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【FIBA 3×3 アジアカップ2024】3×3 男女日本代表がともに準々決勝で惜敗。女子 5 位、男子は 7 位で大会を終える
2024年4月1日
7 位で大会を終えた 3x3 男子日本代表 (写真は #23保岡 ©FIBA)
ベスト4に1点及ばなかった3x3女子日本代表(写真は#栗林 ©FIBA)
3×3 男女日本代表が 3 月31日 (日)、「FIBA 3×3 アジアカップ2024」(以下、3×3 アジアカップ) の決勝トーナメントに挑みました。本戦の予選 Pool を 1 位で突破した女子代表は準々決勝でニュージーランドと対戦。一時リードを奪いましたが逆転を許し、14-15 で惜敗。男子代表は予選 Pool を 2 位通過してイランと戦いましたが、延長戦の末に 12-14 で敗れました。
■男子は悔しい敗戦も、五輪予選へ収穫
準々決勝の模様を振り返ると、男女とも勝利まであと一歩だっただけに悔しさが募ります。男子はイランに対してディフェンスを武器に粘り強く戦い、オフェンスでは 2 ポイントシュートこそヒットしない展開でも #6 トーマス・ケネディ選手 (茨城ロボッツ) がミスマッチを突いて 1 点を重ねてリードを奪います。中盤以降に入って反撃を許しますが、#91 落合知也選手 (ALPHAS.EXE) や、#2 斉藤諒馬選手 (横河電機 / UTSUNOMIYA BREX.EXE) が得点し、ロースコアゲームの展開ながら残り 1 分を切って #23 保岡龍斗選手 (秋田ノーザンハピネッツ / ALPHAS.EXE) の外角が決まって 12-10 とします。
しかし、終了間際に同点となる 2 ポイントシュートを被弾。12-12 の延長戦ではイランのボールから始まり、タイトなディフェンスを仕掛けますが、相手がバランスを崩しながら放った 2 ポイントシュートがネットに吸い込まれました。
この結果により、男子代表は 7 位でアジアカップを終えます。結果は目指していたものではありませんが、5 月に控えるパリオリンピック予選となる UOQT2 (5 月 3 日~5 日) や OQT (5 月16日~19日) に向けて、このシンガポールでの経験を活かさなければなりません。ケネディ選手は 3 月26日からの代表活動の収穫を明かします。
「コミュニケーションがすごく良くなったと思います。試合を通してしかチームメイトを深く知ることができません。チームメイトのこういうふうにしてほしい、ああいうふうにしてほしいという表情、ボディランゲージなど、細かい部分を知ることができました」
また斉藤選手は初の代表戦を終えて、さらなる成長を誓いました。彼にとって UOQT2 は所属先の UTSUNOMIYA BREX.EXE のホームタウンで行われる大会。出場選手の決定はまだ先の話ですが、斉藤選手が伸びた分、男子代表のレベルアップにもつながるでしょう。
「僕もハンドラーとして成長できれば、もう少しスムーズなオフェンスができると思います。保岡さんが休める時間も作れると思うし、イラン戦でも落合さんとのピック&ロールで良い場面があったので増やしていきたい。またスクリーナーとして精度も上げて、ハンドラーと両方ができれば、自分のプレースタイルの幅が広がって、代表に貢献できると思います」
■今後の代表に意欲…「一番仕上がっている」 (栗林)
一方で、女子代表もベスト 4 まであと少しでした。ニュージーランドに対して立ち上がり先行しますが、体格に勝る相手にゴール下で押し込まれ、長距離砲も与えて逆転を許します。残り 2 分を切って劣勢の展開から #13 金田愛奈選手 (シャンソン化粧品 シャンソン V マジック) や #12 古木梨子選手 (東京医療保健大学 / トヨタ自動車 アンテロープス) が点差を詰めますが、あと 1 点が遠く、タイムアップを迎えました。
それでも今大会の女子代表は、#9 千葉歩選手 (東京羽田ヴィッキーズ) や #77 栗林未和選手 (東京羽田ヴィッキーズ) を含めて 4 人が集まって約 1 週間での本番という限られた中で、まとまりのあるチームになりました。もう少し時間があれば、さらに良いチームになる予感さえ感じられます。
2019年以来の代表入りとなった栗林選手も「1 週間でここまで仕上がって、自分たちも自信を持ったと思います」とコメント。そんな中で「最後に勝ち切る力がなかったのは、一人ひとりがそれぞれ思うところがあると思います」と話しつつ、「次につなげていきたい」と前を向きました。
また、初代表ながらハンドラーとして活躍した古木選手も、今代表を振り返る上で欠かせません。ただ本人曰く、自分の活躍にはチームメイトの助けがあってこそだと実感しています。「ほかの 3 人がいたから自分のパスやアタックが活きたと思っています。スクリーンをかけてくれる人、パスを出してシュートを決めてくれる人がいるから、自分が光っていたと思います」と話しました。
また古木選手は 4 人の中で最年少。その目線でまとまりのあるチームができた理由も教えてくれました。「プレー以外に私生活でコミュニケーションもお互いすごく取れていました。自分からしたら皆さんがお姉さんなので、可愛がってくれて(笑)。そういう話しやすい雰囲気だったのも、良いチームになった理由だと思います」
そんな 2 人にとって今大会は大きなきっかけになりそうです。久しぶりに代表へ招集された栗林選手は 5 月のオリンピック予選に向けた代表活動へ意欲を見せます。「いま自分のキャリアの中で一番仕上がっている状態だと思います。この状態を評価してもらえるように、自分ができる最善を尽くして食らいついていきたい」と話しました。
古木選手も「今回できたこと、できなかったことがあると思うので、この経験を活かして自分も代表に入って、日本のために頑張りたいという気持ちになりました。3×3 にもより興味を持ったので、これから頑張っていきたい」と声を弾ませました。
悔しい結果に終わりましたが、パリオリンピック予選はあと 1 ヶ月と少しでやってきます。3×3 男女日本代表はシンガポールで味わった苦渋を忘れずに、再び始動する予定です。東京オリンピックに続く檜舞台へ立てるよう、選手たちの奮起に期待しましょう。
*本文中の所属表記は2024年 3 月31日現在
【今後の予定】
■ UOQT2
大会名称:FIBA 3×3 Universality Olympic Qualifying Tournament 2
(FIBA 3×3 バスケットボール ユニバーサリティオリンピック予選2)
日時:2024年 5 月 3 日 (金・祝) ~5 月 5 日 (日)
場所:ライトキューブ宇都宮 (大ホール)、宮みらいライトヒル (宇都宮市宮みらい1-6)
詳細:https://fiba3x3.com/en/olympics/olympics-how-to-qualify.html#uoqt2
※参加 8 チームのうち、最上位 1 チームがパリ2024オリンピック出場権を獲得
■ OQT
大会名称:FIBA 3×3 Olympic Qualifying Tournament
(FIBA 3×3 バスケットボール オリンピック予選)
日時:2024年 5 月16日 (木) ~5 月19日 (日)
場所:ハンガリー (デブレツェン)
詳細:https://fiba3x3.com/en/olympics/olympics-how-to-qualify.html#oqt
※UOQT2 にてパリ2024オリンピック出場権を獲得していた場合は、出場しない。
※参加16チームのうち、上位 3 チームがパリ2024オリンピック出場権を獲得