオリティを上げていかないと上を目指せないと感じています。そういった面では今回の遠征で手応えと課題をみつけられている気がします。チームとしてもここまでフィジカルの強化などや激しいディフェンスから速い展開に持ち込むことなどを目指して来ていますが、そういった方向性も間違いない、と思います。あとは1つ1つのプレイをもっと突き詰めて向上していきたいです。」

■#19 太田敦也選手
「相手のビッグマンとのインサイドでの攻防とリバウンド、そういった自分の仕事をやることだけを考えて試合に入りました。良い流れの中で入れたので、点数も取れて、ディフェンスやリバウンドなど、自分の仕事をしっかりできたと思います。
 チームディフェンスが良く、そこから速い攻めに繋がったのは良かったですし、そういう良いディフェンスをした時はハーフコートのオフェンスもしっかり出来るので、そういった面ではハーフコートオフェンスにもしっかり繋がるような、良いディフェンスが出来ていたのではないかと思います。
 また、相手のセンターは身体の当たりが強く、コンタクトを好んでしてくる選手でした。正直、力はかなり強かったです。それでも、足を使って回り込んだりすることも出来ますし、フィジカルのコンタクトでもそこまで圧倒的ではないように思えたので、止められない相手ではないと感じていました。
 bjリーグからは自分と石崎選手しか選ばれていません。こうしてチャンスをもらえ、海外遠征やジョーンズカップに選んでもらった恩に報いるためにも、コーチのやりたいことをしっかり試合で表現したいと強く思っています。残り1試合、しっかり頑張ります!」